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原子力規制委員会人事と国会事故調国会招致拒否。

2012/08/03(Fri) 06:37



福島第一原発事故の国会事故調が報告書を提出し、人災だと結論つけた。他方で政府事故調は東電が主張する津波主因説を踏襲し、さらに当時の内閣総理大臣菅直人が事故を悪化させた間接的な原因とも指摘した。

福島第一原発の事業主である東京電力は、津波主因説を主張して譲らない。国や政府がかかわる事故調査委員会は津波以外の要因にこそ事故の本質があるのではないかと疑問を呈しているのだが、想定外の津波が原発三基を破壊しレベル7の原発事故を引き起こしたんだと既成事実化しようと目論んでいる。

はっきりと指摘しておくが、東電の主張どおりであったとしたならば、日本の沿岸部にある原発は全て稼働してはいけないのである。想定外の津波が襲ってくる沿岸部に原発建てちゃ駄目でしょうよ。少なくとも、想定外の津波が襲ってくる可能性がある以上、それは自明の理であり、日本の全ての原発は稼働してはならないのである。

まだ、福島第一原発事故の全容は明らかになっていない。それは確固たる事実である。



先日より、原子力規制委員会の人事について議論が沸き起こっている。田中俊一という原子力村の村長が委員長の席に座ろうとしているのだが、原発を推進してきた、その中心に居た人物である。

ところで、国会事故調の黒川委員長の国会招致を自民党が拒否していると、森ゆうこ議員がツイートしているのだが、原子力規制委員会の人事と、どうやら無関係では無さそうである。








なぜ、国会事故調の生みの親である自民党が、国会事故調の委員長の国会招致を拒否するのか。あまりにも不可解だが、民・自・公以外の政党は原子力規制委員会の人事に軒並み反対している。とにかく、原子力規制委員会人事はひとくせありそうだ。


時事ドットコム:規制委人事案に反対=社民
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012080200973

時事ドットコム:差し替え含め再検討を=政府の規制委人事案で-民主PT座長
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012080200551

時事ドットコム:規制委人事案の撤回申し入れ=超党派議員ら、細野原発相に
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012080200671


民主党は党議拘束をかけてまで田中俊一を委員長に起用する原子力規制委員会人事を成立させるつもりだ。


時事ドットコム:規制委人事に党議拘束=民主幹事長
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012080200777&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter


ここまでする理由は一体何なのか。自民党が立ち上げた国会事故調は自民党が立ち上げたものだ。にもかかわらず、国会招致を拒否している。




20120802 国会事故調委員を国会に呼べないってなぜ? 投稿者 PMG5




20120801 福島で意見聴取会 国会でも田中俊一氏... 投稿者 PMG5


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けっきょく反省していないということだ。



特に引っかかったのは以下のくだりである。


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『ただ 私は特に研究所が
長かったということもありまして
あまり(電力会社など)事業者との
付き合いはありません』


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『今までと違うような一線を画した規制行政ができる
すべきというふうに思っている。』


原子力ムラとの利害関係がないから、大胆な改革こそ断行できると言っているようにも聞こえるが、なんのことはない、後日、田中俊一委員長『候補』が、実は原子力関連団体から報酬を受け取っていたことが判明したのである。

時事ドットコム:原子力団体から報酬29万円=規制委員長候補の田中氏
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012080200769


そして、原子力規制委員会の人事に際し、「田中俊一のどこが悪いのか」と産経は主張した。ここまで嘘デタラメを並び立てた記事もそうそうないのだが、ひとまず全文引いてみる。



【主張】原子力規制委 田中氏でどこが悪いのか+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120803/plc12080303280004-n1.htm

2012.8.3 03:28 (1/2ページ)[主張]
 原発の安全性を確認した上で、その再稼働を進めるためにも原子力規制委員会の速やかな発足が不可欠だ。

 野田佳彦政権は規制委の委員長候補として前原子力委員会委員長代理の田中俊一氏を提示し、国会で同意が得られれば確定する段階にある。

 田中氏は1日、国会の聴取で安全規制に関する所信を表明した。だが、脱原発を掲げる民主党議員の一部が人事案を出し直すよう政府に求めるなど、早期決定は楽観できない情勢だ。

 安価で安定した電力の確保は国の責任である。そのためにも大多数の原発が停止したままの不自然な状態からの脱却が肝要だ。野田首相は、民主党内の意見分裂で規制委の発足を遅らせるような事態を招いてはならない。

 田中氏の所信は、原子力安全文化の再構築を厳正に目指す内容といえる。原発再稼働の判断基準については「技術的な点で精査が不十分だった可能性がある」とし、規制委で慎重に確認し、評価する必要性を打ち出した。

 また、原発の寿命に関しては、「40年を超えた原発は厳格にチェックし、要件を満たさなければ運転させない姿勢で臨むべきだ」とも述べている。

(註・40年超の原発を動かすつもりでいるようだ。)

 この所信のどこがいけない、と言うのだろうか。難色を示す意見は、田中氏が日本原子力研究所副理事長などを務めていた経歴をあげつらうことに終始している。

(註・原子力ムラとは利害関係にないから大胆な規制行政ができると言っておきながら、原子力関連から報酬を受け取っていた事実は重い。平気な顔で嘘をつくことだけは確かなことである。)

 「原子力ムラ」の一員という烙印(らくいん)を押す態度は公正を欠き、民主主義にも反するものだろう。

(註・本人が原子力ムラの一員だと認めているのだが)

原子力規制委員長は、平時の安全規制だけでなく、非常時の事故収束にも重い責任を持って対応する職掌だ。

(註・福島第一原発事故の責任は、事業主の東電も現政府も誰一人として責任を取っていない。現総理大臣野田は、再稼働した原発が事故を起こしても責任を取らないと閣議決定した。)

原子力について現場で通用する技量と知見を身につけている人でなければ務まらない。

 高い独立性と強い権限を法律で付与された原子力規制委は、後ろ向きな「規制のための規制」を行う機関ではない。安全を強化しつつ、国家の要請に応えるための規制に身を挺(てい)することができる委員で構成されるべきである。

 所信聴取で田中氏は「日本のために身を投げ出すべきではないかと思い、就任を決意した」と語った。実力と決意で氏に勝る適任者はいないのではないか。

 今冬の電力不足を回避するためにも、機能停止中の原子力安全委員会に代わる規制委の9月発足を確実に実現してもらいたい。

--転載ここまで--


産経新聞が政治家に向いてニュースを発信しているのは確かなようだ。


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Category:福島第一原発事故

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2012/09/01(Sat)11:17

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

名前:封筒の書き方 (URL編集

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