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NOVA英国人講師殺害事件・雑考

2010/07/15(Thu) 22:39

スティーブン・キング原作の映画『ショーシャンクの空に』にこんなシーンが
ある。

妻とその愛人を殺害した容疑で終身刑二回が言い渡された銀行マン、アンディ・デュフレーンは刑務所仲間から「ゴルファーに強盗に入った男の話」を聞かされる。その強盗は「ゴルファーの家に盗みに入ったら本人がいたから殺して、ついでに愛人も殺した」という話に「俺がおこした事件の容疑者として捕まったのは愛人の夫であるエリート銀行マンだとよ」というオチをつけて吹聴していた。自らの境遇にぴったり合致するその話に、アンディ・デュフレーンは自分の冤罪を晴らす千載一遇のチャンスだと考える。妻と彼氏を殺したのは俺じゃない。犯人は別にいて、そいつは刑務所に入っていた。所長に訴えるも取り付く島もなかった。アンディ・デュフレーンに経理を改ざんする不正に関わらせていたからだ。終身刑二回のアンディ・デュフレーンは一生刑務所から出られないと思っていた所長は彼の生きる希望を潰そうと考えた。アンディ・デュフレーンに関わらせていた不正が世に知られれば大変なことになる。逮捕もありうる。所長は強盗の話を聞かせた仲間を呼び出し、真相を聞き出した。「聖書に手をあてて、そのことを裁判で証言できるか」仲間が頷くと合図を送り、その場で射殺した。所長はアンディ・デュフレーンの冤罪を晴らす機会を駆除していったのであった―。


腐敗した刑務所で光を絶たれたアンディ・デュフレーンの絶望が手に取るようにわかる。アンディはそれでも生きる希望を持ち続け、脱獄を果たす。囚人に不正の片棒を担がせていた所長は拳銃自殺する。プリズンブレイクも刑務所から兄貴を救い出した。冤罪の被告人が獄中から開放される。だから美談になる。


袴田巌さんは四十四年。平沢貞通さんは三十七年。菅家俊和さんは十七年。市橋達也がアンディ・デュフレーンに自らの境遇を重ねたとして、日本においては、キングの冤罪映画のようなハッピーエンドは期待できない。




***


備考2

○ NOVA英国人講師リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件は組織的であれば説明がつくことが多い。単独犯行だと決め付けるから齟齬が生じるのである。実際、二年七ヶ月、捜査陣営は殺人も強姦も立証できなかったのである。

○ 捜査当局は市橋と被害者殺害を結びつける証拠は何一つ発見出来なかった。事実だけいえば死体遺棄容疑で全国指名手配され、死体遺棄容疑で逮捕されている。「遺体に残された体液が市橋のDNA型と一致した」のは強姦の直接証拠ではない。親密な関係にあれば、普通にセックスする。

○ 「英会話おしえて」に象徴される個人的な英会話レッスンは存在しない。カナダに留学経験があり、千葉大園芸学部時代に留学交流サークルのリーダー的存在だった市橋達也に、来日して半年満たない英会話講師から学ぶべきものはない。

○ 市橋達也は編入した千葉大を2005年に卒業している。被害者はイギリスの大学を卒業し2006年10月に来日した。一年違いで大学を卒業。二人は複数年の共有した時期が大学時代にある。日本で働こうと考えていたイギリスの大学生が日本の大学生にアドバイスを求めても不思議ではない。

○ 失踪する前の朝、一時間ほど立ち寄った喫茶店店員(の話を聞いた店長)は「ごく普通のカップルか個人レッスン中に見えた」と証言している。市橋が個人レッスンの必要がなかったとすれば「ごく普通のカップルに見えた」というのが妥当だろう。

○失踪当日、マンションエレベーターの監視カメラが抱擁しキスをする映像を記録している。警察は意図して隠蔽している。

○ 捜査本部は遺留品の似顔絵を事件が発生した一年後に迷宮入りしたあと発表した。意図的にメールアドレスを隠蔽した。PCを二台押収している。メールの交信記録を隠している。

○捜査本部は捜査の早期段階で二人の関係を「二人は親密な関係になかった」「愛人関係になかった」と否定した。事件の五日前に市橋が一方的に声をかけ、事件のきっかけを作ったんだと、元々二人に接点は無かったんだと強調した。

○ 外国人を狙ったストーカーの犯行。そう道筋を立てていた捜査本部は市橋達也とリンゼイ・アン・ホーカーさんが親密な関係であるとして、不都合の極みであった。だから”精神異常者による外国人女性を狙ったストーカー的犯罪”を成立させようと、二人の交際をしめす証拠の隠滅をはかろうとしているようだ。

○『強姦』とするからややこしくなるわけで、『親密な関係にある男女の性行為』だとすればすんなり説明がつく。

○ 《Japanese men "creepy"》(複数の)日本人男性に向けられている。市橋をキモイと言っているのではない。事件の翌月、被害者はイギリスに帰国しようと予定していたことも併せて考えれば「集団ストーカーの被害にあっていたのではないか?」ということになる。

○ 被害者が働いていたNOVAは企業としての信頼が揺らぐスキャンダルが相次いでいた。急拡大路線にかじをとった2004年に685円の最高値をつけた株価は2007年に入ると120円まで落ち込んでいた。解約トラブルが相次ぎ多数の訴訟問題を抱えていた。NOVA講師が七人一斉に検挙。『経済産業省と東京都の立入検査』のスクープ。NOVAはスキャンダルに渦中にあり、最も受講者を獲得できる3月の新規契約数が激減した。業界シェアトップのNOVAは企業的な評価は下がる一方だった。

○ 結果NOVAは破綻し、JALの様に株券は紙くずになった。事件当時すでにNOVA包囲網がしかれていて攻撃は始まっていたのである。

○ ”外国人女性を狙ったストーカー的犯罪”である必要があった。精神異常者による単独犯行である必要があった。そうイギリスに説明してしまったのである。事件が発覚したマンションの居住者が行方不明なことは都合が良かった。

○ 「わずかな面積を残し、彼女は体中アザだらけだった。」「鈍器を使用した」「一日以上、システマチックに暴行が加えられた」検視報告を受けた被害者遺族の証言が被害者が生前に凄まじい暴力を受けていたことを証明している。リンチ、もしくは拷問を受けていた。




***


リンゼイ・アン・ホーカーさんは殺害される前、「わずかな面積を残し、彼女は体中アザだらけ」になるほどのリンチ・拷問を受けていた。殴る蹴るに加え、鈍器も使用し、まるで一日以上だったかのような酷さでリンチは続けられた。

Bill Hawker, who was recently given the autopsy report, told the newspaper.
ビル・ホーカーは最近検死報告を受け取り、新聞に伝えました。
“It was a horrific murder.
「それは、恐ろしい殺され方だった。」
There was literally not a square inch of her body that wasn’t badly bruised.
「わずかな面積を残し、彼女は体中アザだらけだった。」
He tied her up with horticultural tape.
「彼は、彼女を園芸テープで縛った。」
This is dreadful to say, but he punched, kicked or used a blunt instrument throughout her body.
「口にするのもつらいが、彼は彼女の体を殴ったり蹴ったり、または鈍器を使用したのだ。」
This could have gone on a day and a half possibly, before the poor thing eventually died.
「まるで1日以上だったかのような酷さで続いたように思われ、哀れな目に遭いながら結局死んだ。」
There was total bruising of the front of the body, defensive bruises on her arms,
which were dreadfully knocked about, all of her back, the inside of her legs.
「彼女の腕には防御する時に出来たアザと体の正面全てに挫傷がある。背中全体、脚の内側まで酷く打ちつけられていた。」
It was as if he’d systematically injured every part of her body
「あたかも彼がシステマティックに彼女の身体のあらゆる部分を傷つけたようだった。」


日本では報道されている内容を拾ってみても一日以上、リンチ・拷問を受けていたという印象を受けない。犯人は被害者を黙らせるための手段として暴力を加えたのだろうと印象を受ける程度しか触れられていない。長時間リンチ・拷問を受けていたとなれば話は別である。市橋には被害者をリンチ・拷問する動機がない。レイプ後に口封じのために殺害したとして、リンチ・拷問を加える必要性は全くない。追起訴前に弁護団が発表した市橋の供述についても、被害者の身体に残されたアザについては一切触れられていない。レイプと暴行の関わりは否定できないが、長時間リンチ・拷問を加える必要性が全く無い。

死因については頸部圧迫による窒息死と報道されているが、死首の軟骨が砕けるほどの力で絞めあげられている。後ろから手を回し一気に締め上げるのは軍隊で教える敵の仕留め方である。人を殺すのにためらいがない。プロの犯行ではないか。


市橋以外の誰かが被害者に長時間リンチを加えたのではないか―。




***


市橋達也とリンゼイ・アン・ホーカーさんはカップルに見えるほど親密な関係にあった。第一報が「交際している男性」と伝える通り、事件の五日前よりももっと前に接点を持っていた可能性はある。


そのことに何の不都合があろうか?


秋以降の公判にそなえて公判前整理手続の最中であるが、市橋達也弁護団はこのブログで取り上げた疑義を晴らすべく捜査当局に証拠の開示を求めて欲しい。死亡推定時間をあやふやなままというのは可笑しい。公判で死体検案書の開示も求めるべきだ。あわせて拷問についても市橋との関連を立証させるべきだ。二人はカップルに見えるほど親密な関係にあったことを証明するべきだ。

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Tag:英国人女性殺害事件 冤罪 

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