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市橋達也の法廷ライブ・7月21日裁判員会見(上)(中)(下)
2011/07/21/(Thu) 21:56

【市橋被告判決 裁判員会見(上)】「遺体が真実を語った」「証拠つき合わせ十分審議」 判決内容に自信 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110721/trl11072119050009-n1.htm
2011.7.21 19:04 (1/4ページ)
《千葉県市川市のマンションで平成19年、英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=を殺害したとして、殺人などの罪に問われ、千葉地裁(堀田真哉裁判長)で無期懲役の判決が言い渡された無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判を担当した裁判員の記者会見が同地裁で行われた。8人すべて男性の裁判員のうち補充裁判員1人を含む7人が出席し、注目裁判の審理に参加した感想などを述べていった》
《出席した裁判員1番は千葉市花見川区の40代の男性、裁判員2番は千葉市の50代の男性。裁判員3番は千葉県茂原市の40代男性。裁判員4番は60代男性。裁判員5番は30代男性。裁判員6番は50代男性。補充裁判員1番は松戸市の30代男性だ。裁判員たちは判決に至るまでの議論について振り返る》
裁判員2番「法廷に出た色々な証拠から議論を進め、最終的な判断をするところまで、ものすごい神経を使って、結論に至りました。結論に対しては自信を持っています」
裁判員4番「法廷の中で弁護側の証拠と部屋に残された証拠、どちらが正しいかを全員で長い時間協議した。証拠を付き合わせ、裁判員が十分審議しました」
2011.7.21 19:04 (2/4ページ)
裁判員5番「証拠は被告の供述を完全に否定できるものではなかったです。検察の主張について『その通りだ』といえる証拠も少なかったです。だが最終的にみなさんと議論を重ね、満足のいく答えが出ました。難しかったのは被告が語ることがグレーなことばかりだったことで、それを見極めることにストレスが発生しました」
《判決では「殺意がなかった」「強姦時に暴行しなかった」などとする市橋被告の主張がことごとく退けられている。裁判員6番はそのような判決に至った理由を述べていく》
裁判員6番「裁判では密室の中のことを明らかにします。しかも被告しか語れません。しかし(リンゼイさんの)ご遺体が雄弁に語る部分がありました。被告の生の声より、ご遺体が真実を語ることがありました。被告だけの話しか聞けませんでしたが、被害者の“声”を聞いて、判断したと思っています」
記者「被害者参加制度で遺族が参加しました。遺族の言葉、法廷の様子を見て、判断に影響を与えましたか」
裁判員1番「被害者の立場からすると、良い制度です。参加は賛同できます」
《裁判員1番は腕を組み、間を開ける。言葉を慎重に選んでいるようだ》
2011.7.21 19:04 (3/4ページ)
裁判員1番「今回、遺族が証言されている。そこで最高刑を望むとおっしゃっていました。家族として言いたいことを自分の声で伝えることが実現できたと考えています。判決への影響ですが、無期懲役の求刑を受け、どういう刑が考えられるかあらゆる可能性を検討しました。遺族が最高刑を望まれたことも検討した上で、今回の結論に至りました。ただ遺族の声で量刑への判断が動いた感覚は持っていません。あくまでも証拠などに基づいた判断が下されました」
裁判員2番「全く同じです。被害者の家族の感情を十分に聴き、全員でしっかり受け止めました。家族の証言、被告の証言など法廷で示された証拠をもとに、判断をしました」
裁判員5番「とても難しい質問です。被害者参加人は証言台に立ち、私たちに心の内を訴えかけてくれました。それを受け止めようという思いは心の中にありました。判断に影響があったかは分かりません」
裁判員6番「遺族の処罰感情が峻烈なのは当然です。量刑を決める上で、処罰感情は情状の要素の一つとして考慮しましたが、必要以上に感情を重要視して、その要素のみで量刑を決めたことはありません。適正に評価して、量刑が決まりました」
《裁判員3番がうなずき、賛同する》
2011.7.21 19:04 (4/4ページ)
補充裁判員1番「小さいときから育ててこられた(ことが分かる)写真を見て、私は父親の立場として見て、(遺族の)気持ちが伝わってきました。しかし判断は左右されませんでした」
記者「裁判員はみなさん男性でした。女性が被害を受けた強姦を審議されましたが、性別が偏ったことについて意見、感想あれば教えてください」
《裁判員1番が即座に挙手する》
裁判員1番「裁判官の1人は女性でしたから、さまざまな意見が語られる状況は保たれていました。性別がどうこうは何ら違和感はありませんでした」
裁判員3番「逆に全員が男性ということで、裁判員がランダム(無作為)に選ばれているのだと思いました」
記者「被告が正直に話していないという指摘がありましたが、具体的な場面があれば教えてください」
裁判員1番「遺体が示していることは、紛れもない事実。そこと整合性がとれない供述が、積み重なっていくとどうしても、『(市橋被告の供述が)どうなのかな』という印象を持ちました」
裁判員2番「同じです」
裁判員3番「具体的な場面といわれても、何カ所かあります」
裁判員4番「(現場や遺体の)状況と証言が一致する部分は少ないと思っています」
裁判員5番「肝心なところで『覚えていない』『分からない』と言われると、その部分に本当のことを知る鍵があるのかなと考えてしまいます」
《裁判員たちから市橋被告への厳しい言葉が続く》
【市橋被告判決 裁判員会見(中)】無表情…「最後まで被告の考え読み取れず…」 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110721/trl11072119290010-n1.htm
2011.7.21 19:28 (1/3ページ)
《千葉県市川市のマンションで平成19年、英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=を殺害したとして、殺人などの罪に問われ、千葉地裁(堀田真哉裁判長)で無期懲役の判決が言い渡された無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判を担当した裁判員の記者会見が、同地裁で続いている》
《裁判員1番は千葉市花見川区の40代の男性、裁判員2番は千葉市の50代の男性。裁判員3番は千葉県茂原市の40代男性。裁判員4番は60代男性。裁判員5番は30代男性。裁判員6番は50代男性。補充裁判員1番は千葉県松戸市の30代男性だ》
記者「検察側の事実認定のところで疑問を覚えたり、検察側のストーリーだと気になったところはありませんでしたか」
裁判員1番「結果として真実が何で、どういう罪なのか、それが起訴状に沿った事実から導かれるのかどうかということに重点を置いて考えていました。本件は非常に特異な事件だと思います。事件の概要について、市橋被告の証言に負うところが多い。普通だったら、検察のストーリーは正しいのか、ということを気にするのかもしれないですが、真実が何かというのを一番追求してきた自信があるので、検察側のストーリーというものは気にしていませんでした」
2011.7.21 19:28 (2/3ページ)
裁判員2番「私は逆に、検察側はもっとストーリーを基に、証拠を詰めていくのかと思ったら、そうじゃなかったと感じた。作為的に話をつくって(証拠で肉付けする)、という部分が多少なりともあって当然だと思っていたので、逆に検察側の主張に、総合的なあらすじがなくて、審理が結構、意見の食い違いで難航したのは事実です」
記者「もっと証拠があればよかったということですか」
裁判員2番「証拠はいっぱいあるんですけど、知りたい証拠がなかったといいますか…」
《裁判員2番の男性は苦笑いしている》
記者「市橋被告の様子とか、そういう法廷内での人の様子は見ていましたか」
裁判員1番「市橋被告よりもリンゼイさんの両親の様子を見ていました。市橋被告に関しては、本当に無表情で、見ている限りでは判決の時も、今日も感情を表に出しませんでした。公判中に体の動きがなかったか、ということに関しては、肩を震わせたりなどはありましたが、それ以外は同じ姿勢だったと思います」
補充裁判員1番「極力、メモよりも、市橋被告の方をずっと見るようにしていましたし、見ていました。いろんな人が証言したり、発言したりしているので、彼が何を考えているのか、なにか読み取れないかな、と思っていました。最後まで、読み取れなかったのですが…」
2011.7.21 19:28 (3/3ページ)
《ほかの裁判員の間で小さな笑いが起きる》
補充裁判員1番「(市橋被告を)ずっと見ていたのですが、判決後も眉1つ動かさず、終わるまで微動だにしませんでした。ただ、瞬きが多いですね。公判を通して、全般的に1分間に208回くらい」
《また、裁判員の間で笑いが起きる》
記者「市橋被告について第一印象が結構臆病だという感想をお持ちということでしたが、今でもお気持ちは変わらないですか」
裁判員1番「はじめに持った印象はずっとあります」
記者「裁判員裁判では、争点以外の部分は明らかになっていませんが、例えば逃亡生活についてもっと知りたいと思われたりはしませんでしたか」
裁判員1番「私たちが判断すべき…、訴状からすると、逃亡生活というのは訴状の内容の後のことなので、量刑の判断にかかわらないですよね。そんなに細かい部分まで知りたいとかは思いませんでした。被告人がどのように語るのか、それに対してどう判断するかということだけです」
《裁判員7人の会見は終了。続いて、この7人のうち、カメラ撮影に応諾した裁判員の記者会見が開かれる》
【市橋被告判決 裁判員会見(下)】「反省伝わらず」「分からないことだらけ」 疑問も残った裁判員 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110721/trl11072120020012-n1.htm
2011.7.21 20:00 (1/4ページ)
《千葉県市川市のマンションで平成19年、英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=を殺害したとして、殺人などの罪に問われ、千葉地裁(堀田真哉裁判長)で無期懲役の判決が言い渡された無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判を担当した裁判員5番の30代男性が、千葉市内のテレビ局でカメラ撮影に応じる記者会見を行った》
記者「現在の気持ちは」
裁判員5番「ほっとしている。審理と評議を含め、自分個人の悩み、迷いはつきまとっていました。違う意見の裁判員と議論を重ね、いろいろ考えることが増えました」
「夜寝れなかったことはなかったですが、もやもやとしたものがあったのは事実なので。これで終わってほっとしています」
《男性は落ち着いた表情で、質問に対し時折笑顔を見せた》
記者「事件は大きく報じられ、海外メディアの注目も高かった。3週間の日程をプレッシャーに感じましたか」
裁判員5番「報道は見ないようにしました。裁判所に入ってから、裁判官が常に配慮してくれました。重く捉えすぎないようサポートしてくれました」
記者「リンゼイさんの遺族がイギリスから来て証言し、最高刑を望みました。影響された部分はありますか。遺族の言葉をどのように受け止めましたか」
2011.7.21 20:00 (2/4ページ)
裁判員5番「ご遺族に感情を伝えていただいたことは、こちらも誠意を持って受け止めました。それが、判決に影響があったかは個人としては難しいです。明確にお答えできないです。どうでしょうか」
記者「イギリスから遺族が来ていなかったら公判への関わり方はどうなったか」
裁判員5番「結果が変わっていたかは分からないですが、法廷で遺族の涙を流す場面を見ました。遺族が公判に参加したことは意義があったと思います」
《続いて、記者が法廷での市橋被告の印象を尋ねた》
記者「市橋被告は初公判の入廷後、土下座をしました。だが、判決では『真摯(しんし)な反省は感じられない』と認定されました。どのように感じますか」
裁判員5番「私たちが入廷する前だったので、市橋被告の土下座は見ていないので分からないです。だが、反省の色が伝わってきたかと言われれば、証言台に立っている被告人の返答を聞く限り、本当のことを話しているという印象は受けられず、疑問が残りました」
記者「法廷で、細かな逃走の経緯が明らかになりませんでしたが」
裁判員5番「どうだろう。今回、(市橋被告が出版した)逃亡生活中の手記も読んでいないんですね。裁判員をまっとうすることに手記を読むことが邪魔になるということでなく、読みたいと思う要素がなかったのが一番の理由。あまり気にしていないですね」
2011.7.21 20:00 (3/4ページ)
《市橋被告が逃亡生活を記した手記に対する男性の印象は薄いようだ》
記者「リンゼイさんに対する思いはどうですか」
裁判員5番「実際のいきさつ、どのような理由でマンションに入室して、どういう経過をたどって殺されたかは、終わってみても分からないことだらけ」
「被告人は話していましたが、それがすべてがそのままだったとは言い切れるほどの印象はないです。すべては想像になりますが、やっぱり、とんでもない恐怖を持たれていたんだろうなと思います」
「(強姦については)女性でないので屈辱、無念は分からない。長い時間拘束されて自由を奪われた。被告人と一緒の数時間もさぞかし、絶望というか…。言葉が出てこない。無念であったろうなと思います」
記者「女性の気持ちが分からないということですが、裁判員は男性のみで裁判官に1人女性がいただけでしたが」
裁判員5番「女性の気持ち…。どうでしょう。性別が偏ったことで意見が偏ったのはなかったと思う。全員男性ですが、見方が偏ったことはないと言い切れると思います」
記者「法廷の中で証拠として遺体の写真をごらんになったと思います。トラウマになったり、プレッシャーになったりはしていませんか」
2011.7.21 20:00 (4/4ページ)
裁判員5番「初めて証拠の写真が映し出されたときはショッキングで、心拍数が上がるのを感じました。でも事件の真相を知る、検察側、弁護側双方が言っていることを判断するための重要な証拠なので、自分には『証拠の1つ』と言い聞かせて見ていました」
記者「もやもや、悩みがあったということですが、どのようなときですか」
裁判員5番「やっぱり被告人自身の言うことの信憑(しんぴょう)性が薄い。勝手な印象ですが。証拠自体がいくつかあってもあいまいだった。どちらの可能性が高いか一つ一つ判断していかなければならなかった。すごく想像以上に大変というか難しかったです」
記者「難しいなかで、無期懲役と決めました。何を重視しましたか」
裁判員5番「先入観はもちろん、勝手な憶測は挟み込まず、法廷で立証された証言、証拠を判断材料として決めていこうと。そうしなきゃという思いがありました。最終的には自分の感覚、直感で感じた印象、遺族の感情を注視していたかもしれない」
記者「逃亡生活っていうのは肝だと思います。量刑に逃亡はどれくらい影響を与えましたか」
裁判員5番「あまりないと思いますよ。言い切るのは語弊があると思いますが」
記者「自首していれば、何かが変わったというところもありましたか」
裁判員5番「何かしら変わったかもしれませんが。反省の色がない。(逃亡は)事件の印象を伝えるものとなった。(悪質性を)感じ取りました」
《男性は終始、淡々とした様子で裁判を振り返り、会見を終えた》
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Category:市橋達也の法廷ライブ
市橋達也の法廷ライブ・7月21日判決公判(1)~(4)
2011/07/21/(Thu) 19:06
初公判・7月4日
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-270.html
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-271.html
第二回公判・7月5日
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第三回公判・7月7日
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第四回公判・7月8日
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第五回公判・7月11日
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第六回公判・7月12日
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市橋達也の法廷ライブ・補足・解説
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市橋達也の法廷ライブ・補足、解説2
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市橋達也の法廷ライブ・補足、解説3/市橋達也に無期懲役判決
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-288.html
市橋達也の冤罪検証・疑惑だらけのリンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件
市橋達也の判決公判を前に思うこと。
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【英国女性殺害 市橋被告判決(1)】求刑通り…被告は無反応、リンゼイさん両親は目に涙 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110721/trl11072115330002-n1.htm
2011.7.21 15:33 (1/4ページ)
(14:30~14:40)
《千葉県市川市のマンションで平成19年、英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=を殺害したとして、殺人などの罪に問われた無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判の判決公判が21日、千葉地裁(堀田真哉裁判長)で始まった。逮捕されるまで2年7カ月も逃亡生活を続けるなど国内外で注目を集めた事件の判決。検察側は無期懲役を求刑しているが、6人の裁判員とプロの裁判官3人はどういう量刑判断を下すのか》
《4日から12日まで計6日間にわたって開かれた公判では、最大の争点である殺意の有無をめぐり、検察側と弁護側が激しく対立した》
《検察側は論告で、市橋被告がリンゼイさんの首を少なくとも3分以上圧迫したと指摘し、明確な殺意があったと主張。動機は「生きて帰せば強姦がばれると思ったから」とし、殺人と強姦致死罪が成立するとして無期懲役を求刑した》
《一方の弁護側は「逃げようとしたリンゼイさんを押さえているうちに腕が首に入った」として「偶発的な死」を主張。乱暴から死亡までの時間が開いていることを踏まえ、傷害致死と強姦罪の適用を求めた》
《こうした争点に加え、市橋被告の反省ぶりなど情状面や、証人、被害者参加人として公判に参加したリンゼイさんの両親の強い処罰感情も、裁判員らの量刑判断のポイントとなる》
2011.7.21 15:33 (2/4ページ)
《市橋被告は初公判でリンゼイさんの両親に土下座して謝罪。最終陳述では、改めて殺意を否定しつつも、「何をしても許されない」「私の中は自分勝手であふれていた」「その都度ごまかしていこうとすることがこの事件につながった」などと涙で身を震わせながら反省の弁を連ねた》
《リンゼイさんの両親は意見陳述などで、こうした市橋被告の主張や態度について、「少しでも刑を軽くするための虚偽のストーリー」「証言は計算されつくし、リハーサルされたもので、彼は悔いていない」などと強く非難。「法律上許される最高刑で処罰してほしい」と訴えた》
《今回の裁判員は補充裁判員を含めて全員男性。女性裁判官1人を含む3人の裁判官とともに市橋被告をどう裁くのだろうか》
《法廷は千葉地裁最大の201号。傍聴席はほぼ満席だ。午後2時34分、リンゼイさんの父、ウィリアムさんと母、ジュリアさんが入廷し、検察官席の後ろに着席した。リンゼイさんの姉妹も入廷し、傍聴席の最前列に座った》
《起訴状によると、市橋被告は19年3月25日ごろ、自宅マンションでリンゼイさんの顔を何度も殴り、両手などをテープで縛って乱暴した上、首を絞めて殺害。同26日ごろ、リンゼイさんの遺体をベランダの浴槽に入れて土で埋めるなどして遺棄したとされる》
2011.7.21 15:33 (3/4ページ)
《午後2時35分、堀田裁判長の指示で市橋被告が、向かって左側の扉から入ってきた。黒い長袖シャツに黒いズボン姿。髪は長くぼさぼさで、一部が前に垂れ下がっている。これまで同様、うつむき気味で表情は暗く憔悴(しょうすい)しきった様子だ。リンゼイさんの両親に一礼した後、証言台の後方にある長いすに座った》
《裁判員6人も入廷し、法廷内の全員が起立、一礼をした後の午後2時36分、堀田裁判長が声を上げた》
裁判長「それでは開廷いたします。被告人は証言台の前に来てください」
《市橋被告は無言で立ち上がり、証言台の前にゆっくり歩み出た。手を前にぶらっとさせ、緊張した様子だ。裁判員6人も、市橋被告に視線を集中させる。堀田裁判長が続ける》
裁判長「市橋達也被告人ですね」
被告「はい」
《小さい声で答える市橋被告》
堀田裁判長「それでは、あなたに対する判決を言い渡します」
《市橋被告は緊張しているのか、反応しない》
《無期懲役か有期刑か。静寂に包まれた法廷内に緊張が走る。市橋被告はうつむいたままだ》
裁判長「主文。被告人を無期懲役に処する。未決勾留日数中370日をその刑に算入する」
2011.7.21 15:33 (4/4ページ)
《堀田裁判長の主文読み上げが終了すると同時に傍聴席の一部の報道陣は一斉に立ち上がり、速報を伝えるため慌ただしく法廷から飛び出していった》
《傍聴席から市橋被告の表情をうかがい知ることはできないが、主文言い渡しの瞬間、市橋被告は微動だにしなかった》
《リンゼイさんの両親の男性代理人弁護士は「当然だ」といった表情で何度もうなずき、ウィリアムさんに主文の中身を説明しているようだ。ウィリアムさんとジュリアさんは、女性通訳を介し、主文の中身を理解したのか、みるみる目に涙がたまっていった》
《裁判員たちは一様に険しい表情で、市橋被告を見つめている》
裁判長「もう一度言うと、被告人を無期懲役に処する。未決勾留日数中370日をその刑に算入する」
《堀田裁判長は、間を置かずに続ける》
「以下、理由を述べますので、そこに座って聞いてください」
《報道陣の出入りで、傍聴席が少しざわつく中、堀田裁判長による判決理由の読み上げが始まった》
【英国女性殺害 市橋被告判決(2)】「強姦時の供述、信用性低い」殺意認定 被告の主張、次々と否定 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110721/trl11072116390004-n1.htm
2011.7.21 16:39 (1/3ページ)
(14:40~15:05)
《平成19年3月に英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=が殺害された事件で、殺人と強姦(ごうかん)致死、死体遺棄の罪に問われた無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判の判決公判で、堀田真哉裁判長が判決理由の読み上げを開始。裁判所が認定した事実について説明していく》
裁判長「3月25日、被告方でリンゼイさんの顔に打撃を加え、結束バンドで両手首、両足首を拘束して抑圧し、強いて姦淫をした。26日ごろまでに殺意をもって被害者の頸部(けいぶ)を圧迫して殺害し、リンゼイさんの遺体を浴槽に入れて土を入れた。以上の事実について証拠によって認定します」
《最大の争点となっていた殺意の有無について、検察側の主張が受け入れられたことになる。検察側の後ろに座るリンゼイさんの父、ウィリアムさんと母、ジュリアさんは目に涙をため、手で拭う》
《堀田裁判長は「判断について説明します」と述べ、強姦時の状況に関する争点について言及する。検察側は市橋被告がリンゼイさんを強姦する際、顔を殴打した上で結束バンドや粘着テープで手首を縛り、強姦したと主張。弁護側は強姦時は殴打していないと反論していた》
裁判長「被告は3月25日午前9時54分ごろ、玄関付近でリンゼイさんを押し倒した。上から抑えつけ、両手首、両足首を結束バンドで拘束した」
2011.7.21 16:39 (2/3ページ)
《堀田裁判長は結束バンドの大きさは45センチ、30センチで、結束バンドで手首、足首を拘束するのに手間がかかることを指摘した上で読み上げを続ける》
裁判長「リンゼイさんが少しでも抵抗したら、拘束は困難である。被告がリンゼイさんを拘束する際、リンゼイさんが抵抗できなかったと推認される」
「遺体の顔、胸部、腹部などに鈍体により形成された皮下出血が多く残されていた。リンゼイさんが強姦されそうになったとき、激しく抵抗することは常識的に考えられ、被告がリンゼイさんの(傷の程度が重かった)右目を強い力で殴るなど、全身に暴行を加えたと考えるのが自然だ」
《女性通訳の言葉に耳を傾けながらウィリアムさんとジュリアさんは互いの顔を見て、うなずき合った。傍聴席に背を向けた状態で座る市橋被告に動きはない》
裁判長「被告は『強姦の際は殴っておらず、上から抑えつけて数分間もみ合いになり、被害者が疲れたからか抵抗しなくなったため、服を脱がせ、結束バンドで拘束した』と供述している。2人に大きな体格差がなかったことなどを考えると、被害者は驚愕(きょうがく)と恐怖で抵抗できなくなったと考えられる」
《「驚愕」「恐怖」の言葉が通訳され、ジュリアさんは顔をゆがめて、うつむいた。堀田裁判長は市橋被告がリンゼイさんのコートの袖を強姦時に手で破り、リンゼイさんが死亡した後にカーディガンをハサミで切断したと述べていることについて明確な説明をしていないことなどを指摘した上で、こう述べた》
裁判長「被告の強姦時に関する供述は信用性が低い」
2011.7.21 16:39 (3/3ページ)
《さらに堀田裁判長は市橋被告の暴行に関する供述についても疑問を呈していく》
裁判長「被告は顔を殴ったことについてはリンゼイさんを強姦した後に拘束した状態で4・5畳の和室に連れて行き、リンゼイさんに『たばこを吸いたい』などと言われてイライラし、『私を帰さないと大変なことになる』と言われてカッとなり、殴ったと供述している」
「被告は『リンゼイさんと人間関係を築いて許してもらいたかった』と述べていたのに、『リンゼイさんから帰さないと大変なことになると言われて殴った』というのは理解しがたい。強姦の際にリンゼイさんに抵抗された時には殴らず、拘束されて抵抗できないリンゼイさんを殴ったという供述は一貫性を欠いており、信用できない」
《静かな口調で弁護側の主張を次々と退けていく堀田裁判長。右から3番目の男性裁判員も厳しい視線を市橋被告に向ける》
裁判長「被告が強姦の手段として顔面に打撃を加えたと推認できる。傷から手の拳による打撃と考えることもできるが、足で蹴ることも想定できるため、打撃の方法は特定できない」
《判決の読み上げが続くが、市橋被告の背中は微動だにしない》


【英国女性殺害 市橋被告判決(3)】「頸部圧迫3分以上…明確な殺意」 動機は「発覚を恐れたため」 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110721/trl11072117380005-n1.htm
2011.7.21 17:36 (1/3ページ)
(15:05~15:45)
《英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=に対する殺人と強姦(ごうかん)致死、死体遺棄の罪に問われ、無期懲役を言い渡された無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判の判決公判。堀田真哉裁判長が判決理由の読み上げを続けている。市橋被告は微動だにせず正面を見つめている》
《リンゼイさんが市橋被告の部屋を訪ねたときに何があったのか、堀田裁判長は一つ一つ、検察側と弁護側の主張を確認しながら、証拠や証人の証言を基に事実認定の説明をしていく》
裁判長「頸部(けいぶ)圧迫について、証拠によれば、頸部圧迫は明らかであり、リンゼイさんは顔面や体に多数のけがを負っていた。リンゼイさんの抵抗があったと常識的に考えられる」
《弁護側は、市橋被告が逃げようとしたリンゼイさんの抵抗を抑えようとした結果、偶発的に首を絞めてリンゼイさんを死なせたと主張している》
裁判長「証人(遺体を司法解剖した女性鑑定医)はリンゼイさんが死に至るまでには、数分以上の圧迫が必要で、頸部圧迫の痕は複数回なかったと証言している。リンゼイさんが部屋に入って間もない状況で殺害されたと考えるよりは、多数の粘着テープ片や(輪になった)結束バンドが見つかっていることから、強姦の後で、何回も(粘着テープ片や輪になった結束バンドを)作り、使用できる、強姦できる状況があったと考えられる。リンゼイさんが部屋に入ってから、(リンゼイさんが)比較的長い時間を生きていたと考えるのは合理的である」
2011.7.21 17:36 (2/3ページ)
《弁護側は強姦致死罪について、強姦から死亡までの時間が開いているため成立しないとして、検察側の主張に反論している》
裁判長「そして(弁護側は)市橋被告はリンゼイさんを強姦するときに首を絞めてはいないと言っている」
《市橋被告はリンゼイさん殺害について、寝て起きたらリンゼイさんが拘束を解いていて、市橋被告に殴りかかって逃げようとしたので、必死に抵抗を抑えこんでいたら、リンゼイさんが動かなくなったと証言している》
裁判長「リンゼイさんが3月26日の午前2時から3時くらいまで生きていたとする弁護側の主張は、複数の粘着テープ片や結束バンドが発見されていること、『ワルファリン』などの用語を(25日)午後11時半から(26日)午前0時半まで調べていたということと矛盾しない」
《「ワルファリン」は市橋被告がリンゼイさんの求めに応じて、パソコンで検索していたとされるリンゼイさんの持病の薬だ》
裁判長「リンゼイさんの遺体発見状況を考えると、強姦の際に、市橋被告が頸部を圧迫していないという主張と矛盾しない」
「以上、前述をまとめると、市橋被告はリンゼイさんが部屋に入って間もなく、右目の周りなどにかなり強い力を加え、粘着テープや結束バンドで拘束、強姦した」
《強姦時の事実認定の説明を終えた堀田裁判長は、続いて殺意の有無についての理由を述べていく》
2011.7.21 17:36 (3/3ページ)
「女性鑑定医は、頸部圧迫を3分以上続けないと、死には至らないと証言している。気管など首を絞めるとリンゼイさんが死ぬということは、市橋被告は十分認識できたと考えられる」
「市橋被告は『大声を出しながら逃げるリンゼイさんを止めようとした』『感覚的には1分間』などと供述している。しかし、女性鑑定医によると、そのようなことでは窒息死には至らない」
《堀田裁判長は、市橋被告の供述は信用できないとした上で、リンゼイさんの首の輪状軟骨が折れていたことなどから、相当程度の強い力が3分間以上掛かっていたとされると付け加え、こう結論づけた》
裁判長「少なくとも3分以上、市橋被告には明確な殺意があったと認定される」
《続いて、堀田裁判長は市橋被告のリンゼイさん殺害の動機について説明していく》
裁判長「市橋被告はリンゼイさんを強姦し、拘束して相当の時間とどめておいた。そして、強姦が発覚しないよう、対応に窮していた。そういう時に、リンゼイさんが大声をあげて逃げ出そうとしたことで、他の住人にばれるのではないかと考えた市橋被告には殺害の動機があった」
《リンゼイさんの父、ウィリアムさんは市橋被告をにらみつけている。市橋被告は正面を向いたままだ》
【英国女性殺害 市橋被告判決(4)完】再び土下座しようとするも…鬼の形相で父、リンゼイさんの写真向け続ける - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110721/trl11072117550006-n1.htm
2011.7.21 17:54 (1/4ページ)
(15:45~16:05)
《平成19年3月に英国人英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=が殺害された事件で、殺人と強姦(ごうかん)致死、死体遺棄の罪に問われた無職、市橋達也被告(32)の裁判員裁判の判決公判。堀田真哉裁判長が裁判所が認定した事実について読み上げを続けている》
裁判長「被告人は救急車を呼んでおらず、死亡を受け入れていたと考えられる。(リンゼイさんの)目の焦点が合っていないことから心臓マッサージや人工呼吸をしたというが、肋骨(ろっこつ)は折れておらず、救命に資するような行為とはいえない」
《これまでの公判で、弁護側は「肋骨が折れるほどの強い心臓マッサージは専門家にしかできない」と反論していたが、裁判所はこの主張を退けた》
裁判長「さらに救急車を呼んでおらず、心臓マッサージをしていたとしても、殺意がなかったとはいえない。頸部(けいぶ)圧迫時に殺意があったと認めることができる」
《続いて堀田裁判長は、検察側と弁護側の間で争点となっていた強姦致死罪の適用について説明を続ける。検察側は強姦から、リンゼイさんが死亡するまでに時間差があったとしても、強姦致死罪が成立すると訴えてきた》
2011.7.21 17:54 (2/4ページ)
裁判長「被告は19年3月25日午前9時45分過ぎに(市橋被告の自宅マンションに)リンゼイさんが入室後間もなく強姦した。発覚を恐れ、結束バンドで拘束し、4畳半の室内に置いた浴槽に入れた。翌26日午前2時か3時ごろ、リンゼイさんが逃げようとしたため頸部を圧迫した」
「犯行の発覚を恐れて頸部を圧迫しており、強姦してから時間が経過している。強姦致死罪は成立せず、強姦罪が成立することになる」
《この争点については、弁護側の主張が認められた》
裁判長「本件では、証人や通訳の費用は被告人に負担させない。本件で、リンゼイさんは強姦され、人格を踏みにじられており、結果が重いということは言うに及ばない。22歳でさまざまな可能性があった。無念や苦しさは計り知れない」
「傷は無残で暴行の激しさを物語っている。両足を結束して土の中に埋めており、人格に対する敬意は感じられない」
《検察側は公判で、リンゼイさんの遺体を発見した警察官の供述調書を朗読。浴室の浴槽が外れていることに気付いた刑事らはベランダで浴槽を見つけたといい、供述調書によると「浴槽に詰まっていた土を軽くなでると、白い肌色の皮膚が見えた」という》
裁判長「犯行態様は悪質。性欲を満たすために強姦し、発覚を恐れて殺害し、遺体を遺棄した。身勝手きわまりない」
2011.7.21 17:54 (3/4ページ)
《通訳の女性が抑揚をつけて感情を込めて、堀田裁判長の読み上げを通訳する。リンゼイさんの母、ジュリアさんは父、ウィリアムさんの手をしっかりと握った》
裁判長「被告は本件後、2年7カ月にわたって逃亡し、リンゼイさんの両親が来日したことを知っても意に介さず、整形して逃亡を続け、真相解明を妨げた」
《公判では、2年7カ月の逃亡生活で、神戸や大阪の建設会社に偽名で勤務していたことや鼻などに整形手術をしていたことが明らかになっている。だが、公判上の争点となっておらず、細かな逃亡の経緯が最後まで明らかになることはなかった》
裁判長「犯行後の様態も悪質で、遺族の悲嘆は言い表すことができず、峻烈な処罰感情がある」
《堀田裁判長は遺族感情について言及し、市橋被告の態度を糾弾していく》
裁判長「(市橋被告は)公判前整理手続きでも、客観的事実に反する不自然な供述をしている。本件に向き合おうとしていないと言わざるを得ず、真摯(しんし)な反省は感じられない」
《市橋被告は初公判で、入廷直後にリンゼイさんの両親に向かっていきなり土下座している。裁判所にはこのような態度も“謝罪”とは映らなかったようだ》
2011.7.21 17:54 (4/4ページ)
裁判長「被害弁償に逃亡生活を記した手記の利益を充てるなど、リンゼイさんの遺族に対する心情の配慮はない。刑事責任は非常に重いと言わざるを得ない」
《堀田裁判長は、市橋被告に前科がないことや、32歳という若さで更生可能性が残されていることなど有利な情状についても説明した》
裁判長「犯行態様は被害者に肉体的にも精神的にも苦痛を与えるなど悪質で、動機も身勝手だ。ただ、計画性はなく、殺意も極めて強固といえず、無期懲役が相当である」
《被害者参加人として参加したリンゼイさんの両親は公判で、「法律上許される最高刑で処罰してほしい」と訴えていた。堀田裁判長はこの点について「心情は当然といえる」と一定の理解を示した》
《午後4時過ぎ、堀田裁判長が閉廷を告げた。裁判所職員らが退廷を促すが、傍聴人や記者らは市橋被告の様子を見つめている》
《証言台から立った市橋被告は、突然倒れ込もうとしたが、周囲の職員がそれを許さない。土下座しようとしたのだろうか》
《ウィリアムさんは、スーツの胸ポケットからリンゼイさんの写真を取り出し、市橋被告に鬼の形相で向け続けた》
《市橋被告は職員らに抱え込まれたまま、弱々しい足取りで法廷を後にした》
《市橋被告の退廷後、ウィリアムさんはジュリアさんの胸元に顔を埋めた。顔を紅潮させ、泣いているようだった》
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Category:市橋達也の法廷ライブ
市橋達也の判決公判を前に思うこと。
2011/07/21/(Thu) 11:32
リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件のキーマン、市橋達也の裁判は、ダッシュで駆け抜けるように初公判から第六回まで終え、今日判決公判が開かれる。市橋は死体遺棄容疑を認め、姦淫したことを認め、リンゼイさんの死についての責任を認めた。検察側が主張する殺人と強姦致死は否認し、弁護団が主張する傷害致死と強姦は認めるという有罪が確定的な展開になった。市橋達也を逮捕収監後から包囲する弁護団は公判前整理手続で検死報告書や死体検案書を再鑑定したのではなかったか。教授のブログでも50万円費用がかかったと報告されているではないか。公判で議題に上がらなかったことからも証拠として取り下げたのだろう。再鑑定の結果は、実は市橋のリンゼイさん殺害を否定するものであり、市橋が無罪を主張すれば立派な根拠にもなりうるものだ。この極めて重要な証拠を弁護団自らが取り下げたことはどういうことか。
勝木諒を思い出した。勝木諒の無罪を示す証拠を握りつぶし、主任弁護人まで辞任させ、有罪に持ち込んだ時の弁護団の動きと、市橋の犯罪を否定する再鑑定の結果を証拠として取り下げた市橋達也の弁護団の動きは見事に合致する。考えてみれば、両方共同じ検事が担当している。弁護団をも懐柔し冤罪が発覚する芽を摘んでいくやり方がそっくりではないか。
今日の判決公判では、市橋は丸刈りで現れるはずだ。長髪のままだったら疑ったほうがいい。
有罪が確定的な展開になり、刑に服する覚悟でいるならば、長髪でいる必要性は全くないし、丸刈りに出来るなら望んでするだろう。懲役に服せば当然丸刈りは強制される。夏の暑い盛りである。長髪のままでいることは市橋にとって全く合理的ではない。市橋は長髪か。丸坊主か。判決の内容よりも当方が注目する部分である。
もし市橋が長髪のままであったら裁判員は前髪を掻き上げさせて市橋がどこを整形したのか確認するべきだ。背格好が似ている他人は結構いる。目の前にいる被告人が本当に市橋達也なのか確認するべきである。
当方は初公判から第六回に到るまでを見て、壮大な茶番劇を見せられているような気がしてならなかった。初公判ではのっけから土下座してみせ、被告人質問でも市橋達也は声を震わせながら、時折鼻をすすり時折涙を見せて答えてゆく。市橋達也は役者志望だったとかは無いのか?リンゼイさん遺族も、みんな役者じゃないか?と。
市橋は、前髪で目元を隠すように、少し頭を垂れて俯きがちに座り、ジッとしたまま微動だにしない。手錠を外され両手の自由がきくのに髪を掻き上げる仕草も見せない。明らかに意図して動かないでいるのである。
今一度、事件当時駐日英大使であったグレアム・フライ氏が07年4月1日(エイプリルフール)にリンゼイさんの父親のメッセージを代読した意味を考えてみる。イギリスでは、4月1日(エイプリルフール)は嘘をついても良いのは正午迄に限るという風習がある。グレアム・フライ氏が記者会見を開いたのは午前中である。
すべてが嘘なのか。
市橋達也は被告人質問の弁護側質問では台本を読み上げるように答え、検察側質問では何回も質問を聞き直したり応えられないこともあった。事件の真相と、リンゼイさんにも落ち度はあったと思えるような一切を封印して墓場に持っていく覚悟でいるのだろう。その覚悟があるのなら、外野が口を出す話ではない。ただし、もう市橋を冤罪視することはできない。
しかしながら、この事件の核心部分は不明瞭なままである。ただ、不明瞭でありながら、
「事件のことは話せない…。私は弱い人間です。事件のことを話すと、自分に有利な方に話をしてしまう。でも、謝罪だけはしたかった。でも、しゃべれない…」
真実を語れない内情もあることが分かった。
《代理人弁護士は室内にあったリンゼイさんの尿斑(尿の跡)にも言及した》
代理人弁護士「尿斑はパンティーやタイツ、スカートなど股間部分に集中してあった。これは服を着たままで失禁して…」
《「異議あり」。ここで、市橋被告の弁護人が大声を上げた。弁護側は公判前整理手続きで、尿斑と強姦の関係性について検察側が立証しないと決定したことを挙げ、尿斑についての意見陳述をやめるよう主張した》
《弁護側は「検察官、いかがですか」などと挑発。検察官が「証拠に入っているでしょ」などと応じたところで、堀田真哉裁判長が「直接議論しないで」と両者をいさめた》
《堀田裁判長は陪席の裁判官らと協議し、「理由がない」として弁護側の主張を退けた。リンゼイさんの母、ジュリアさんが大きくうなずいた。代理人弁護士はこうしたやり取りの後、リンゼイさんがマットレスに寝かされた状態で用を足したと市橋被告が説明している点にに(←ん?なにか?リンゼイさんをイカセた、と言えば良かったのか?)触れた上で、次のように続けた》
代理人弁護士「リンゼイさんは事件後、トイレに行きたいと言って(トイレに)行っている。(市橋被告の説明は)極めて不自然で、つじつま合わせだ」
《代理人弁護士は「これから遺族が考える事件の真相を説明する」と宣言。意見陳述を続けていく》
代理人弁護士「尿斑はパンティーやタイツ、スカートなど股間部分に集中してあった。これは服を着たままで失禁して…」
《「異議あり」。ここで、市橋被告の弁護人が大声を上げた。弁護側は公判前整理手続きで、尿斑と強姦の関係性について検察側が立証しないと決定したことを挙げ、尿斑についての意見陳述をやめるよう主張した》
《弁護側は「検察官、いかがですか」などと挑発。検察官が「証拠に入っているでしょ」などと応じたところで、堀田真哉裁判長が「直接議論しないで」と両者をいさめた》
《堀田裁判長は陪席の裁判官らと協議し、「理由がない」として弁護側の主張を退けた。リンゼイさんの母、ジュリアさんが大きくうなずいた。代理人弁護士はこうしたやり取りの後、リンゼイさんがマットレスに寝かされた状態で用を足したと市橋被告が説明している点にに(←ん?なにか?リンゼイさんをイカセた、と言えば良かったのか?)触れた上で、次のように続けた》
代理人弁護士「リンゼイさんは事件後、トイレに行きたいと言って(トイレに)行っている。(市橋被告の説明は)極めて不自然で、つじつま合わせだ」
《代理人弁護士は「これから遺族が考える事件の真相を説明する」と宣言。意見陳述を続けていく》
これは第六回論告求刑公判での、被害者遺族の代理人弁護人による意見陳述のヒトコマである。面白いことに、ここには検察側と弁護団が共謀している様が映しだされている。コンドームや尿斑は親しい関係の男女の性行為の痕跡に過ぎない。強姦の証拠というのも疑問がある。弁護団は市橋がリンゼイさんとの性交渉自体を認めていることを良い事に無理やり強姦罪を成立させようとした。そこにコンドームや尿斑という間接証拠から強姦致死、及び殺人を立証しようと捜査側の意図が合致したのだろう、『尿斑と強姦の関係性』には公判前整理手続で触れない約束になっていたようだ。
この事件を、象徴するようなヒトコマである。
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