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福島第一原発事故の真相に迫る! 5 〈玄海原発の深刻な脆性遷移温度とECCS作動の危険性〉

2011/10/21(Fri) 20:52

当方の書く記事に説得力はない。それは重々承知している。ただ、今回感じている直感は、TPP不参加を打ち出せば、巨大津波が日本を襲う?!という記事を書いた時と良く似ている。本当にやばい、という直感である。誠天調書様の記事からヒントを得て、スマトラ沖級の巨大津波が日本列島に襲いかかると危惧した通り、日本に311クライシスが襲いかかってきた。未曾有の被害をもたらした311クライシスの二週間前に感じた胸騒ぎが、今この記事を書かせている。


43.8,142.6(2011年10月21日17時03分 最大震度3 北海道上川地方中部 43.8N 142.6E 190km M6.2 http---j.mp-ovd8vc) - Google マップ
北海道のど真ん中が震源地。


気象庁|地震情報
最高震度を青森東通で記録。さらに、泊原発が全く揺れていない。


キャプチャ画像は2011年10月21日五時に発生した地震である。不思議な点が二点ある。北海道の中央部を震源としているのにもかかわらず、東通原発、六ヶ所再処理工場がある地域が最も揺れていることと、震源地が北海道にあるにも関わらず、泊原発が全く揺れていない点だ。

北海道の上川地方を震源としているのに、泊原発周辺は全くゆれていない。さらに東通という原子力産業密集地帯で最大震度を記録しているのである。泊原発は黒松内低地断層帯の影響下にあることを考えれば、まるで、泊原発を避けているかのような地震であった。


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北海道・泊原発の活断層と3号機の検査記録の改ざん | カレイドスコープ :
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-778.html



併せて考える必要があるのは北海道知事の原発容認姿勢である。自治体の長であるならば、即刻原発廃炉を決断するのが民意のコンセンサスである。泊原発の営業運転を容認するという北海道知事の判断に不気味な影を見出さずにはいられなかった。


泊原発の営業運転を容認へ 北海道知事が午後にも表明 - MSN産経ニュース :
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110816/dst11081608540001-n1.htm

泊原発3号機、営業運転再開へ=福島事故後で初
http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/597.html



泊原発については、こんな話もある。



山崎淑子の「生き抜く」ジャーナル! 
http://enzai.9-11.jp/?p=5893



愚かしい。愚かしいのにもほどがすぎる。福島第一原発事故を目の前に、原発は即刻停止の方向へ向かわなければいけないはずなのに、北海道知事は活断層調査の記録を黙殺し、やらせを仕込んでまでも原発の営業運転を続行しようとはばからない。4つが4つとも別々の壊れ方をした事故の原因を全て津波に転嫁して、真の原因究明がなされないままである。肝心な部分がごっそり抜け落ちたデータを出し、マニュアルすら黒塗りでほとんどを潰し、想定外の津波が原因でしたと、誰が信じるというのだろうか。

TPP参加を打ち出させるために地震兵器で恫喝を視野に入れるとすんなりと答えが見えてくる。ここでは簡単に触れるにとどめるが、原発に対する地震の脅威は営業運転していればこそなのである。だから、北海道知事は民意を無視して原発稼動に熱心なのである。電力不足などレトリックに過ぎず、北海道知事はTPP参加を確固なものにしたい見えない思惑に踊らされているのである。

ただ、今回、『本気でやばい』と感じたのは北海道の泊原発ではない。


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九州佐賀県の玄海原発、中でも最も古い1号機である。


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まずは、なぜ、玄海原発1号機が最も危険だと思うのか。一つには、1975年から運転する1号機の脆性劣化の深刻度である。脆性遷移温度が2009年の時点で98度。これは本来の予測値と大きくずれているという。予測通りに脆性遷移温度が推移していないのが問題なのである。


玄海原発1号機 想定以上に劣化進行か/佐賀のニュース :佐賀新聞の情報コミュニティサイト ひびの :
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1968174.article.html

 運転開始から36年が過ぎた九州電力玄海原子力発電所(佐賀県東松浦郡玄海町)1号機の原子炉圧力容器の劣化を判断する指標となる「脆性(ぜいせい)遷移温度」が大幅に上昇、大学の研究者らは異常として問題視し、最悪のケースとして容器破損の可能性にも言及している。九電や国は「安全性に問題ない」と反論。研究者は検証のためのデータ開示を求めるが、九電は「業界規程に基づいて適正に検査しており、検証しても結果は同じ。40年目の高経年化評価時にデータを公表する」としている。
 
 鋼鉄製の原子炉圧力容器は中性子を浴びるともろくなる。電力各社は老朽化を把握するため容器内に同じ材質の試験片を置いて取り出し、緊急冷却した場合などに容器が壊れやすくなる温度の境目となる脆性遷移温度を測っている。劣化が進むほど温度は高くなる。
 
 九電によると、運転開始時の1975年の脆性遷移温度は零下16度。これまで4回取り出した試験片の温度は、35度(76年)、37度(80年)、56度(93年)と推移し、2009年は98度に大幅上昇した
 
 九電は「試験片は圧力容器よりも多く中性子を浴びる場所に置き、数十年後の圧力容器の劣化状況を予測するためのもの。98度は2060年ごろの数値に当たる」と説明。「圧力容器の現在の脆性遷移温度の推定は80度で、60年間運転した場合でも91度」とし、日本電気協会が定める新設原子炉の業界基準93度を下回っていることを強調する。26日の県民説明会でこの問題を質問された経産省原子力安全・保安院も同様の説明をして「容器が壊れるような状況にはない」と答えた。
 
 ただ、こうした見解に研究者は疑問を示す。九州大応用力学研究所の渡邉英雄准教授(照射材料工学)は「上昇値は本来の予測値から大きくずれ、誤差の範囲を超えている。原子レベルで想定外の異常が生じている可能性がある」と指摘。井野博満東大名誉教授(金属材料学)は中性子の影響を受けやすい不純物が含まれるなど材質が均一でない可能性を指摘したうえで、「緊急冷却で急激に温度を下げた場合、圧力容器が壊れる可能性がある」とする。
 
 研究者は試験片や検査データが開示されていないため詳しい検証ができないとし、電力各社に情報開示を求める意見も強いが、九電は「今後も安全な数値で推移すると判断しているので、すぐにデータを提示する必要はない」としている。
 
【関連記事】
 
「【解説】玄海1号機の劣化問題 危険性の指標上昇」
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1968466.article.html

--転載ここまで--



九電の説明はなんだかんだ言い逃れにしか聞こえない。やはり、九電の説明は鵜呑みにするわけにはいかない。

原子炉圧力容器の中性子被曝による脆性劣化、脆性破壊の危険性については先のブログエントリーで書いた。


原子力発電で使われる原子炉圧力容器には致命的な欠陥がある。
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-319.html


玄海原発1号機の運転開始時の脆性遷移温度は-16度。そのころは1号機とてECCSが作動しても何も問題は無かっただろう。しかし、三十年中性子被曝を続けた玄海原発1号機の原子炉圧力容器の鋼鉄は脆性遷移温度が98度にまで遷移しているのである。しかも、その数値は予測値と大きく逸れ、2011年の今、さらに脆性遷移温度が上昇しているのは言うまでもない。

中性子被曝は鋼鉄を脆性劣化させる。中性子は分子レベルで鉄をガラス化させてしまう。熱せられたガラス製品は、そのまま常温に浸すとヒビが入ったり割れてしまうが、それと同じ現象が長期間、中性子被曝にさらされた鋼鉄製の圧力容器でも起こりうるということだ。

冷却材喪失のトラブルの際、貯水タンクからECCSに流入する水は常温である。原子炉圧力容器に降り注ぐ過程で熱せられ、直接圧力容器に常温水がかけられるわけではないというが、中性子被曝で致命的な脆性劣化状態にある玄海原発1号機でECCSが作動すれば致命的な脆性破壊のきっかけになることは間違いない。

田中三彦氏によれば、鋼鉄は分厚ければ分厚いほど破壊されやすくなるという。圧力容器は厚さ10センチ以上である。原子炉プラントは通常70気圧、280℃で営業運転される。例えば、地震で自動停止し、外部電源がつながらず、原子炉水位が低下、ECCS自動起動レベルにまで達したとしよう。当然、ECCSが作動し、冷水(常温水)が圧力容器に流入することになる。または、シャワーのように降り注がれることになる。70気圧、280度の圧力容器がどんなことになるか。未知の領域であろう。

中性子被曝による脆性劣化は圧力容器の配管や接続部にも言えることである。ECCSが作動し、それら配管や接続部に冷水が触れれば著しい脆性破壊をもたらすのは容易に想像できる。

脆性遷移温度が98度にまで脆性劣化した原子炉圧力容器で、緊急炉心冷却装置、ECCSが作動すればどうなるか。玄海原発1号機はもはや原子炉プラントの最後の砦であるECCSですら命取りになりかねない事態に陥っているである。

玄海原発1号機は今現在運転中である。運転中は原子炉圧力容器は280度になるため、安定した状態にある。それも皮肉なものである。


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ECCSは緊急炉心冷却装置であるがゆえ、営業運転中は緊急事態以外で作動することはない。ではどうしたら営業運転中にECCSが作動するのか。外部電源喪失事象、あるいは冷却材損失事象(LOCA)に見舞われ、原子炉水位が緊急冷却装置起動レベルにまで低下したときである。

つまり、一番の懸念は、311の九ヶ月前に発生したフクイチ2号機の外部電源喪失事故のようなトラブルである。




フクイチ2号機の外部電源喪失事故では、界磁しゃ断器のトラブルにより原子炉が自動停止、速やかに発電機やタービンが停止されたが、外部電源に30分つながらず、原子炉水位を2メートル低下させた。ECCS自動起動レベルまで、あと30センチだったという。


福島第一原発事故の真相に迫る! 1 〈2010年6月17日フクイチ2号機事故とベント隠し〉 
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-312.html


トラブルは原因不明のままであった。しかし、福島第一原発の事業主である東電は、原因をまったく解明出来ず、消去法で『作業員の人為ミスと系統安定化装置の故障が原因』だと推定した。真の自己原因解明を忌避し、作業員に注意を勧告し、『触るな』と張り紙をして回ったのである。愚かしいことに原子力安全・保安院はひと月後に再稼働を承認。今一度指摘しておくが、このときにとった対処が福島第一原発事故の布石を打ったことを、今でも信じて疑わない。フクイチの1~4号機の系統安定化装置を撤去したことも福島第1原発事故の間接的な原因であると疑っている。


福島第一原発事故の真相に迫る! 2 〈フクイチ2号機事故の推定経過と撤去された系統安定化装置〉
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-313.html


そして、311以降、世界中の原発で非常用ディーゼル発電機を稼働される事態が相次いで報告されている。すなわち、外部電源が喪失したと同じことである。


福島第一原発事故の真相に迫る! 3 〈韓国古里原発で相次ぐトラブルと2010年6月フクイチ2号機事故の類似性〉  
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-314.html

福島第一原発事故の真相に迫る! 4 〈スタクスネットが世界中の原発をメルトダウンさせる?!〉 
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-316.html


外部電源喪失事故のバックアップとして非常用ディーゼル発電機の複数台設置が安全基準上規定されている。だが、外部電源喪失時に非常用ディーゼル発電機が起動しなかった例が多数報告されていることを指摘しておく。あわよくば、原子炉水位を低下させてしまう冷却水喪失事象につながりかねないのである。

ここで一つ、スウェーデンのフォッシュマルク原発で2006年7月に発生した原発トラブルを紹介したい。このとき、外部電源を22分間失い、原子炉水位を2メートル低下させたのであるが、フクイチ2号機の外部電源喪失事故と瓜二つの経過をたどっているのである。

さらにいえば、スウェーデンは地震も津波も発生しない地盤が安定した国である。きっかけは人為ミスかも知れないが、原子炉プラントの電源制御システムのトラブルという点で共通する。このトラブルは『電源制御システムのインターロック機能』をうかがい知る上で有益に思うので、フォッシュマルク原発1号機で何が起こったのかを簡潔に説明するブログ記事を引用してみたい。



2006年7月のフォッシュマルク原発のトラブル - スウェーデンの今 :
http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/b6ae561976b50133e5c55b781eaa4db9

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この日はフォッシュマルク原発と外部の送電線とを結ぶ変電所においてメンテナンス作業が行われていたが、その作業中に予期せぬ放電が電線の間で生じ、ショートが起きてしまった。その結果、フォッシュマルク原発1号機と変電所の間の電線が遮断されしまった。

これだけであれば、原発ではその後も発電が行われ続けるため、炉心冷却のための電源喪失という事態に至る危険性は小さかった。しかし、このショートと電線の遮断がきっかけとなって複数のトラブルが連鎖的に発生することになった。

まず、ショートに伴って電線を流れる電流の電圧が低下を始めたため、原発のタービンの回転から電気を生み出している発電機が自動的に反応して電圧を元に戻そうした。しかし、この時の反応が急激だったために、通常の2.2倍も高い電圧がパルスとして瞬間的に電線を流れ、原発施設内の電力供給システムをダウンしてしまった。

これに加えて、発電タービンの油圧系統がトラブルを起こしたため、第1タービンと第2タービンが相次いでストップしてしまった。そのストップの際に、通常よりも周波数の低い電流が電力供給システム内を流れてしまった。本来はそれを防ぐためのブレーカーがタービンの発電機に取り付けられていたものの、2005年(事故の前年)の取り付けのときに間違った設定がなされていたため、ブレーカーが作動しなかった。そのため、低い周波数の電流から機器を防護するために、別の場所のブレーカーが作動してしまった。

不幸なことに、そのブレーカーというのは原発施設と外部電源とを結ぶ電線を制御するものでもあったため、外部から電源を確保することができなくなってしまった。


ib@_20111021204420.jpg
(ここでいうブレーカーは所内側しゃ断器。図中②番。)


このような事態に対処するために複数の安全装置が準備されているわけだが、最初の安全装置であるバッテリー(本来は2時間持つ)が機能しなかった。高電圧のパルスが流れた際に、バッテリーがシステムから遮断されてしまったためだ。また、本来はこのような事態に起動するはずのガスタービンが動かなかった。

このように、外部電源もダメ、バッテリーもダメ、ガスタービンもダメ、ということで、中央制御室は停電し、原子炉の状況を伝えるモニターや計器がダウンしてしまった。暗くなった中央制御室内では、赤色のランプが点滅し異常事態を警告していた。

中央制御室では停電の中、職員が緊急時のチェックリストに従って作業を行っていた。しかし、停電のために原子炉の状況が分からない。トラブルに伴って原子炉の運転が停止したものの、核分裂を止めるための制御棒がきちんと炉内に挿入されたかどうかが分からない。手探りの中、原子炉が今どのような状況にあるのかについて、想像されるシナリオを頭に描きながら事態に対処していったという。

では、炉心冷却のほうはどうなったのだろうか? 電源喪失という事態に備えて、炉心冷却のためにデーゼル発電機が1炉につき4台設置されていた。しかし、そのうち2台が機能しなかったのだ。実はこの2台のディーゼル発電機に取り付けられた周波数制御装置は上記のバッテリーと同じシステムに接続されており高圧パルスが流れた際に、電力供給システムから遮断されたためだ。周波数制御装置が機能しないため、電力を供給できなくなったのである残る2台は作動し炉心冷却のための電力を供給し始めたものの、必要とされる電力を十分に満たすことはできず、注水ポンプをフル稼働させることができなかった注水量の不足のために炉心内の水位が徐々に低下し始めていた

トラブルの発生から22分後、原発施設と外部の電線網を結ぶブレーカーを現場の作業員が手動で切り替えたおかげで、外部から電流が流れるようになった。それに伴い、中央制御室の電力も回復し、炉心冷却も外部電源で行うことが可能になり、危機を脱することができた。

この22分の間に原子炉圧力容器の内部では、それまで燃料棒の上端から上4mのところにあった水位が上2mまで低下していた


このように複数のトラブルが重なり、事態が深刻になっていった。非常時に備えるための安全装置は本来は独立して存在すべきなのに、このトラブルの際には、互いに依存しあっている部分が多く、一つの安全装置が動かなくなると、別の安全装置も動かなくなったり、もしくは、ある同じ要因が複数の安全装置をダメにしてしまう、という事態が発生した。

結局、現場の作業員が冷静に判断して、外部電源を手動で回復させたために大事に至らなかった。しかし、たった22分で炉心内の水位が2mも減少しており、そのままの状態が続いていたならば、メルトダウン(炉心溶融)に至っていたと専門家は言う。福島原発に比べて幸いだったのは、外部電源が途絶えたものの電線は物理的に存在しており、ブレーカーを戻せば通電できたということ、それから、もしそれがダメでも、隣の2号機や3号機が健在なのでそこから何らかの形で電力を引くことができたということだろう。

しかし、スウェーデン政府および原子力業界はこの事態を重く見て、その後、安全装置の総点検と再設計を行うことになった。スウェーデンの原子力利用における最大の事故だったと認識されており、INESの深刻度レベルでは「レベル2」に分類されている。

---------------------抜粋



原子炉プラントの電源制御システムにはインターロック機能という致命的な欠陥が内包される。内外部電源が通電すれば瞬間的にシステムはダウンする。それを防ぐために、外部電源側のしゃ断器は所内側しゃ断器が落ちるまでスイッチが入らない仕組みになっているのである。

フクイチ2号機の外部電源喪失事故は『外部電源側しゃ断器が内部電源が通電しているという誤信号を受け取りインターロックで作動しなかった』ことである。作業員の人為ミスで終わる話ではない。そして、このインターロックという致命的な欠陥は世界中の全原子力プラントにも内包されることである。ここに目を向けなければ、外部電源喪失事故は避けて通れないのであり、運転営業することが原子炉圧力容器の安定化させるという、玄海原発1号機の現状が致命的な原子力事故を想定させるのである。

スウェーデンのフォッシュマルク原発で2006年7月に発生した事故はINESレベル2に分類された。他方、フクイチ2号機事故ではひと月後に再稼働している。両国の対応に雲泥の差がある事実は何を示しているのか。

次の記事こそ、フクイチ2号機外部電源喪失事故の際、徹底した事故原因の解明と対策がなされていれば、福島第一原発事故も防げたのではないか?と思わずにいられない。


http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20110524/2010_gaibudengen.html

外部電源喪失 揺れで設備故障
(5月24日 20:10更新)


東京電力福島第一原子力発電所の事故で、原子炉を冷却するための外部電源が失われたのは、送電線の設備が地震の揺れによって壊れたり、ショートが起きたりしたことが主な原因であることが東京電力が国に提出した報告書で明らかになりました。

東京電力福島第一原子力発電所では、3月11日の地震発生直後に外部電源が失われ、復旧には10日以上かかるなど原子炉の冷却が滞りました。

東京電力は、外部電源が失われた原因についての報告書を経済産業省の原子力安全・保安院に提出し24日に公表しました。

それによりますと、福島第一原発に非常用の電気を送る6系統の送電線のうち、4系統では揺れのため電線が鉄塔に触れてショートが起き、残りの2系統ではスイッチなどの設備が壊れたということです。

この影響で送電線の安全装置が働き、送電できなくなったということです。

このうち、5号機と6号機に電気を送る敷地内の送電線の鉄塔の一つは倒壊していたことも分かり、東京電力は大規模に崩落した近くの盛り土がなだれ込んだのが原因だとしています。

さらに非常用の電源を供給する新福島変電所では、ケーブルが切れたり変圧器にひびが入ったりする、さまざまな被害が出て復旧に時間がかりました。

東京電力は、これらの設備は地震の揺れに対して余裕をもった設計をしていたと説明していますが、なぜ壊れたのか揺れのデータを基に調べることにしており、電力各社も同じような非常用の設備の耐震性を検証し直すことが求められています。

--転載ここまで--


なぜ、福島第一原発事故は起こったのか。その九ヶ月前にさかのぼり、フクイチ2号機で発生した外部電源喪失事故を再検証し、事実経過を明確にし、徹底した対策を講じるべきである。でなければ、玄海原発1号機のECCSが作動するのは時間の問題である。中性子被曝によりガラス化した鋼鉄製の圧力容器に常温水が流入すればどうなるか。70気圧という超高圧下の密閉容器にヒビが入った瞬間にボカンといく。九州電力は玄海原発1号機を即刻停止し、燃料棒を抜き取り、廃炉を宣言するべきである。もはや玄海1号機が営業運転している事自体、日本の安全を脅かす脅威であることに、はやく気付くべきである。

最後にひとつだけ言わせてもらう。日本政府はTPP不参加を打ち出す前に、玄海原発1号機のみならず、日本全国の原子炉プラントから燃料棒を抜き取り、大地震などの不測の事態に備えるべきである。


2011/10/23加筆修正。
2011/10/27加筆修正。
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Tag:福島第一原発事故 

Category:福島第一原発事故の真相に迫る!

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2011/10/23(Sun)01:12

個人的には地震陰謀論に軍配。

ネットによると、原発安全管理は日本の会社では無く、
イスラエルの会社が請け負っているとか、
福島原発はGE製であるとか、
昨年から原発保険を更新していなかったりとか…。
9.11と3.11を足すと、マヤ歴の終わりを示す、
12.12.22になるとか…。

http://search.yahoo.co.jp/search?&p=%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%80%80%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%80%80%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%80%80%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%AE%A1%E7%90%86&fr=snmsie7&ei=utf-8
http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%80%80%E5%8E%9F%E7%99%BA+GE+%E9%80%83&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=snmsie7&x=wrt
http://search.yahoo.co.jp/search?&p=%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%80%80%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%80%80%E4%BF%9D%E9%99%BA&fr=snmsie7&ei=utf-8

個人的には23日が気になってます。
ただ、もっと気になるのが今年の11月1日。

01.09.11.と11.03.11.を足すと12.12.22.
12.12.22.と11.11.01.を足すと23.23.23.

11月1日に起きた
過去の歴史を見ると、
気になるニュースも…。

1755年 -
ポルトガルでリスボン大地震が発生。
津波と火災による死者10万人。

1922年 - トルコ革命:
トルコで大国民議会がスルタン制の廃止を宣言。
オスマン帝国が滅亡。

1952年 - アイビー作戦:
アメリカ合衆国がマーシャル諸島
エニウェトク環礁で人類初の水爆実験。

1973年 - 第一次オイルショック:
トイレットペーパー騒動が発生。

1995年 - 食糧管理法廃止。
米の生産・流通・販売が自由化。

2009年 - 世界金融危機:
アメリカのCITグループが
連邦破産法第11条の適用を申請して
事実上破綻。

http://ja.wikipedia.org/wiki/11%E6%9C%881%E6%97%A5

本当に陰謀なら、知的権力者は、
何らかの形で自己誇示したがるはず。

日付と過去の歴史が、
ヒントをくれるかもしれません…。

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