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市橋達也の冤罪検証・事実調べを争点にしなければ足利事件の前轍を踏むだけだ。

2010/10/05(Tue) 10:42

市橋達也の弁護団は足利事件で何を学んだのであろうか。




市橋達也が大阪・南港フェリーターミナルで身柄を確保されてから、来月で一年が経とうとしているが、初公判は大分ずれこんでいる。先月末、市橋達也に対する公判前整理手続の第五回が開かれた。公判前整理手続は次回以降は予定が組まれていて、初公判は来年3月に予定されているというが、まだまだ先送りになりそうな様相だ。

市橋達也は拘留期限の前日に全面自供したと報じられているが、もし、報道されている通り、リンゼイさん殺害への関与を認め、自供調書と検面調書に自分から押印したのであるならば、ここまで裁判がずれこむことはない。このずれ込みは、市橋達也が罪状認否で全面否認することを暗に示している。


殺意など争点ほぼ固まる 市橋被告、公判前手続き|ちばとぴ ちばの耳より情報満載 千葉日報ウェブ
http://www.chibanippo.co.jp/news/chiba/society_kiji.php?i=nesp1285394611
 市川市のマンションで2007年3月、ベランダの浴槽から英国人の語学学校講師、リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=の遺体が見つかった事件で、殺人と強姦(ごうかん)致死などの罪で起訴された市橋達也被告(31)の第5回公判前整理手続きが24日、千葉地裁(堀田真哉裁判長)で開かれた。市橋被告の弁護人によると、公判の争点は殺意の有無、首をどのように絞めたか、強姦と死亡時間が近接していて強姦致死罪が成立するか、の3点でほぼ固まる見通しとなった。市橋被告は今回も手続きに出席した。 (転載ここまで)


市橋達也君の適正な裁判を支援する会
http://naokimotoyama.blogspot.com/search?updated-max=2010-09-28T01%3A42%3A00%2B09%3A00&max-results=3
市川市で07年、英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の遺体が見つかった事件で、殺人や強姦(ごうかん)致死罪などで起訴された住所不定、無職、市橋達也被告(31)の5回目の公判前整理手続きが24日、千葉地裁(堀田真哉裁判長)であった。市橋被告の弁護団は、▽殺意の有無▽リンゼイさんが死亡に至る経緯▽強姦致死の成立ーーの3点が大きな争点になる見通しだと明らかにした。
これまでの手続きでは、検察側が性的暴行の直後に正面から、手で首を絞めたと主張する一方、弁護側は後ろから腕で首を絞めたと主張している。
菅野泰弁護士は「司法解剖の鑑定書によると手で絞めたような跡はなく、検察側の主張は不自然だ。市橋被告は『後ろから腕で絞めた』と主張し、その場合には暴行後に体勢を変える必要がある」と説明。強姦致死罪成立に必要な暴行と死亡の時間の近接度を争う見通しという。次回期日は10月18日。(転載ここまで)


先月24日に開かれた市橋達也の第五回公判前整理手続で、公判の争点が、①殺意の有無。②死亡に至った経緯。③強姦致死が成立するか。この三点でほぼ固まる見通しだとされているが、全くピントがずれていて、指摘するのも馬鹿らしくなる。

公判前整理手続は司直の談合であることは良く分かった。市橋達也の弁護団は、やはり、敵方から放たれた協力者であると確信した。検察に都合が悪い証拠には全くスポットが当てられていない。




***


ちょっと市橋達也が再逮捕された時のことに触れてみたい。

逮捕状は裁判所が審議して発付するのだが、市橋の死体遺棄容疑は①市橋達也が居住する部屋のベランダから遺体が見つかった。②事件当時行方不明だった。これらの状況証拠を審議し、裁判所が容疑は相応であると判断したから逮捕状が発布された。これを踏まえて、何故、捜査当局が殺人と強姦の嫌疑をかけながら逮捕状が取られなかったのかを考える必要がある。

死体遺棄容疑で逮捕状がとられた場合、殺人も視野にいれて捜査が行われる。殺人の嫌疑がかけられながら、死体遺棄容疑のまま逮捕された場合、被疑者が殺害を自供しなければ殺人罪には問われない。殺人容疑で逮捕状を請求し、証拠を提出しても、それらを裁判所が審議して、殺人容疑は相応ではないと判断されたから発付されなかったのである。この事件では、二年七ヶ月、裁判所が認める殺人と強姦致死の証拠を捜査当局は見つけることができなかったことを指摘しておきたい。


捜査当局が市橋達也を死体遺棄容疑で起訴した後、殺人と強姦致死で再逮捕したときの理由は以下の通りである。

1)市橋容疑者とリンゼイさんは2007年3月25日午前10時頃、マンションのエレベーターに一緒に乗っているところが防犯カメラに映っていた

2)3月26日午後10時頃、英会話学校からの捜索願を受けた船橋署員が、市橋容疑者の部屋のベランダに置かれた浴槽からリンゼイさんの遺体を見つけた

3)船橋署員が市橋容疑者のマンションを訪れた時、市橋容疑者は署員の制止を振り切って逃走し、指名手配された。

4)防犯カメラの画像の分析や住民らへの聞き込みなどから、2人の他に市橋容疑者の部屋を訪れた人がいないと断定した

5)行徳署捜査本部の幹部は再逮捕の方針について「(状況から)総合的に判断した」と発言した



まずはこれらの事実調べが先である。検察が示した理由が殺人、強姦致死容疑に相当するかどうかをちゃんと見極める必要がある。当方なりに容疑が妥当かどうかの見解をしめしておく。


1)二人でエレベーター乗る防犯カメラの記録が殺人と強姦致死を立証する証拠になるのなら、ぜひ弁護団は証拠開示請求してもらいたい。二人がキスをする光景が記録されているというが、二人が親密な関係にあったことを証明できる。

2)これはあくまで死体遺棄容疑の状況証拠で、殺人容疑を示す証拠にならない。それよりも、当日午後三時に家出人捜索願が届出され、当日の夜8時半に捜査員が現場を訪問した理由を示すべきである。捜索願を受理されて逮捕状が取られたとしても、発付するのは裁判所であり、容疑が相応であるか否か審議され認められなければ発付されない。審議する時間を考えると、現場に派遣された捜査員は20時半に現場にたどり着いていたというが、その時点で家宅捜索令状を持っていたのかどうかは疑問である。当方は無かったとみている。そもそも日没後に捜索することをは刑訴法で禁止されているのだから、事件が発覚した時間からしてありえない。

3)捜査員の制止を振り切り逃げだしたことが、なぜ、殺人と強姦致死を証明できるのだろうか。この事件は、発覚する過程で捜査員の不正が行われた可能性がある。それを巧妙に隠しているのが市橋達也の逃亡劇である。事実調べをちゃんとしておく必要がある。

4)防犯カメラの画像の分析や住民らへの聞き込みで、24時間、第三者の出入が無かったことを証明できるのだろうか。事実調べでちゃんと検証する必要があるし、深夜、明け方の第三者の出入まで把握できるとは思えない。

5)総合的に判断したところで、市橋達也の殺人容疑を立証するものなど一つもない。


下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるとよく言うが、一つも的をとらえていないのもお笑い種である。ところで遺体から採取された体液が市橋達也のDNA型と一致したと報じられているが、再逮捕するときには理由に挙げられなかったようだ。それもそのはず、DNA鑑定の結果では殺人容疑は立証できない。それは二年七ヶ月逮捕状が取られていないことからも明らかである。そもそも強姦は親告罪で被害者が訴えなければ事件にならないし、被害者死亡の事案では強姦容疑は立証できない。だからこそ、捜査当局は強姦致死罪に固執するのである。DNA鑑定の結果を有効に利用するためだと考えているが、殺人を示す証拠がない時点で筋書きは破綻している。カップルであるならば普通にセックスはする。国籍が違っても、それが普通ではないか。


市橋達也の自供を引き出せなければ。彼の犯行だと立証する証拠はもはや「二年七ヶ月逃亡を続けたこと」しかなく、罪から逃れるために長期間逃亡を続けたに違いないというもので、ただの感情論である。

捜査当局が追起訴するには市橋の自供が必要だった。弁護団は追起訴する材料を捜査当局に提供したのである。これは市橋達也が意図することではなかったはずだ。検察側の筋道通りに公判を進行させるための共謀者であり、敵方から放たれた刺客であったことは、これではっきりした。弁護団は監禁致死と強姦を主張しているが、親告罪である強姦を主張するのは論外である。



市橋達也が犯人であることを微塵も疑わず、事実調べ全く行わないのであれば、まさしく足利事件の菅家さんと同じ構図ではないか!!市橋の弁護団には足利事件の問題点をケーススタディし、まずは「市橋達也が被害者を殺害したとする証拠物の事実調べ」や「市橋達也の単独犯行だと判断した証拠の事実調べ」、さらに「整形を繰り返し逃亡したことを裏付ける証拠の事実調べ」や「二年七ヶ月、どこで何をしていたのかを示す証拠の事実調べ」にスポットを当て、争点にもって行く必要がある。当方の分析通り、事件の実行グループが別にいて市橋は事件に巻き込まれた被害者だとするならば、この事件は足利事件の前轍を踏んでしまうことになる。

そもそも弁護団発表の供述では肝心な部分には触れられていない。秘密の暴露もなければ、市橋の殺人を立証する証拠もない。市橋の弁護団が、自供以外で、何を持って市橋達也の犯行だとするのか理解できないし、検察側の主張に合わせず、まずは本当に市橋達也の犯行かどうかの事実調べがなされるべきではないか。そして有罪ありきで裁判を進行するのではなく、まずは「有罪・無罪」を慎重に審議するべきではないのだろうか。




この事件の正しい争点

死体検案書の再検証と被害者の状況、なぜ市橋が関わったのかを示す証拠の開示。生前受けた拷問のような暴力に市橋が関与したことを裏付ける物的証拠の検証。死体検案書は死因よりも生前リンチされていたことに注目し、凶器の特定。時間の特定と殴打の回数の検証。拷問した動機の解明。

■NOVA関係者により船橋書に届出された捜索願と捜索願受理票の開示請求。事件当日の午後に捜索願が出されたというが、家宅捜索令状も逮捕状もなく、捜査員を九人マンションに向かわせた理由を開示させる。

本人の立会もなく、一番奥まった場所にあるベランダから遺体を発見するに至った経緯に職権濫用や不法侵入に価する犯罪行為や不正はなかったか調査する。

すでに公開されていたリュックや靴下、靴が市橋の持ち物であるかどうかを確認。リュックの中にジャージや下着が入っていたと報じられているが、本人に着させて着衣可能か確認する。DNA鑑定に使える試料が見つかれば、本人照合する。

二人以外の出入がなかったと証明できる証拠の開示を請求する。これは再逮捕理由の一つでもあり、住民の証言や監視カメラの映像から第三者の出入が否定されているが、単純に考えて深夜、明け方まで第三者の出入を把握できたかどうかという疑問がある。実際に二四時間人の出入りを把握することが可能かどうかを検証し、実行犯が複数いたことを推定し、第三者の出入がなかったことを証明させる。

浴室からバスタブを取り外し、ベランダに運び込んだ経緯と動機の解明。遺体を園芸用砂で埋めた経緯と動機の解明。実際に土中分解で遺体を骨にした場合、何年かかるかを検証し、市橋達也が考え実行したのかを検証する。さらに、市橋がホームセンターで園芸用砂や発酵促進剤、ビニール紐を購入した証拠の開示を請求する。店内カメラの記録、目撃証言の有無、購入品目が記されたレシートなど。遺棄材料を購入した時間をあやふやにせず特定させ、市橋本人が購入したかどうか当日の天気や目撃情報から検証する。駐輪場に放置されていたとされるホームセンターの店舗用カートを、市橋が運び込んだと判断した理由と証拠の開示を請求する。カートから採取されているはずの指紋と本人照合の結果を開示請求。

修正する前の『ホクロの無い顔写真』を開示させる。無修正の状態を専門家に鑑定させてみる。名古屋の整形医が通報した経緯を再調査。

市橋達也が潜伏した先での目撃者や情報提供者に法廷で証言してもらう。逮捕五日前に公開された『ホクロのない顔写真』は捏造であるがゆえ、『ホクロのない顔写真』に由来する目撃情報は捏造・でっち上げ。とかく、『ホクロのない顔写真』にマジックで髭を書き込み通報させた大阪での潜伏情報は高い確度で偽情報。

報奨金の支払先と通報内容、分配率を開示させる。そもそも血税が財源なのに非公開なのがおかしい。当局に拒否する理由もない。

殺人と強姦致死で逮捕状が請求されなかった理由を説明させる。裁判所が発付しなかった理由も含めて調査する。

似顔絵のメールアドレスを隠した理由を開示させる。。事件の五日前に知り合ったと断定した理由。弁護団が二人が親しい関係にあった証拠を見つけ出し、公判で示す必要がある。

エレベータの監視カメラの記録を開示させる。二人が親密な関係になかったと断定した根拠の説明。




死体遺棄容疑は殺人の別件逮捕であり、自供のみが殺人容疑の証拠となる原則をマスコミは伝えたことがあったであろうか。市橋はそれを理解していたからこそ、当初から一貫して黙秘していたのである。一貫して供述を拒み続けた中、弁護団は事件への関与を認めたと説明し、捜査当局が起訴する材料を提供した。死体遺棄容疑は殺人の別件逮捕であり、自供のみが殺人容疑の証拠となる原則を、弁護士であるのなら知らないわけがない。完全黙秘を貫徹していた市橋が、拘留期限の前日に自供をしたなどと信じられるわけがない。これは支援者の最大利益を考え弁護する弁護人として最大の裏切り行為である。特に市橋達也の案件は二年七ヶ月、殺人も強姦も立証されなかったのである。


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Tag:英国人女性殺害事件 冤罪 

Category:市橋達也の冤罪検証

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