フクイチ3号機燃料プール鉄骨瓦礫落下についての考察。
2013/02/09(Sat) 08:07
福島第一原発の中でも一番ド派手に爆発した3号機の、燃料プールに落下した原子炉建屋の鉄骨トラスの撤去について、2月6日、メディアは一斉に報じた。
がれき撤去中、鉄骨が破断 福島第1原発3号機(福島民友ニュース)
http://www.minyu-net.com/news/news/0207/news6.html
東京電力は6日、福島第1原発3号機の使用済み燃料プールにあった鉄骨がれきの撤去中、鉄骨が二つに破断し、一部がプールに落下したと発表した。遠隔操作のクレーンが破断後も鉄骨をつかんだままだったため、プールの下までは落下しなかったとみられる。
東電は「落下直後までは監視用の水中カメラでプール内の様子を確認できた」としているが、その後は落下の衝撃で水が濁っているという。7日にもプール内に水中カメラを入れ、使用済み燃料への影響の有無を調べる。
東電によると、今回撤去した鉄骨はプールにあった最後の1本で、もともと一部がプール内の水に入っていた。6日午後1時ごろ、クレーンでつり上げた鉄骨が破断。その後も撤去作業を続け、建屋脇に下ろした。
(2013年2月7日 福島民友ニュース)
--転載ここまで--
福島第1原発3号機 プール内鉄骨が撤去中に破断… ― スポニチ Sponichi Annex 社会
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/02/07/kiji/K20130207005142190.html
東京電力は6日、福島第1原発3号機の使用済み燃料プール内に水没した鉄骨の撤去作業で、クレーンでつり上げた際に鉄骨が2つに破断したと発表した。鉄骨が再びプールに落下することはなく、作業は終了した。
この日、撤去した鉄骨は原子炉建屋の屋根の一部で、長さ約20メートル、重さ約13トン。遠隔操作のクレーン2台で持ち上げた際に破断した。クレーンのアームが鉄骨をつかんでいたため落下は免れ、プール内の燃料にも影響はなかった。鉄骨が撤去できたことで、東電は今後、プールにがれき落下防止のカバーを設置、周辺のコンクリート片などの撤去を本格化する。
[ 2013年2月7日 06:00 ]
--転載ここまで--
http://www.minyu-net.com/news/news/0207/news6.html
東京電力は6日、福島第1原発3号機の使用済み燃料プールにあった鉄骨がれきの撤去中、鉄骨が二つに破断し、一部がプールに落下したと発表した。遠隔操作のクレーンが破断後も鉄骨をつかんだままだったため、プールの下までは落下しなかったとみられる。
東電は「落下直後までは監視用の水中カメラでプール内の様子を確認できた」としているが、その後は落下の衝撃で水が濁っているという。7日にもプール内に水中カメラを入れ、使用済み燃料への影響の有無を調べる。
東電によると、今回撤去した鉄骨はプールにあった最後の1本で、もともと一部がプール内の水に入っていた。6日午後1時ごろ、クレーンでつり上げた鉄骨が破断。その後も撤去作業を続け、建屋脇に下ろした。
(2013年2月7日 福島民友ニュース)
--転載ここまで--
福島第1原発3号機 プール内鉄骨が撤去中に破断… ― スポニチ Sponichi Annex 社会
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/02/07/kiji/K20130207005142190.html
東京電力は6日、福島第1原発3号機の使用済み燃料プール内に水没した鉄骨の撤去作業で、クレーンでつり上げた際に鉄骨が2つに破断したと発表した。鉄骨が再びプールに落下することはなく、作業は終了した。
この日、撤去した鉄骨は原子炉建屋の屋根の一部で、長さ約20メートル、重さ約13トン。遠隔操作のクレーン2台で持ち上げた際に破断した。クレーンのアームが鉄骨をつかんでいたため落下は免れ、プール内の燃料にも影響はなかった。鉄骨が撤去できたことで、東電は今後、プールにがれき落下防止のカバーを設置、周辺のコンクリート片などの撤去を本格化する。
[ 2013年2月7日 06:00 ]
--転載ここまで--
記事の元になった東電のプレスリリースを紐解いてみよう。
ttp://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130206_03-j.pdf

なんのことはない。間一髪セーフだったようだ。遠隔操作で2か所を抓んで引き上げようとしたけれど、呼吸が合わず小部材側を掴んでいたクレーンが先走っちゃって、13トンの元々天井部分にあった鉄骨トラスを分断してしまった。とりあえず、分断した小部材を先に引き上げて再度鉄骨トラスを掴み、鉄骨トラスは無事に撤去されたようである。続けて報道資料の二枚目である。
ttp://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130206_03-j.pdf

緑で囲った部分を見て欲しい。作業開始前と作業完了後では燃料プール上部雰囲気線量が、なんと毎時4ミリシーベルトも下がっている。つまり、今回撤去した鉄骨トラスがれきそのものが毎時4ミリシーベルトの放射線源であった、もしくは毎時4ミリシーベルトの放射能で汚染されていたということである。これは、いささか腑に落ちなかった。毎時4ミリシーベルト下がったとなると、例えば、数本の燃料集合体も一緒に撤去されたとしたら辻褄があわないか?なんて考えたりもした。
やはり、この話には続きがあったようで、鉄骨瓦礫が燃料プールに落ちそうになったけれどセーフでしたとよくよく考えればなんとも不思議なニュースをメディアスクラムで一斉報道させた翌日、後出しジャンケンのように東京電力は1.5トンの鋼鉄製の棒(?)がプール内に落下したと公表した。
3号機プールで鋼鉄の棒落下か NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130208/k10015378141000.html
2月8日 4時56分
東京電力福島第一原子力発電所3号機の使用済み核燃料の貯蔵プールで、ほぼ水の中につかった状態で見えていた、重さ1.5トンの鋼鉄製の棒がなくなっていることが分かり、東京電力は、プールに落下したとみて、今後、水中カメラを入れて燃料に異常がないか確認するとしています。
福島第一原発3号機では、使用済み核燃料の将来的な取り出しに向けて、貯蔵プール周辺のがれきの撤去作業を続けています。
東京電力によりますと、6日の作業のあと、遠隔操作のカメラでプールの状況を確認したところ、作業前まで水にほぼつかった状態でプールの中央付近にあった、重さ1.5トンの鋼鉄製の棒が完全に見えなくなっていることが分かりました。
このため東京電力は、プールの中に落下した可能性があるとみて、準備が整いしだい水中カメラを入れて、水没した棒の状態や、使用済み核燃料に異常がないか確認することになりました。
東京電力によりますと、これまでのところ、プールの水位やプールの水に含まれる放射性物質の濃度に変化はなく、冷却も通常どおりできているということです。
3号機の使用済み核燃料の貯蔵プールを巡っては、去年9月にも、がれきの撤去作業中に、プール脇にあった重さ470キロの鉄骨を誤って落とすトラブルがあり、東京電力は、一部の作業が3か月近く中断し、監視を強化するなどの再発防止策をとっていました。
--転載ここまで--
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130208/k10015378141000.html
2月8日 4時56分
東京電力福島第一原子力発電所3号機の使用済み核燃料の貯蔵プールで、ほぼ水の中につかった状態で見えていた、重さ1.5トンの鋼鉄製の棒がなくなっていることが分かり、東京電力は、プールに落下したとみて、今後、水中カメラを入れて燃料に異常がないか確認するとしています。
福島第一原発3号機では、使用済み核燃料の将来的な取り出しに向けて、貯蔵プール周辺のがれきの撤去作業を続けています。
東京電力によりますと、6日の作業のあと、遠隔操作のカメラでプールの状況を確認したところ、作業前まで水にほぼつかった状態でプールの中央付近にあった、重さ1.5トンの鋼鉄製の棒が完全に見えなくなっていることが分かりました。
このため東京電力は、プールの中に落下した可能性があるとみて、準備が整いしだい水中カメラを入れて、水没した棒の状態や、使用済み核燃料に異常がないか確認することになりました。
東京電力によりますと、これまでのところ、プールの水位やプールの水に含まれる放射性物質の濃度に変化はなく、冷却も通常どおりできているということです。
3号機の使用済み核燃料の貯蔵プールを巡っては、去年9月にも、がれきの撤去作業中に、プール脇にあった重さ470キロの鉄骨を誤って落とすトラブルがあり、東京電力は、一部の作業が3か月近く中断し、監視を強化するなどの再発防止策をとっていました。
--転載ここまで--
この、『重さ1.5トンの鋼鉄製の棒』については、東京電力は2月8日付のプレスリリースで、『燃料交換機マストと思われる瓦礫』だと説明している。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130208_01-j.pdf

とかく、引っかかるのは、『燃料交換機マストと思われる瓦礫』という東電の奥歯に挟まったような言い分である。ここでいう燃料交換機マストとは、釣竿の様に伸縮可能な中空のポールであるが、http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2007/pdfdata/bi7b12-j.pdfなどの図などがイメージしやすいだろう。原子炉プラントの主要設備だけに『と思われる』とぼやけた言い回しをすることに合点がいかないのである。
昨年(2012年)9月24日、470キロほどの鉄骨を掴み損ねて燃料プールに落下させたニュースを覚えていないだろうか。この時の動画が以下であるが、実はここに東電が燃料交換機マストというらしきモノが写り込んでいるのである。
動画の冒頭部分から上部に当該物が写り込んでいる。画面上部の右寄りである。これで間違いないだろう。水色で丸く囲った。

そして、注目してもらいたいものがある。どちらかといえば、東電が燃料交換機マストと説明するモノでなく、その、ちょい下である。


よく似たものがその真下に数百本分連なっているはずである。燃料プールにある、燃料集合体を収納するケースの様に見えないだろうか。
http://photo.tepco.co.jp/library/20121015_02/121015_04.jpg

燃料交換機マストという鋼鉄製の棒が水面から消えて見えなくなったのなら、当然、そのすぐ真下にある、保持部が破壊されて水面まで浮かび上がってきたのだろう燃料集合体を収納するケースと思しき瓦礫も一緒にプールの底に沈んでいったと考えても矛盾はない。そして、その、燃料集合体を収納するケースと思しき瓦礫の中に、幾ばくかでも核燃料が存在していたとするならば、実は、先の毎時4ミリシーベルト下がったことも説明付くのである。水面近くまで浮かび上がっていた高線量源がプール底に沈んでいったのでそれだけの線量が下がったというわけである。
燃料プールが健全であるならば、プール底部で頑強に固定されているだろう収納ケースが水面近くまで浮かび上がってくるわけがない。思うに、燃料集合体のケースらしきモノが水面近くまで浮かび上がってきていることに東電内の誰かが気づき、プールの中に落としてしまえと、画策したのではなかろうか。
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Category:福島第一原発事故
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