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NOVA英国人講師殺人・死体遺棄事件の整理

2010/06/11(Fri) 11:30

NOVA英国人講師殺人・死体遺棄事件の整理




■ 既成事実化したパーソナリティ。

結局事件現場に市橋が被害者殺害に関与する物的証拠は得られなかった。死体遺棄容疑で逮捕された事実がすべてを物語っている。証拠物の検証結果はすべては闇に葬られ、代わりに市橋達也の猟奇的パーソナリティが長きに渡り積み重ねられていった。本来なされるべき犯罪の検証とは別のところで強姦殺人犯は確立されていたのである。誰もが市橋達也の内面に興味を持っていたのは確かなことである。ただ、過去の冤罪事件は全てこのパターンで生まれていることを忘れてはならない。


■ 質問しない記者クラブ制度。矛盾さえ素通りする。

記者クラブ開放が取り沙汰される昨今、司法記者クラブというものは閉鎖的であるという。彼らは警察の発表を一言一句書きとめ記事に起こす。検証せずに配信するのである。予め用意された問答以外の質問をすれば出入り禁止が言い渡されるという。特オチを恐れているのである。質問をしない記者たちの情報に真実は存在するのであろうか。


■ 捜査本部は不都合な証拠を隠匿し、証拠を捏造しでっち上げる。

このブログで検証した結果は以下の画像が示すとおりである。捜査本部が都合が悪ければ隠し通し、でっち上げることは考察の上で念頭に置かなければいけないことを指摘しておく。




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電話番号とメールアドレスを隠匿したのはメールで交信していたことと、日付の③が筆跡的特徴が一致しないからか。

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整形前と整形後の顔写真。

市橋の顔写真を重ねる
二枚を重ねると、目鼻口の位置がありえないほどズレているのに、不思議と輪郭はぴったり一致する。

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ホクロは除去されていない確固たる証拠。
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縦に並んだ二つのホクロ。
ほくろ接写
他に何に見える?




■ 容疑者が黙秘している以上、新たな証拠はでるわけがない。

市橋達也は殺人と強姦致死で再逮捕・起訴されたわけだが、その理由がしごく疑問であった。捜査の早期段階で判明しているはずの『遺体から採取された体液が容疑者のDNA型と一致』と、『部屋には二人以外が侵入した形跡は見られなかった』と断定すること自体、不満であった。これら二つの証拠が判明した時点で殺人罪で逮捕状が請求できるはずである。


■ 現場で発見された証拠はどうなっているのか。

警察が現場で発見した『死体を遺棄する際、園芸用の砂や紐を購入したと思われるホームセンターのレシート』から指紋は検出されたのか。マンションの駐輪場からそれらを運んだと思われる店舗用カートが見つかっているが、指紋は検出されたのか。ホームセンターでの目撃情報やカートで購入品を持ち帰る市橋達也の目撃情報は寄せられているのか。レシートが発見されているのになぜ購入時間が特定されなかったのか。園芸用砂の空袋から指紋は検出されたのか。ごみ袋やレジ袋からはどうなのか。殺人容疑を立証する物的証拠と本人確認について続報は今のところない。だからこそ市橋達也は死体遺棄罪の容疑者であった。




死体遺棄罪とは?
○死体遺棄(したいいき)とは、遺体を、通常では考えられない状態で放置すること。主に人間の遺体に於けるものでは、葬儀に絡む社会通念や法規に沿わない状態に置く事を指す。
○遺体をバラバラにしたり死体をないがしろにするという観点から死体損壊罪が適応される。最高で懲役三年以下である。
○この他殺人事件等の捜査では、遺体が発見された時点で、この死体遺棄罪で捜査が行われるのが通例である。捜査によって死体遺棄を行った容疑者の身柄を確保した後、調書を取るなどして殺人事件の立件・逮捕が行われるケースが多い。※1
○前出(※1)の死体遺棄事件に於ける捜査では、(殺人容疑を立証する直接証拠が発見出来なかったから)少なくとも犯人の自供までは殺人事件の罪状は問われないものの、殺人事件と同等の捜査体制がしかれる理由である。
死体遺棄 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E4%BD%93%E9%81%BA%E6%A3%84





■ 二年七ヶ月間、市橋達也は『死体遺棄罪』の容疑者であった。

警察が殺人容疑で逮捕状を請求出来なかったのは先の二つに加えて発見された数々の物証があくまで間接証拠であり、容疑を立証する直接証拠ではなかったと解する。少なくとも大阪で身柄を確保された市橋は『死体遺棄容疑で逮捕された』のは確かなことである。手配ポスターにも死体遺棄と明記されている。

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■ 死体遺棄罪は罰金刑である。

死体遺棄罪の延長線上に殺人罪がある。殺人を隠蔽する目的で死体を遺棄すると考えられているため、殺人容疑も視野にいれて捜査が行われることには妥当性があると考える。殺人罪を立証する証拠が見つかれば殺人容疑の嫌疑がかけられる。ただ死体遺棄罪は微罪なのである。死体遺棄罪そのものは罰金を収めれば釈放される。バラバラにしたり遺体に損壊が認められれば最高で懲役三年以下と定められている。その程度の微罪なのであり、死刑の可能性がある殺人罪とは雲泥の差がある。時効も三年だという。あくまで死体遺棄罪と殺人罪は別の犯罪なのである。


■ 罰金刑で全国指名手配され、最高額の懸賞金がかけられた理由とは。

強姦殺人犯の容疑がなぜ罰金刑程度の微罪なのかは後述するとして、市橋達也は全国指名手配され捜査特別報奨金制度の対象となった。微罪で捜査特別報奨金の対象にする理由は一体なんなのか。捜査本部は一切説明していない。メディアが流す偏向的な情報で、誰もが妥当だと思った。だが、微罪と知れば、懸賞金の対象になるわけがない。あくまで死体遺棄罪と殺人罪は別なのである。なのに捜査特別報奨金制度の上限額が1000万円に改正されるとただちに市橋達也に適用された。1000万円の対象は市橋達也の他はいない。例えば世田谷一家殺人事件は300万円、オウム真理教の三人はそれぞれ200万円である。これらの凶悪事件より死体遺棄罪の容疑者の方が治安を乱す凶悪な犯罪なのだろうか。この大きな疑問に、捜査本部は何も説明していない。たとえ殺人罪を視野に入れていたとしても納得できるものではない。


■ 市橋の完全黙秘は法廷戦術であった。

市橋が警察、検察の手練手管を知り尽くし、法廷戦術で黙秘していたとしたら、メディアは一体何を伝えてきたのだろうか。自供を引き出せなければ追起訴は難しい。捜査本部の焦りと裏腹に、「黙秘していても裁判で裁かれる」と楽観的観測で報道した。とにかく市橋達也は完全黙秘に徹していた。リンゼイさんの殺害を認めなかったのである。メディアはけして本当のことを伝えていなかった。そんな中弁護団は記者会見の場で市橋達也が自供したと発表した。それはともかく、発表した日が重要である。拘留期限の前日なのである。法廷戦術を身につけた容疑者がゴール目前で自供するのだろうか。市橋は本当に口を開いたのであろうか。とにかく市橋が自供したことにより追起訴することができた。捜査本部に都合がよい方向に歩み始めたのである。


■ 死体遺棄罪は本人の自供のみが直接証拠になる。

『死体遺棄容疑で逮捕』したはいいが、『法廷戦術で完全黙秘する市橋達也』と殺害を結びつける新しい証拠は無い。市橋は逮捕収監されてから黙秘に徹した。なぜ黙秘しているかは誰も見抜けなかった。見抜いたとしても口に出さなかった。唯一、元最高裁判事検検事の辻本氏が週刊誌で「法廷戦術で黙秘している可能性」に言及している。捜査本部は二年七ヶ月もの間、殺人を立証出来なかったのである。市橋がリンゼイさんの殺害を認めなければ、けして殺人罪は立証出来ないのだ。再逮捕できたとしても、市橋の自供なくして起訴に至ったかは疑問である。

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■ 弁護団は誰のために結成されたのだろうか。

基本的な話をすると、死体遺棄容疑で逮捕されても国選弁護人をあてることはできない。最高刑が三年以下の微罪だからだ。なのに逮捕翌日、市橋の弁護団は結成された。頼みもしないのに毎日のように接見した。国選ではなく私選だということをあえて指摘しておく必要がある。犯行を否認し裁判が長期化したとき莫大な費用が計上されることになるということだ。支援者が募った支援金を弁護団は受け取っている事実。領収書も存在する事実。市橋弁護団がボランティアで組んだのではないことを如実に物語っている。

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■ 勾留期限満期の前日になぜ自供を始めたのだろうか。

市橋弁護団は本人が殺害に関与する供述をしたと、拘留期限満期の前日に発表した。自供を引き出したと容疑者に不利益な発表をした。弁護団は捜査本部や検察の有利に動いていないのだろうか。もし、容疑者の利益を考えて弁護を引き受けたならば、極論を言えば『黙秘を勧める』のが妥当ではないか。法に携わる人間が自供が直接証拠になることを知らないわけがない。殺人罪を立証出来なかったことを知らないわけがない。弁護団は市橋の口を割らせるために検察が派遣したのではないか。このまま黙秘を続ければ裁判が長期化するのも必至、最悪数千万円の費用を両親が背負わなければいけませんね。もし殺害に関与したと供述をした場合、結審も早まり、費用の負担は最低限になります。これは悪魔の囁きではないか。そう思えてならない。

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《殺害に関与する自供が決めてとなり、捜査本部及び検察は殺人・強姦致死で追起訴することができた》




■ 足利事件で何を学んだのであろうか。

四人の幼女殺人で無期懲役刑に服していた菅谷俊和さんが一七年の服役を経て釈放された。菅家さんが出したゴミを漁り、見つけたティッシュから採取したDNAが被害者の下着に残された体液と一致したと逮捕した。捜査本部は軽度の知的障害がある容疑者に自供を連日迫った。そもそもやっていないことを認められるわけがない。『DNA型一致』という直接証拠で罪は免れないと、恐ろしいことに弁護士は菅谷さんに自供を勧めていたのだ。捜査本部、検察、弁護士が三位一体となり、菅家さんに犯行を認めさせたのだ。結局『DNA型一致』はでっち上げであった。我々は一体この事件に何を学んだのであろうか。他人事として捉えていいのだろうか。市橋の置かれた立場がやけにシンクロして見えてしまうのはなぜだろうか。


■ 過去の冤罪事件の共通点。

千葉英国人殺害事件は過去の冤罪事件と多くの共通点を持っている。過去の冤罪事件の多くは組織的犯罪を闇に葬るために一人の犯罪者に罪をなすりつけたからこそ齟齬が生じ、支援者の声で発覚したのである。それは組織的犯罪を隠蔽するために、組織につながる証拠をすべて断ち切る役目を警察、検察が担っているからこそ、真相が闇に葬られるのである。帝銀事件はGHQの犯罪を隠蔽するために平沢貞通さんに全てをなすりつけた。組織とは時に巨大なものなのである。警察も検察も事件を解決させるためにあらゆる手を駆使し証拠をでっちあげさえする。隷従するメディアがありもしない犯人像を容疑者に植え付ける。刷り込まれた国民は疑うことさえ無く死刑さえ妥当だと考える。獄中唯一の味方である弁護士さえ巨額の費用を餌に自供を引き出そうとする。裏で警察検察に懐柔されているのである。本当に恐ろしいと思う。誰もが犯人にされる可能性があるのである。
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Tag:英国人女性殺害事件 冤罪 

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