Home  > スポンサー広告 > 福島第一原発事故の真相に迫る! 2 〈フクイチ2号機事故の推定経過と撤去された系統安定化装置〉 > 福島第一原発事故の真相に迫る! > 福島第一原発事故の真相に迫る! 2 〈フクイチ2号機事故の推定経過と撤去された系統安定化装置〉

スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Category:スポンサー広告

comment×  trackback×

福島第一原発事故の真相に迫る! 2 〈フクイチ2号機事故の推定経過と撤去された系統安定化装置〉

2011/09/06(Tue) 12:42

福島第一原発事故の真相に迫る! 1 〈2010年6月17日フクイチ2号機事故とベント隠し〉
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-312.html

2011/09/16 加筆修正
2010年6月17日、福島第一原子力発電所2号機で外部電源喪失が起こった。このとき、事故を深刻に受け止め、慎重に事故の原因究明に努めていれば、もしかしたら福島原発事故は防げたのではないか。シビアアクシデントを考慮した対策を講じていれば、最悪の事態は免れたのではないか。今年5月1日の国会質疑でこのフクイチ2号機の事故を取り上げた森ゆうこ議員とて忸怩たる重いだろう。



5月1日の国会質疑で参考人招致された東電清水社長は「原子炉水位が2メートルくらい低下した状態が約30分続いた」と驚くべき証言をした。同じく参考人招致された原子力保安院寺坂保安院長が『安全弁を開いて(恐らくドライベント。ウェットベントなら蒸気逃し弁とか蒸気逃し安全弁と言うはず)原子炉圧力を逃し、ECCSが自動起動する前に隔離型冷却装置を手動で作動させた』とこれもまたさらに驚く説明をした。

つまり、ベントするまで注水できなかったのではなかったかベントの判断に躊躇して、もたもたしている間に原子炉水位が2メートル低下したのではなかったか。原子炉圧力が高くなると炉内に注水できないのは311を経験して知ったところである。

当日の東電プレスリリースでは白々しくモニタリングポストに異常な数値が見られない等々書いていたが、ベントしたことを保安院長が国会で答弁している事実をもって改ざんを疑うべきである。東電の示す数値はデタラメであることは、これも311を経験して知ったところである。察するに、原子力安全・保安院もグルだったということである。

本当に知りたいのは、なぜ、原子炉水位が2メートルも低下したのか?である。これについて東電は一つも明確な事実を示していない。さらに言えば、原子炉の冷却機能が何分間失われていたのか、どの時点で(はじめの方?終わりの方?)喪失されたのか計器類のデータも示されていない。佐藤かずよし議員もブログで東電の隠蔽体質を非難しているが、現役市議にすらデータを明かしていないのである。

外部電源が三十分失われ、原子炉水位が著しく低下したのにも関わらず、全く事故原因が解明されず、計器類の数値すらでてこなければ、真実は隠されたままである。

2メーターくらい低下した状態が約30分でございます

言い換えれば、外部電源は30分後に復帰したが、原子炉の主たる冷却装置である給水ポンプと復水ポンプを稼動したとき、原子炉水位は2メートル低下していたのである。




今回のブログエントリでは、外部電源を30分喪失させ原子炉水位を2メートル低下させたフクイチ2号機事故の原因について掘り下げていきたい。なぜ外部電源が30分もの間失われたのか。結果として、なぜ原子炉水位を著しく低下させたのか。非常用ディーゼル発電機は正常に起動したのではなかったか。佐藤かずよし議員のブログにある『原子炉外部電源全喪失事故レポート 』と東電のプレスリリース、今年5月1日の国会質疑を参照に、まずは事実経過を時系列に並べてみたい。


2号機事故
この図では非常用ディーゼル発電機(D/G)は2つしか描かれていないが本当は3つのではないかと疑っている。


14時52分
何らかの原因で系統安定化装置、及び電子回路を含めた補助リレーが誤作動(5~7ミリ秒の瞬間的な誤信号が原因?)を起こし、原子力プラントの常用系電源の所内側遮断機が落ちる(「入」→「切」状態)。

補足 5~7ミリ秒×3回の瞬間的な誤作動はこの時はまだ発電器の界磁遮断機が起動していたので、高圧電流を交流させてシステムダウンすることを回避するために、外部電源側遮断機がインターロックされ作動しなかったと思われる。この原因については人為的である可能性はもちろん否定できない。

プラント内常用電源が遮断されたことで励磁制御装置の冷却ファンが停止。異常信号を受け取った発電器側の界磁遮断機が作動(「入」→「切」)。発電機が自動停止した。

続けて、タービン、原子炉の順に自動停止した。

[内部電源喪失により原子炉プラントの復水ポンプ、給水ポンプの停止]

外部電源側遮断機が『入』に入らず。(5~7ミリ秒の瞬間的な誤信号が原因?)、原子炉プラントの主だった冷却装置(給水ポンプ・復水ポンプ)は停止した状態。

補足 外部電源側遮断機のインターロックが原因だとも考えられるが、非常用ディーゼル発電機が常用系電源に交流しなかったことをみると、所内側遮断機のトラブルだと思われる。(プレスリリースの図を参照)

15時52分~
停電状態(給水ポンプ停止。冷却機能喪失)の中、原子炉圧力が上昇し、原子炉水位の低下を確認する。(もうすでに2メーターは下がっていた??)

原子炉プラントの安全弁が開き(ベント)、原子炉圧力を逃がす。

14時58分(レポート)
隔離系冷却装置を手動で起動し、水位が回復(現状維持?)した。

15時25分
A系統の外部電源が復帰し(B系統は15時55分)給水ポンプ、復水ポンプが起動。

外部電源が喪失した30分の間に失われた原子炉水位は2メートルであった。非常用ディーゼル発電機は正常に起動したのに、なぜ、こんな事態が起きたのだろうか。そこにまず目を向けなければならない。

15時40分
「原子炉隔離時冷却系」の自動停止レベル(水位「高」=L8)に達したため注水はストップされた。

 原子炉隔離系冷却装置の流量は95~100㎥毎時。一般家庭の水道の十倍ぐらいか。


補足・原子力発電は原子炉プラントが自動停止(内部電源遮断)後、原子炉を冷却するために外部から電源を受電するのだが、所内側遮断機が「切」状態でないと外部電源側遮断機は作動できない。接電を回避するためだ(インターロック)。さらに、フクイチ2号機の常用系電源はA系統、B系統あり、スクラム時の受電はA系統がフクイチ一号機から、B系統が新福島変電所から送電される。事故当日、フクイチ一号機は定期点検中で発電していなかった。よって、フクイチ2号機がスクラムした際、A系統はフクイチ一号機の送電線を介してB系統と同じく受電元は新福島変電所からの送電であった。(バイパスの無効化)


参照
風のたよりーいわき市議会議員 佐藤かずよし : 原子炉外部電源全喪失事故レポート

プレスリリース 2010年|TEPCOニュース|東京電力

森ゆうこ議員 参議院予算委員会質問2011年5月1日 - YouTube


系統安定化装置の補助リレーが発した信号(誤作動の異常信号)を受けて発電が止まり、外部から受電する準備を整えたのにも関わらず、外部電源側遮断機にインターロックがかかり、正常に作動しなかった。これらは概ね自動制御される部分であり、いわばシステム制御のトラブルなのである。

protect_01_img_01.jpg
イメージ(東芝システムテクノロジー)

原子炉の大型冷却装置は6.9kvの高圧線で電源が供給される。コントロールルーム他、所内主たる制御系設備は400vの低圧電源で供給される。原子力発電プラントで想定外の停電に見舞われた際、UPS(無停電蓄電装置)で電源は供給される。ただし低圧電源だ。ゆえにUPSでは高圧電源で供給される給水ポンプや復水ポンプなどの原子炉冷却装置の電源にはならない。ちなみにUPSは四時間程度持つようである。(ディーゼル発電機は2日~4日らしい)

二系統ある電源が同時にシャットダウンしたことも問題だ。二系統が同時に落ちてしまえばバイパスの意味がないではないか。原因がなんにせよ、電源システムそのものを見直す必要がある。例えば、常用系電源、あるいは非常用電源を一つ増やすとか、原子炉プラントがスクラムした時の生命線である冷却装置(給水ポンプ、復水ポンプ)に直接つながる外部電源を確立させるとか、交流しない単独電源を冷却装置に新たに引くとかなどである。

東電は2010年6月のフクイチ2号機事故の重大性を隠蔽し、極めて矮小化した。人為ミスだと判断したのである。7月6日の東電プレスリリースから”推定原因”を示した部分を抜粋する。(あくまで推定である)


プレスリリース 2010年|TEPCOニュース|東京電力

3.推定原因

 中央制御室において協力企業作業員が記録計の交換作業を行っていたところ、作業場所が狭隘であったため、記録計近傍にある送電線の系統安定化装置の所内電源切替え用補助リレーに接触した等、何らかの衝撃が補助リレーに加わり、誤動作した可能性が考えられました。

 このため、発電機から受電するプラントの常用系電源の所内側しゃ断器A、B系が同時に動作し「切」状態になりました。

 しかしながら、誤動作した補助リレーの動作時間が極めて瞬間的であったため、常用系電源の所内側しゃ断器のみが「切」状態になり、外部電源側のしゃ断器は「入」状態にならず、発電機からの受電が外部電源からの受電に切り替わらなかった可能性がありました。

 これらのことから、プラントの常用系電源が停止し、発電機界磁しゃ断器が動作して「切」状態になったために、発電機が自動停止するとともにタービンおよび原子炉も自動停止したものと推定しました。


分かりづらい文章だが、ようは人為ミスでショート、原子炉がスクラムしたことを言いたいようである。『どうして、30分もの間外部電源が失われ、原子炉水位が2メートル低下したか』、その原因には全くこれっぽっちも触れていない。本当にアホらしい。原因も推定とは何たるテイタラク。恥を知れ。とにかく、この事故を受けて東電(と原子力安全・保安院)が講じた対策が以下である。


対策

 2号機の送電線の系統安定化装置については、同装置の設置以降、系統設備の 増強により、系統の安定性が向上したこと等の理由により現在使用していないこ とから、誤って接触しても信号が発信しないように、所内電源切替え用補助リレーを含む電気回路は今回の停止期間中に撤去することといたします。 

 また、2号機の再起動までに、今回の補助リレーのようにケースに収納されて おらず、リレー単体で制御盤内に設置されているものを調査・抽出し、制御盤内 での作業時に接触または衝撃を与える可能性があるものに対して、注意喚起の表 示を実施いたします。また、リレー近傍での作業時は、接触防止措置を施すか、 安全処置を行うかを関係者間で協議することといたします。 

 なお、制御盤内作業、操作を行うときはリレーに接触または衝撃を与えないよ うに十分に注意することを運転員および作業員へ周知することといたします。 

 また、2号機以外のプラントについても、系統安定化装置の所内電源切替え用 補助リレーを含む電気回路を至近のプラント停止時(現在停止中のプラントにつ いては起動まで)に撤去することとし、撤去するまでの間は、原則として補助リ レーに接触する可能性のある作業を行わないことといたします。 

 さらに、制御盤内での作業時に接触または衝撃を与える可能性があるものに対 する注意喚起の表示等についても、至近のプラント停止時(現在停止中のプラン トについては起動まで)に2号機と同様に実施してまいります。

--抜粋ここまで--


これもまた分かりづらいが、フクイチ2号機事故を受けて東電がプレスリリースで示した『推定原因と対策』については『原子炉外部電源全喪失事故レポート』で的確な反論をしている。


a.「作業員による接触」を原因と「推定」しているが、消去法によるもので、原因は未解明。
B系「補助リレー」の誤動作という証拠、記録などは示されていない。
「作業員接触」を原因とするならば、非常にお粗末な装置ということになる。東電発表の「4.対策」によれば、「ケースに収納されておらず」と剥き出し状態を窺わせる。東電の示した写真によれば「補助リレー」の回路は箱に覆われており、回路は透明カバーがあると説明した
・カバーがなければ問題、あっても作業員の接触程度で「原子炉停止」してしまう装置を放置していたことになる。原子炉停止は数億円の損失となる。「原子炉停止」を何だと思っているのか(燃料漏洩では停止させず運転継続している)。
・作業員の接触程度で「誤動作」するデリケートな装置が、84年に設置して以来、今日まで同様の「誤動作」をしなかったとは信じられないこの「誤動作」は電源ON,OFFは関係ない)。何故、今まで「誤動作」(地震、定期検診・点検等)が起きなかったのか? 
前例がないことの方が不思議だといえる。と考えると今回の原因は、「補助リレー」の「誤動作」との調査結果には懐疑的になる。他の可能性についての検討過程と結果を公表するべき

--抜粋ここまで--


極めて論理的な反論である。ヒューマンエラーで片付けられる問題ではない。東電の推定原因はすでに論理破綻しているといっても過言ではない。さらに言えば、推定原因の対策として東電が講じたのは、『張り紙をして注意勧告することと、計器類に触れないよう作業員に注意を呼びかけた』ことだ。馬鹿にしているにもほどがある。アホだ。

原子力発電所を運営する東京電力の対応は全くシビアアクシデントを考慮していない、全く不可解なものである。少しでも原発の危険性を認識していれば、事故からひと月後に運転再開なんて、気違い沙汰である。しかも、あわやメルトダウンという極めて重大な事故なのに、トラブル扱いで再稼働を承認するのは気違い沙汰だ。原子力安全・保安院である。2011年5月1日の国会答弁で森ゆうこ議員が問いただしているように、東電も原子力安全・保安院も311の九ヶ月前に起こった重大事故を重大事故として認識せず、ヒューマンエラーに責任転嫁して真っ当な対策を講じてこなかったことの責任は果てしなく重い。

さらに東電は『推定原因』の対策として、誤作動で警報トリップさせる要因なった系統安定化装置、電子回路を含めた補助リレーを原子炉設備から撤去することを講じた。2号機のみならず、福島第一原子力発電所の6基全ての系統安定化装置と所内電源切り替え用補助リレーを含む電気回路が撤去されることになった。ここに、フクイチ2号機事故の本質があるように思えてならない。


※系統安定化装置

送電系統に事故(周波数変動、系統電圧変動を含めた系統動揺)が発生すると、発電側と負荷側に差が生じることから、発電機を含めて系統が不安定となるため、発電機を送電系統から切り離す(発電機をトリップさせる)ことにより余剰発電量をカットし、系統を安定させるための装置。なお、系統安定化装置の設置以降、系統設備の増強により系統の安定性が向上したこと等の理由により、現在は使用していない。(東電プレスリリース)


系統安定化装置はざっくりいえば漏電遮断器のようなものである。東電は『系統安定化装置は無用の長物だった』と説明するが、これは、本当に撤去しても良いのだろうか。いくら増強したとはいえ、無駄な設備など無いはずだ。簡単に撤去を決めていいのだろうか。そもそも補助リレーの誤作動だという明確な論拠は示されていないし、作業員が接触、衝突したことが事故原因だというのも疑わしいことは先に示したとおりである。

系統安定化装置は原子炉プラントの各装置に不安定な周波数変動による影響を受けさせないために設けられた遮断器ではなかったか。当方はフクイチ2号機の事故が福島第一原発事故のリハーサルだと見ている。もっといえば、系統安定化装置の撤去が311福島原発事故を間接的に引き起こしたのではないかと疑っている。スタクスネットについてはいずれまとめてみたい。

2011/09/16 加筆修正。
関連記事
スポンサーサイト

Tag:福島第一原発事故 

Category:福島第一原発事故の真相に迫る!

comment(0trackback(0

コメントの投稿

コメントの投稿
Decoration
非公開コメント


トラックバック

トラックバックURL


▲このページのトップへ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。