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イラン、イスラエル、スーダン、そしてTR3-B。

2012/11/05(Mon) 07:55


軍需工場空爆でスーダン情報相、イスラエルに報復を辞さない構え。


アフリカ・スーダン共和国の首都、ハルツームのヤルムク軍需工場で爆発火災が発生した。間もなく、スーダン政府は、『軍需工場の爆発火災はイスラエルによる空爆であり、(スーダン側には)報復する権利がある』と物騒なことを言い出す始末である。

そして、スーダンがイスラエルに空爆されたという軍需工場は、イランからの軍事支援により、弾道ミサイルの製造拠点でもあったというのだ。スーダン軍需工場爆発火災から間もなく、イランは2艦の軍艦をスーダン入りさせている。

地理的に見て、イスラエル軍がスーダンの軍需工場をピンポイントで爆撃するのは不可能のようにも思える。通常の空路ではエジプトやシリアの制空域を避けられないからだ。

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イラン爆撃

2011年11月、イラン・テヘランにある軍需拠点2か所が爆発した。片方の爆発で、キノコ雲が立ち上り、40キロ離れた場所にある民家のガラスをも震わせた。イラン国産の中距離弾道ミサイル、シャハブ3に核弾頭を搭載している最中の爆発ではないかとの推測も流れたが、この件に関してはイラン側は一切を沈黙した。

Deadly blast at Iranian military base - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=2hsZ4fonpSA&hd=1

光の素足 イラン革命防衛隊、「防衛隊の基地で爆発、15名が殉教」
http://nakahira5526.blog.fc2.com/blog-entry-217.html

余談であるが、最近すっかりメーソンの広告塔となってしまった芸人関暁夫は自著の中で、『イランの爆発はアメリカから飛び立ったTR3-Bによるものだ』という説を載せている。アメリカのエドワード空軍基地を飛び立った2基のTR3-Bが空爆を遂行したというのだが、一切のレーダーに完治されなかったというのである。

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関の本の中では、『反重力航空機』とUFOのテクノロジーだとほのめかす形で紹介されているが、一つ興味深い話がある。航空機の表面を非常に電荷の強い物質である劣化ウランでコーティングし、電流を流してやれば宙に浮くことをアメリカ空軍が発見し、実際にステルス爆撃機に採用しているというものである。



劣化ウランをコーティングしたステルス爆撃機など、乗組員の被曝防護の観点からいっても存在しうるわけが無いのだが、軍事は人権を超越するものである。動画の中では、先のアフガンイラク戦争でアメリカを飛び立ったステルス爆撃機が途中給油なしにアフガンを空爆し、アメリカに帰還した話を例に出し、劣化ウランでコーティングされたステルス爆撃機が実用化されている可能性を示唆している。それが、TR3-Bであるとは言及されていないものの、全てがつながって見えてくる。

今回のスーダン軍需工場爆発火災で、どうしても引っかかるのが、爆発の翌日にはスーダン側が、『イスラエルによる空爆』だと断定したことである。『レーダーに探知されにくい航空機4機が軍需工場を爆撃した。爆発物の残骸からイスラエルの関与を示す証拠が見つかった』からといって、翌日にはその判断をするのに十分なのだろうか。スーダン軍需工場爆発から間もなく、イラン海軍の軍艦が二艦スーダン入りした。

イスラエルが領空侵犯をせずにスーダン側に侵入した証拠が十分にあるとは言えない状況で、なぜ、イスラエルの空爆だと認識するにいたったのか。この件に関し、イスラエルは沈黙を貫いている。やったともやってないとも言わないようである。


イランの核保有問題からウラン濃縮工場の機能不全に至る過程で、旗を振っていたのはイスラエルであった。報復の核で反撃しうる過激な思想の国家に原子力を推進するべきではない。裏を返せば、これから軍事侵略しようとしている国が核兵器製造能力を有してもらってはかなわん、ということになる。核問題をめぐるイランに対する圧力というものの実体は、モサドを使い、世界で謀略の限りを尽くしている四国ほどの面積のイスラエルの一国のエゴにすぎない。

イスラエルが水面下で繰り広げているもの。いわゆる、影の戦争である。

イランではインフラ破壊兵器によりウラン濃縮工場の遠心分離機が1000台故障したが、インフラ破壊兵器対策を施した新型の遠心分離機を開発し、3000台を稼働させた。アメリカとイスラエルの情報機関はイランの核兵器開発を数年遅らせたと読んでいたが、結果的にイランの核技術は飛躍的に進歩することになった。国産の核燃料棒を製造するまで至っている。

報復の核を恐れて、イスラエルはイランに手が出せなかった。前回のエントリでも軽く触れたが、最近、イランの保有するウランの相当分が原発の核燃料用に回されることになり、イスラエルは、イランは報復の核を打ってこないと判断したようだ。ここに来て、イランが軍事技術を提供しているスーダンの軍需工場の爆発である。スーダン、イスラエル、そしてイラン。隣国同士ではない中東の三国のイザコザは、今、中東では何が起こっているのかを端的に表しているようである。




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