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関越ツアーバス事故の本質は『居眠り運転』でもなく、『日雇い』でもなく、別のところにある。

2012/06/03/(Sun) 11:57


関越ツアーバス事故で逮捕された運転手は河野化山の兄弟ではないか??
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-419.html


前回のブログエントリでは2012年4月12日の京都祇園暴走事故と今月始めに発生した大阪ミナミの暴走事故の類似性を指摘したが、19名の死傷者を出した祇園暴走事故を皮切りに、同月23日には集団登校中の小学生の列に突っ込み死傷者10名を出した京都亀岡暴走事故、同月29には死傷者45名(46名?)の関越ツアーバス事故が発生。さらには、5月中旬、熱海で四トントラックが暴走している。


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事故を起こした四トントラックは2倍の過積載だったという。事故現場は下り勾配が続く熱函道路で、運転手は『ブレーキを踏みすぎた』、『ブレーキが効かなかった』と話しているという。ただ、写真を見てもわかるように、車道と歩道の境目にガードレールが無い。ブレーキが効かなくなった暴走車から歩道をガードするのがガードレールの役目であるが、ガードレールがなければどこかにぶつけて止めるしかない。運転手は被害を最小限に食い止めるべく懸命にハンドル操作していたのだろう。というのも、10人の重軽傷者の中に通行人は含まれていないからだ。


とにかく熱海トラック暴走事故では事故車両は見るも無残に大破しているが、奇跡的に死者は出なかった。対照的に、関越ツアーバス事故は死者7名を出し、乗客全員が負傷するといった大事故になった。


関越ツアーバス事故は運転手の居眠りが原因で引き起こされたとされているが、乗客全員が負傷し、内7名が死亡するといった大惨事に発展したのは、また、別の要因である。


「【関越道バス事故】わずか20センチ 隙間が惨劇招いた」のフォトスライドショー:イザ!

関越ツアーバス事故の事故現場には道路設備上の致命的な欠陥があった。致命的な欠陥とは、ガードレールを防音壁に重ねるように設置していなかったことである。2、30センチの隙間が空いていたことが、乗客全員を負傷させ、うち7名死亡するといった大惨事に発展させたのである。

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ガードレールを防音壁に重ねるように設置することを決めた通知が出されたのは98年のことである。ただし、この基準は新設に限られていた。すなわち、98年以降に新設された高速道路のガードレールは防護策に重ねて設置されているのだが、80年代に整備された場所では対象外であり、なんの対策もしていなかったということだ。

事故を起こしたバスの左面にはガードレールの高さまでのパネルがない。これは、防音壁に衝突する前、ガードレールに相当な負荷をかけながら、車体が誘導されていた可能性を示すものである。

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おそらく、制御不能に陥ったバスはガードレールに衝突し、車体の左側をめり込ませながら走っていたのだろう。もしかしたら、バスを止める最終手段としてガードレールに車体をぶつけたのかもしれない。そして、ガードレールに誘導されるがまま走らせた先に、三メートルの高さの金属製の壁が待ち受けていたわけだ。どれほどの熟練ドライバーとて、これは防ぎようがないだろう。

98年の基準を旧設の該当箇所にも適応させていれば、これほどまでの悲惨な事故にはならなかったかもしれない。制御不能に陥った暴走車はガードレールに衝突させて止まるまで誘導させるしかない。ガードレールに車体をぶつけて止めようとした挙句に、誘導された先に車体を真っ二つに引き裂く金属製の壁があったとしたら、それはそれは悲劇というしかない。

関越ツアーバス事故では、ツアーバスを運転していた河野化山は、実は一緒に働いていたという河野化山の兄弟なのではないかという疑問を呈した。第一報では『内臓破裂の重傷』だと報じられていたにも関わらず、さらに群馬県警もそう認識していたにも関わらず、収容先の病院で逮捕された河野化山は腰の打撲程度の軽傷でしかなかった。さらにいえば、17年前に日本国籍を取得していたにもかかわらず、中国語通訳を通じて取調は行われた。河野化山の屋号、河野交通の運転手をしていた河野化山の兄弟が何らかの理由があって摩り替わっていたとしても不思議ではないし、替え玉でなければ説明できないことが多々ある。

はたして、ツアーバスを運転していたのは河野化山なのか、河野化山の兄弟なのかは知る由もないが、河野化山の兄弟が河野交通の運転手をしていたことは確かなようだ。

時事ドットコム:河野容疑者親族も「日雇い」か=陸援隊で運転の疑い-群馬県警
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201205/2012052900043&rel=y&g=soc

自動車運転過失致死傷罪で逮捕、起訴された河野化山であるが、今度は道路運送法違反の容疑で再逮捕された。内容は無許可営業である。他方で、陸援隊の社長も道路運送法違反(名義貸し)で逮捕された。本人にしてみたら、とんだとばっちりであろう。

関越道のバス衝突:陸援隊社長を送検 名義貸し容疑、実態を解明へ 運転手追送検 /群馬- 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20120530ddlk10040149000c.html



居眠り運転だの、日雇いだの色々と言われているが、結局のところ、98年前に整備されたガードレールと防音壁の間に隙間が生じていたことが問題なのであり、ガードレールに隙間がある箇所は全国に5100箇所存在するのも事実である。

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120523_534836.html
Car Watch 高速道路各社、関越道における高速ツアーバス事故を踏まえた対応について

やはり現場はガードレールと防護壁の隙間の重大性については認識していたのだろう、隙間を塞ぐ工事を前倒しして行うようである。


東京新聞:隙間ふさぐ工事 関越道バス事故 現場で着手:群馬(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20120601/CK2012060102000134.html

2012年6月1日

 藤岡市の関越自動車道で発生した高速ツアーバス事故を受け、道路を管理する東日本高速道路(東京)は三十一日、現場で安全対策工事に着手した。事故では、バスがガードレールとの隙間付近から防音壁に突っ込んで大破し、被害を拡大させたとの見方があるため、ガードレールを壁につなげて防護柵間の隙間をふさぐ。

 同社は当初、防音壁のみの復旧を先行させる予定だったが、急きょ隙間の工事を前倒しして同時に進めることにした。今月中旬に完工する見通し。「他の隙間工事は秋に始めるが、現場は事故の重大性から特別に極力早めた」と説明している。

 この日は社員ら約十人がガードレールの支柱を地中に打ち込む前に、電線などの埋設物がないかをスコップで試掘して調べた。七人の犠牲者を出した事故から一カ月余。現場には数十本の花束、千羽鶴、縫いぐるみなどが置かれ、関係者が供養に訪れた。 (菅原洋)

--転載ここまで--


高速道路の運営側は、ガードレールと防音壁の隙間が被害を拡大させた事実について、ある程度の認識は持っていたようだ。反面、事故の一週間後に国土交通省が公表した『関 越 道 に お け る 高 速 ツ ア ー バ ス 事 故 に つ い て 』というタイトルのプレスリリースでは、ガードレールと防音壁の隙間については一言も触れられていない。

関 越 道 に お け る 高 速 ツ ア ー バ ス 事 故 に つ い て
http://www.mlit.go.jp/common/000210508.pdf

これには、あきれて物が言えない。国土交通省は被害を拡大させた事の本質には見向きもせず、ツアーバス規制して終わらせようと画策しているようだ。本当に事故をなくそうとしているのだろうか。そう勘繰りたくなる。


おそらく警察は河野火山にしばらく檻の中にいてもらうつもりで再逮捕したのだろう。道路運送法違反という容疑は、死者7名を出した事故の運転手には相応しくない軽微なものである。同法違反では陸援隊の社長も逮捕されたが、とばっちりというか、口封じ目的で逮捕されたのではないかと思えてならない。

陸援隊の社長逮捕と時を同じくして、弁護団が一斉に辞任したことも引っかかる。


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時事ドットコム:陸援隊の弁護士辞任=被害者に文書、関越バス事故
http://jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012060200231

陸援隊の弁護士4人が辞任「やれることない」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120602-OYT1T00427.htm

陸援隊、被害者説明会欠席へ…弁護士も契約終了 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120602-OYT1T00367.htm?from=popin

陸援隊の弁護士辞任 「無責任」被害者が批判 - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/201206/CN2012060101002495.html


辞任の理由をきけば、被害者賠償は保険会社が受任しているからだという。当然、河野火山や陸援隊社長の刑事弁護は引き受けるつもりはないのだろう。ようするに、金の切れ目は縁の切れ目ということで見限ったということだ。


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大阪ミナミの暴走事故と祇園暴走事故の類似点

2012/06/03/(Sun) 01:42





朝日新聞社デジタル:脱法ハーブ吸い暴走か 過失傷害容疑で逮捕の26歳供述 - 関西ニュース一般
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201206020013.html

2012年6月2日

 1日午後9時35分ごろ、大阪市中央区心斎橋筋1丁目の心斎橋筋商店街近くの路上で、軽乗用車が暴走して女性2人に接触し、腰に軽いけがをさせた。大阪府警南署は、車を運転していた堺市堺区南島町2丁、建設作業員拝藤(はいとう)俊一容疑者(26)を自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕した。調べに対し、拝藤容疑者は「脱法ハーブを吸って運転した」と供述しているという。

 南署によると、現場は一方通行で、車道の幅は4メートル、両側に2メートルの歩道がある。拝藤容疑者は軽乗用車を西から東に向かって運転。歩道を歩いていた大阪市の女性会社員(41)と大阪府茨木市の女性会社員(35)にそれぞれ接触。車は歩道に乗り上げ、ポールにぶつかり停車した。

 拝藤容疑者のポケットからは、植物片が入った袋が見つかったといい、府警は成分鑑定を進める方針。

--転載ここまで--


朝日新聞デジタル:大阪ミナミ暴走、危険運転容疑も視野 脱法ハーブ検査 - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0602/OSK201206020047.html?ref=reca

 南署によると、拝藤容疑者は「脱法ハーブを吸いながら運転した。どこかで信号待ちをしていたことは覚えているが、事故のことはよく覚えていない」と供述。南署は、正常な判断力を失って運転していた疑いがあるとみている。~中略~体内に残るハーブの成分などを調べるために尿検査を実施するほか、現場近くの防犯カメラの画像分析などで事故時の状況を調べる。ハーブの影響が裏付けられれば危険運転致傷に切り替える方針。(2012年6月2日18時43分)

---------------------抜粋


脱法ハーブが事故の原因なのだろうか。

脱法ハーブは効かない。効いたらとっくにイリーガルドラッグの仲間入りしているはずだ。たとえ尿検査の結果、脱法ハーブらしい成分が検出されたところで、脱法と冠していることから分かるように、規制する法律はない。本人とておしゃれタバコを吸って気分を演出しただけだろう。だから、脱法ハーブを所持、使用していたことに託けて、車側の原因究明を棚に上げてしまうことに違和感を覚えるのである。





どうみても、車側の暴走である。

監視カメラの映像が、それを物語っている。

まだ運転手が所持していた脱法ハーブの成分分析結果が出ていないのでなんとも言えないが、禁制品を所持していたのでないならば、脱法ハーブが事故原因なわけがない。もっと言えば、脱法ハーブは気分を演出するだけなので、昂りはするだろうが、記憶喪失に陥らせるものではない。なにせ効かないのだから。





今年2012年4月12日、京都府・祇園で歩行者7人が死亡、11人が重軽傷という軽ワゴン車の暴走事故が発生した。運転手は藍染製品販売業者勤務の配達員で、即死であった。

かたや死傷者19人、かたや2人の軽傷。同じ繁華街の暴走事故でありながら、その被害に雲泥の差があるのは、ひとえに助走の長さだろう。大阪ミナミでの暴走事故の監視カメラがそれを物語っている。


京都祇園・走ドラレコ映像 衝突の瞬間【転載 720p】 - YouTube 防犯カメラが一部始終 脱法ハーブ吸い・走事故


特筆すべき点は、両事故の事故車両は、車種こそ違えど、同じメーカーの軽自動車(ワゴン車)だという事実である。これはさすがに無視できないことだ。


大阪ミナミの暴走事故で運転手は記憶喪失を訴えているが、記憶をなくしてブレーキを踏まないことはあっても、アクセルを踏みっぱなしにすることは有り得ない。ヒトは、意識がない状態で力を込めることはできない。アクセルを踏むという、多少なりとも力を込める動作は不可能である。運転手本人が故意でアクセルを踏み続けたのか、あるいは車が暴走したのかのどちらかである。

当然、同じことが祇園暴走事故でもいえる。てんかんで意識を失ってしまえば、アクセル全開に踏み込むことなんてできるわけがない。



どうして、ハード側の原因究明を忌避するのだろう。不思議でならない。



車の暴走は防ぎようがない。運転手が正常であれ、車が暴走してしまえば殺傷能力がすこぶる高い凶器と化してしまうのである。





暴走車両を運転手側からとらえた韓国の動画である。祇園暴走事故の運転者の持病であったてんかん、あるいは大阪ミナミの暴走事故の運転者が所持、使用していたという脱法ハーブが事故原因ではなく、車体を制御不能に陥らせた原因は、本当はハード側にあったのではないかと疑わずにはいられない。





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