市橋達也の冤罪検証・印税収入を拒否する怪
2011/02/08(Tue) 19:02
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――― 手記本出版に際し、感じた疑問点その2―――
■ 被害者遺族への弁償だとしてもタイミングが全くおかしい。
市橋達也が手記本を出版しようとした動機は、『元々は、市橋君が民事裁判で被害者遺族から損害賠償を請求された時にご両親(市橋君の)には絶対に迷惑はかけたくないということから、刑務所の中にいて収入を得る方法として本の出版を考えたようです。』と教授は説明している。弁護団も出版に際しメディアに配ったコメントで、『市橋被告人が、今回、手記を出版しようとした動機は、この手記の出版により印税収入を得ることが出来た場合、その全てを、被害者のご遺族に対する被害弁償に充てたいというものでした。』と出版動機に触れている。つまり、被害者遺族による民事訴訟を見据えた出版であったようだ。
ならば、なおさら手記本出版のタイミングが不可解だ。被害者の賠償を考えたとしても仮に民事裁判を被害者遺族に起こされるとするならば刑事裁判で有罪判決が下された後の話になる。市橋は今は推定無罪の立場にある。無罪であるならば訴訟を起こすことは当然できない。だから初公判さえ開かれていないこの時期に市橋は、手記本出版を急ぐほど賠償金の工面に迫られていないのである。ここは重要なので押さえておきたい。
■ 被害者遺族への弁償の前にまず、自分の弁護団の弁護費用を考える方が先ではないか?
『逮捕されるまで』はアマゾンランキング一位になったというし、教授は10万部で1040万円と試算していたが、10万部はクリアできる勢いだ。印税収入は1000万円に届くだろう。このタイミングで手記本出版したのも、手記本出版の印税を弁護団の活動費用に充てるというなら話は分かる。弁護団にとっては、否認裁判で最高裁を見据えた弁護費用が確保できるわけだ。家族に迷惑をかけたくないという手記本を出版した動機も整合性がとれている。だが、現実には、『市橋被告人は、手記出版による収益を、一円たりとも自身のものとするつもりはありません。』と印税収入を放棄している。
■ 弁護活動費用等に充てる意図は一切無く??
さらに不可解なことに、弁護団は、「この本の収益を、弁護活動費用等に充てる意図は一切無く、市橋被告人の意思どおり、その金額を被告弁償に充てたいと考えております。」と印税収入を弁護費用には充てないと明言しているのである。これは、はっきりいって意味がわからない。私選弁護団6人と一蓮托生だと市橋達也が本当に思っているのならば、手記本の印税収入を放棄することよりも、被害者遺族への弁償よりも、まず、弁護団の裁判費用に充てるべきではないか。弁護団は先々の財源確保をなぜ簡単に放棄するのか。市橋達也が印税収入を放棄するのも不可解だが、弁護団は全く現実を見ていないのである。
■ 費用がかからない弁護を続ける私選弁護団
市橋達也が印税収入を放棄しているということは、費用がかからないと弁護団が言った言葉を信用しているからではないか。裁判費用(再鑑定、コピー代、証人収集)は別途かかることを市橋に伝えていないのではないだろうか。親に迷惑を掛けたくないのであれば、目下の弁護団の弁護費用に印税収入をあてがうべきである。この弁護団は市橋が罪状認否で全面否認することや、最高裁まで争うことを視野にいれていないのではないか。
①新たに判明した事実(リンゼイさんの死亡推定時刻)が、弁護団の主張を否定したこと。②検察が裁判所に供述調書を証拠提出していなかった事実。③市橋は当初取調べに黙秘を徹していたこと。④自供が得られなければ真相把握が難しい事件であったこと。これらを考えても、市橋達也の供述に信用性がないのは明らかだし、否認裁判になる可能性を十分に孕んでいる。
手記本出版のタイミングといい、印税収入を放棄することといい、今回の手記本騒動には、市橋達也の意思が見えてこない。もはや意思疎通が困難な状況にあるのではないか。
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