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大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第7回 第8回公判

2009/10/21/(Wed) 11:01

大阪個室ビデオ店放火事件の再考察


(関連)
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その1
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その2
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第2回公判 第3回公判
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第4回公判
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第5回公判
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第6回公判



【個室ビデオ店放火】被告の供述調書を採用
2009.10.9 12:59
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091009/trl0910091302006-n1.htm

 大阪市浪速区の個室ビデオ店に放火し、16人を死亡させたとして殺人と放火などの罪に問われた小川和弘被告(47)の第7回公判が9日、大阪地裁で開かれ、秋山敬裁判長は、小川被告が放火を認めた供述調書など14通について、「任意性がある」として証拠採用した。
 小川被告は逮捕直後に放火を認めたが、その後否認に転じた。公判で検察側は、小川被告が警察と検察の取り調べで放火を自供するなどした供述調書を証拠として申請。弁護側は「任意性がない」として、採用しないよう求めていた。


【個室ビデオ店放火】遺族、涙で陳述「極刑を」 午後に厳刑求刑へ
2009.10.15 12:01
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091015/trl0910151202004-n1.htm

 大阪市浪速区の個室ビデオ店に放火し、16人を死亡させたとして殺人と放火などの罪に問われた小川和弘被告(47)の論告求刑公判が15日、大阪地裁(秋山敬裁判長)で開かれた。検察側は、店が火事になれば多数の人が死傷することを認識していたにもかかわらず放火したと主張し、午後に厳刑を求刑する見通し。弁護側は無罪を主張する方針。
 この日は論告求刑に先立って犠牲者3人の遺族が意見陳述。山岡功治さん=当時(32)=の母親は「息子は早朝の仕事に出かけるため、私の血圧が高いことを気遣って(前夜に家を出て)キャッツに行った。優しさがあだになった」と涙ながらに語り、小川被告に「被害者が納得できるよう説明する責任がある。極刑を望みます」と訴えた。
 また、平川隼人さん=当時(31)=の母親も泣きながら「私は息子を殺されるために生んだのではない。いいようのない寂しさ、悔しさ。死刑以外考えられない」。青木孝仁さん=当時(36)=の弟は「言い逃れようとしても真実からは逃げられない。罪を認めて謝罪してください」と訴えた。
 小川被告は当初放火を認めていたが、起訴直前に否認に転じた。これまでの公判では「(火を付けたとされる)キャリーバッグを部屋に持ち込んでいない」と放火を否認。ただ、失火の可能性は否定せず、「たばこの火で死刑になるんなら死刑でいい。自分の火で亡くなっているなら責任はある」などと述べた。
 起訴状によると、小川被告は昨年10月1日午前2時55分ごろ、大阪市浪速区難波中の個室ビデオ店の個室で自殺しようとキャリーバッグに放火。客16人を一酸化炭素中毒で死亡させるなどしたとされる。


【個室ビデオ店放火】小川被告に死刑を求刑 弁護側は無罪主張へ
2009.10.15 15:52
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091015/trl0910151553010-n1.htm

 大阪市浪速区の個室ビデオ店に放火し、16人を死亡させたとして殺人と放火などの罪に問われた小川和弘被告(47)の論告求刑公判が15日、大阪地裁(秋山敬裁判長)で開かれた。検察側は「何ら酌量できない動機で、真摯な謝罪もない。遺族の多くも明確に極刑を求めている」などとして、死刑を求刑した。弁護側は最終弁論で無罪を主張する方針。
 起訴状によると、小川被告は昨年10月1日午前2時55分ごろ、大阪市浪速区難波中の個室ビデオ店の個室で自殺しようとキャリーバッグに放火。客16人を一酸化炭素中毒で死亡させるなどしたとされる。


【個室ビデオ店放火】論告の要旨 「被告には反省の態度も謝罪の念も認められない」
2009.10.15 20:35
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091015/trl0910152036020-n1.htm

■ 事実関係

 ▽被告が火災の原因となる放火を行った
 出火元は18号室。9号室は最も焼損が激しいが、400件以上出火原因を調査した府警科捜研職員の証言により、18号室から吹き出た炎が燃え広がったことは明らかである。キャリーバッグの上部から出火したという目撃者や店員の証言は、現場の状況と合致する。

 ▽放火と殺害の故意
 被告は店舗の構造や自分以外に利用客がいることを認識していた。室内から物音や異変に気づきにくく、深夜で避難が困難になることは認識できた。火災発生を告げようとせず、救助のそぶりも見せなかった。

 ▽自白の任意性・信用性
 被告は当初「僕と一緒に死ぬ人ごめんなさいと思った」などと具体的に当時の心境を吐露した。取り調べを録音録画したDVDにある被告と検察官のやりとりは、通常の会話のようで、平素の取り調べも任意性は疑われない。公判供述では放火を否認し「自白は空想で話した」などと弁解しているが、不合理な内容に満ち、信用に値しない。
情状関係

 ▽犯行の動機
 被告は自暴自棄に陥り自殺を決意した。遊興にふけって資産を散財し、借金を重ねた。自業自得である。周囲に被害や危険が及ぶことが明らかな方法を安易に選んでおり、自己中心的な思考の極みと言うべき動機に酌量の余地は全くない。

 ▽結果の重大性など
 16人を死亡させ、多数の関係者を死の恐怖に直面させたという結果はきわめて重大。被害者はいわば通り魔的な被害に遭ったと言うべきで、何ら落ち度はない。呼吸困難と戦いながら必死で出口を探し、絶望感の中で力尽きており、苦痛は想像を絶する。

 ▽処罰感情
 遺族らの極めて峻烈な処罰感情は至極もっともなことと思科され、厳粛に受け止める必要がある。被告には反省の態度も謝罪の念も認められない。公判では重大な結果を直視する態度は全くみられず、逆に責任転嫁もはなはだしい挑戦的な供述をし、身を切られるような遺族の痛みに耳を傾けず、人間性のかけらもうかがわせなかった。

■求刑
 被告には死刑が相当である。


【個室ビデオ店放火】「放火行為は行っていない」 最終弁論の要旨
2009.10.15 20:17
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091015/trl0910152018019-n1.htm

◆ 公訴事実について
 被告は放火行為は行っていない。18号室でたばこを吸い、うとうとして眠りこんだ。被告はたばこの不始末が火災の原因であれば、生じた結果について責任を取る覚悟を持っている。
 しかし、本件は失火ではなく、放火の責任を問うもの。検察官もたばこの不始末では火災は発生しないと主張・立証している。

◆ 火元は18号室ではない疑い
 18号室を火元とする客観的証拠はない。一番激しく燃えているのは9号室で、炎の立ち上がり痕跡があり、天井が崩落している。天井崩落は、9号室の燃焼開始が18号室より早いと考えないと矛盾する。発見者がいないのは、天井裏から燃えていたとも考えられる。

◆ 府警科捜研職員の証言の信用性
 職員は、公判では焼け跡から炎の流れを推測して火元を特定する手法で18号室としたが、公判前は焼損状況の激しさを基準に18号室としていた。専門職でありながら、火元を18号室とする捜査方針に迎合的というほかなく、信用できない。

◆ 客や店員の証言の信用性
 第一発見者は、9号室の客であるとうその供述をしていた。9号室は一番焼損が激しく火元と考えられ、9号室の使用者が犯人の可能性がある。第一発見者と9号室の客は友達で、犯人グループの可能性もある。
 店員らは、被告が放火したことにすれば自らが消火活動や救護活動を怠ったことの責任転嫁を図れる関係にあり、被告の放火を肯定する供述に信用性はない。

◆ 動機と殺意
 被告は生きるのが嫌という気持ちはあったが自殺する状況にない。部屋の狭さや共同トイレでの出来事を動機とするのは無理がある。被告は延焼の危険性、客の状況、避難の難易、一酸化炭素中毒による死亡の可能性を認識しておらず、他の客を巻き込んでまで自殺する理由は考えられない。

◆ 自白の信用性・任意性
 自白調書は多いが、被告人しか知り得ない秘密の暴露は供述されていない。刑事や検事の指示や示唆に沿うもので事実ではない。自白は当初の警察官による偽計・威迫による影響が払拭(ふっしょく)されておらず、任意性に疑いがあるものとして証拠排除されるべきである。


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Tag:大阪個室ビデオ店放火事件 冤罪 公判記録 

Category:大阪個室ビデオ店放火事件の再考察

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大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第6回公判

2009/10/21/(Wed) 11:00

大阪個室ビデオ店放火事件の再考察


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【個室ビデオ店放火殺人第6回公判詳報(1)】取り調べDVD上映 「火事になるような所に、たばこはない」(10:00~10:14)
2009.10.1 13:26
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091001/trl0910011329009-n1.htm

 大阪市浪速区の個室ビデオ店に放火し、16人を死亡させたとして殺人と放火などの罪に問われた小川和弘被告(47)の第6回公判が1日午前10時、大阪地裁(秋山敬裁判長)で始まった。この日は検察官の取り調べ状況を撮影したDVDが法廷で再生された。
 《小川被告はちょうど1年前の平成20年10月1日未明、個室ビデオ店に放火したとして逮捕された。直後は放火を認めていたが、18日から供述が揺れ初め、20日に完全否認に転じたとされる。DVDは21日に撮影されたものだ。公判では供述の任意性が焦点となっており、DVDは重要な証拠として検察側、弁護側双方が証拠申請した》
 裁判長「予定通り、DVDの取り調べを行います。被告は前に座って画面を見てください」
 《小川被告が証言台に座った》
 裁判長「10月21日に大阪地検で、午後3時39分から4時48分までの録音録画状況です」
 弁護人「大型画面には…」
 裁判長「映さないと公判前整理手続きで確認させていただきました」
 弁護人「公開の法廷ですので、傍聴人に見えない状態での取り調べには異議があります。違法です」
 検察官「全く理由がない。弁護人の了解も得て話し合って決めたことです」
 裁判長「この事件では、公判前整理手続きで決めたのでそうします。音声は法廷に流れます」
 《裁判官や検察官、弁護人、小川被告の卓上の小型モニターには映像が映し出されているようだ。傍聴席には音声だけが響いた》
検察官「それでは、これから録音を始めます」
 被告「はい」
 検察官「まず、あなたの今の立場について確認しておきますね。あなたは10月1日の午前2時55分ごろ、ビデオDVD試写室キャッツ難波店に放火して、お客さんを死亡させたり、けがさせるなどした、現住建造物等放火、殺人、殺人未遂の事実で、その日の午後2時34分に逮捕されて、その後10月3日に勾留されて、今日で勾留の19日目ということになるね」
 被告「はい」
 検察官「逮捕されてから、警察や検察庁で取り調べを受けて、事件のことをいろいろ話して、その内容を調書に取られたり、あなた自身で紙に書いてくれたり、図面を描いてくれたりしてくれていますね」
 被告「はい」
 検察官「弁護士さんが最初にあなたに接見した日にちは覚えてる?逮捕されたその日やったかね?10月1日」
 被告「1日か2日でしたかね」
 検察官「その後、弁護士さんはちゃんと接見に来てくれてる?」
 被告「はい」
 検察官「毎日?」
 被告「来いひんかったんは、5日だけ来てないんちゃうかな」
 検察官「最近どれくらいの時間、接見?」
 被告「昨日なんか長かったですね。6時半から8時ぐらいまで」
 《検察官は、弁護士の接見をほぼ毎日受けた上で取り調べに応じていたことを確認した。ここから本題に入るようだ》
 検察官「で、あなたの言い分を今から言ってもらうから、どういうことが起きたか説明してもらえる?」
 被告「はい」
 検察官「一応、自分の言葉で説明してみて」
 被告「キャッツ難波店ていう試写室は行くこと分かっとったけど、名前も知りませんでした。入ってから、もうしんどかったんで、先生のバッグも渡して、自分はビデオ1本だけポーン取って、お金払って、18号室に向かってます。先生、お先失礼します言うて」
 検察官「18号室に、先生のキャリーバッグは持っていかへんかってんな」
 被告「記憶では持って行ってません」
 《小川被告はまず、火を付けたとされるキャリーバッグを部屋には持ち込んでいないと主張した》
 検察官「18号室入って、どうした?」
 被告「まず、たばこに火付けて。暑いから、クーラーのリモコン、暖房から冷房に切り替えんのに5分ぐらいかかったな。最強に冷たいとこまで下げました」
 検察官「部屋に入って、一応DVD観たりして、で火を付けたのか、付けてないのかというとこになるんやけども、あなたの記憶としては今はどんな感じ?」
 被告「記憶ですか、火は付けてません」
 検察官「なんか火が出てるというのは分かった?分かってない?」
 被告「分かってません」
 検察官「どういう状況で目が覚めたか覚えてる?」
 被告「たばこを吸いながら、ふーっと寝てしまって、ぱっと起きたら、なんかちょっともやーっと煙があったような感じやけど、まだその時は火事とかそんなんにもなってない状況でした」
 検察官「どこのあたりからもやーっとなってたか分かる?」
 被告「リクライニングシートの左側のスペースのへんですかね」
 検察官「何も置いてないような状況の所?」
 被告「カバンやら、自分の服がありますよ」
 検察官「キャリーバッグじゃなくて、あなたのショルダーバッグのことやな」
 被告「そうです」
 検察官「たばこが落ちてんの、そのあいてる場所に。たばこの吸い殻か何か」
 被告「服のへんにはたばこは行ってないよ」
 検察官「行ってないな、その床やな」
 被告「全然行ってませんよ、火事になるようなところにたばこは行ってないよ」
 《失火の可能性を打ち消すためか、吸い殻のあった場所を何度も強調する小川被告。検察官はうなずき、話を先に進めた》
 検察官「そこで、どんな形でたばこが落ちてたかはみた?」
 被告「はっきりとは覚えてません」
 検察官「昨日、フィルターが落ちてたみたいと言ってたけど、そうなん?」
 被告「でもなんか、燃え尽きたみたいで、でも火事にはまだ至ってなかった」
 検察官「部屋の中にたばこの吸い殻が危ないような場所にあったり、それはなかった?」
 被告「ないです」
 検察官「そしたら、あなたが唯一、失火…」
 被告「そうです、失火です。はい」
 検察官「それは、その燃え尽きたフィルターみたいな物じゃないかと思うと」
 被告「そうです、はい」
 検察官「それ以外には考えられない」
 被告「それ以外には考えられないですね」
 《検察官は小川被告の言い分を否定することなく、淡々と話を進めていった》


【個室ビデオ店放火殺人第6回公判詳報(2)】「自暴自棄になって認めた」(10:14~10:27)
2009.10.1 14:12
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091001/trl0910011414012-n1.htm

 《続いて検察官は、逮捕の経緯について確認していった。小川和弘被告は公判で、警察官の威圧的な取り調べでうその自白をしたと主張している》
 検察官「火事が発生した時刻、何時ぐらいか覚えてる?」
 被告「3時5分は過ぎてるような気はしました」
 検察官「場所はどこにいたか覚えてる?」
 被告「ビデオ店の前。で、何か言い合いしてる」
 検察官「誰と?」
 被告「店員ちゃうかな」
 検察官「どんなこと言い合いしてたか覚えてる?」
 被告「お前、何火つけとんねん、みたいな」
 検察官「あなたはなんて答えたん?」
 被告「すんません、すんませんと言いながら、結局俺何もしらんやんけ、という感じ」
 検察官「その辺の記憶はどんな感じ?はっきりある?それとも、うっすら?」
 被告「うっすらやね」
 《公判で、店員らは小川被告がひたすら謝っていたと証言している。検察官は、浪速署に行った後の取り調べ状況を尋ねていく》
 検察官「警察でずっと取り調べしてたのは○○巡査部長っていう人やねんね」
 被告「はい」
 検察官「最初から?」
 被告「いや、最初はチンピラ刑事」
 検察官「○○さんはあなたにとってはどういう人だった?」
 被告「最初に会うた時は、最後には貫禄のあるやつがでてくるんかなっていう感じで。最初はチンピラにまかしといて。『何足組んどんじゃ、なめとんかい』、そういう感じで言われて」
 検察官「○○さんから言われた?それともチンピラ刑事?」
 被告「チンピラ刑事」
 検察官「で、○○さんはあなたに、暴力はふるったり、あの…」
 被告「暴力は誰もふるってない。こんなん(机をたたく)は何度もされました。『なめてんかい、起きんかい、認めんかい。お前しかおれへんやないかい』」
 《法廷には、小川被告が刑事をまねて机をたたく音が響いた》
 検察官「で、その後は○○さんはずっと取り調べするでしょう。そん時はさ、怒鳴りつけるとかいうのは、もうなかった?」
 被告「なかったね、もう」
 検察官「で、一応あなたが1番最初に自供書みたいなの書いたのは○○さんの時やったんだけれども、これを書けとか言われた?」
 被告「火付けたんは事実やから、認めるしかないとは言われました」
 検察官「あなたとしたら、違うなと思っとったやろ?どうして書いちゃったのかな?」
 被告「自分の部屋から火が出たって聞かされてたから、もうおれのたばこが原因してると思ったから、もう認めな、認めたほうがいいんやなって思いました」
 検察官「そうすると、警察が机たたいたんとかで認めようというよりも、火が出たんやったら認めなあかんなと思って認めたっていうことになんのかな」
 被告「失火でも。たばこでほんまに火事になってんねやったら、ぼくの責任やとは思いました。でも火は付けてません」
 検察官「火は付けてないっていう…」
 被告「バッグ開けて、ティッシュ丸めて、それに火を付けて、服に燃え移らせて、そういう行為は一切していません。それは約束します。信じてください」
 検察官「あと、あなたが認めちゃう供述がたくさんあるんだけど、どういう気持ちで話してしまった?」
 被告「まあ一種は、自暴自棄にもなったし、『自分が認めて死刑になったら、おれさえ死んだら事件解決するんであれば、別にそれでもええわ、取り調べもしんどいわ』。そういう風に思いました。でもよく考えたら、自殺なんか嘘で言うてるし、その日は人生バラ色やったから、ほんまは」
《弁護人は、警察官の違法な取り調べで自白したことを立証するとして、このDVDを証拠申請している。問答は、まさにその部分にさしかかった》
 検察官「警察に脅されたから書かなあかんとか」
 被告「そうです」
 検察官「うん?そうなの?」
 被告「いやいや。警察に脅された」
 検察官「から、書かなあかんとかではなくて、」
 被告「○○刑事から『火を付けたんは事実やから、認めなあかんことは認めなあかんで』って言われたから、認めざるをえんかったという状況ですね。自分から素直に認めようとは思いませんでしたよ」
 《自供は本意ではなかったと強調する小川被告。検察官は、自分の考えで自供したのではないかと質問した》
 検察官「要するに、自分がやっぱり悪いことしてもたなと思って認めたっていうことなんかね?」
 被告「自分の失火で火事になってんねやったらね。16人も死んでるんやからね。それで死刑になるなら、それで仕方ない」
 《ここで検察官は、小川被告が逮捕前に自筆で書いた自供書の任意性を確認していった》
 検察官「○○さんはむちゃくちゃのことは言わへんかった人やな?」
 被告「この時は正直怖かったです」
 検察官「どんな風に?」
 被告「正直に書けって言われました。無理矢理書かされました」
 検察官「手、持って書かされた?」
 被告「持ってないけど」
 検察官「文言は」
 被告「よくは覚えてないけど、こういうような言葉を並べられて、書かされたような気がします」
 検察官「そういう気がする?うーん」
 《小川被告は自分の言葉ではなかったと強調した》
 検察官「警察で逮捕するって言われたでしょう。これ、逮捕直後に言い分を取ってるものやねんけどな。『逮捕事実について、事実の通り、間違いありません』って書いてるんだけど、当時はこうしゃべったことで間違いないんかな?」
 被告「このときはそう言いましたね」
 検察官「それは何で言うたんかな?」
 被告「自分の責任やって自分を追いつめたんやろうね。それしかないですね。僕が言うてるんであれば」
 検察官「別に警察にこう言いなさいって言われたわけではないねんな?」
 被告「うん」
 《2人の攻防は続く》


【個室ビデオ店放火殺人第6回公判詳報(3)】「検事さんは押しつけてません」(10:27~10:50)
2009.10.1 14:16
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091001/trl0910011418013-n1.htm

 《検察官本人による取り調べ状況の確認に移っていった》
 検察官「で、その翌日、初めて私と検察庁で会ったんやね。『たくさんのマスコミの人がいて、フラッシュ浴びて、自分のやったことが怖くなった』って言って、『新聞の1面、事件のこと大きく載るんちゃうかなー』とか。『娘さんや息子さん、どう思ってるんやろ』とか、心境を語ってくれたんやんか、それは覚えてる?」
 被告「なんとなく」
 検察官「次の日かな、裁判所に行ったんやな?10月3日に裁判官からまた弁解を聴かれたんやな」
 被告「はい」
 検察官「ここにも『事実は間違いありません。これほどたくさんの人が店の中にいるとは思いませんでしたが、私がやったことは違いないので、責任を果たそうと思っています』って言ったんよな?署名は間違いない?」
 被告「そうですね」
 検察官「うん。その後なんだけどさ」
 被告「失火で、失火による火事であり、放火のあれで認めたわけではないと訂正してください」
 検察官「うんうん。その時は裁判官には言わへんかった?」
 被告「言うてないと思います。だから訂正してください」
 検察官「どういう気持ちやったから言われへんかったんやろ」
 被告「自暴自棄になっとったな。でも今はもう、そうじゃない。僕のこと、信用してくれる人のために生きたい。だから正直に言う気になった。やっぱ正直に言わな、裁判なったときに言い訳できひんと」
 《小川被告は何度も、「訂正してほしい」と検察官に訴え始めた》
 《ここで検察官は、小川被告が罪を認めた調書を一つ一つ、小川被告に見せていった。任意性の確認をするようだ》
 検察官「署名は間違いなかったな?」
 被告「はい」
 検察官「あなたがしゃべってもいないのに、私が勝手にビャーって打ったり、全然違う内容ができたってことはなかったよね」
 被告「そうですね」
 検察官「内容確認してもらって『間違いないよね』って言って、署名してもらってたよな?暴力ふるうとか脅すとか、そんなことは1回もなかったよね」
 被告「はい」
 《ここで裁判長は、小型モニターを見つめる小川被告の表情をじっと見つめた》
 検察官「『こういうことを言ったら有利になるよ』とか、『不利になるよ』とか言ったことはあった?」
 被告「『死刑になるかもわかれへん』って言いましたよね」
 検察官「それは裁判官が決めることって言ったな」
 被告「はい」
 検察官「『事実をしゃべって』って言い続けたな。それは間違いないよな」
 被告「まず16人も死んでるから、なんぼ失火でも釈放はないやろうと」
 検察官「そういう言い方した?弁護士さんにこうやって言われましたって言うてきたんちゃうかった?」
 被告「うん。ま、検事さんはそれは言うてないな」
 《検察官は、誘導や脅迫による自供ではないことをゆっくりと確認していった》
 検察官「『うそつかんといてな』って、『私にわざといいように言ったりとかせんでや』って、ずっと注意してきたん覚えてる?」
 被告「はい」
 検察官「『黙秘権あるから』っていつも言うてたな。それから、『警察と検察庁はちゃうから、刑事さんに言うたからって検事さんに一緒のこと言わなあかんてもんちゃうで』って」
 被告「はい」
 《素直に認める小川被告。だが、放火を認めた内容に話が及ぶと声が大きくなった》
 被告「付け加えときますわ。もし(個室ビデオ店内の)ビデオカメラで映っとったら、それは誰かが、偽カバン。俺に見せかけたようなやつを映してる可能性もあるんちゃうか」
 検察官「19日までは、放火したって言い続けてしもたやんか」
 被告「そうですね。後悔しています」
 検察官「なんで、こういう風に言っちゃった?」
 被告「自暴自棄になってましたね」
 検察官「弁護士さん1日だけ除いて、毎日接見来てはったやんか。その時に、やってないことをやってると言ったらあかんよみたいなこと言ってはったでしょ」
 被告「その時は正直言うたら、刑事さんとか検事さんのこと信用しとって、弁護士さんのこと、あんまり信用してなかった」
 検察官「10月13日、『おれと一緒に死んでごめんねと思いながら火を付けました』って言って」
 被告「訂正してください。こんな気持ちはサラサラないです」
 検察官「そん時は、こういう風に説明してくれたんやったね」
 被告「説明はしたけど、人を巻き込む気は全くないから。訂正してください。『午前3時ごろ、火を付けて死のうと思いました。店に入った人には申し訳ないことをしました。私は謝ることしかできない』。これも訂正してください」
 検察官「これも違うの?」
 被告「火を付けて死のうなんて思ってないから」
 検察官「この後ろは?」
 被告「死んだ人に対しては、私は謝るいうことしかできひんからね。それは事実やね」
 検察官「事実と事実でないのが入ってるということやな」
 被告「そうですよね。ぼくの部屋から火が出て死んでるんであれば、ぼくの責任ですよね。それは認めな仕方ない。そのことにかんしては本当にすみませんでした。それは認めます」
 《検察官はひたすら、言い分を聞いていく》
 検察官「もう1個、『ぼくに巻き込まれて死ぬ人ごめんなさいと思った』と」
 被告「訂正してください。巻き込む気なんかサラサラないです」
 検察官「こん時さ、あなた『0・1%ぐらい、そんな風に思いました』って」
 被告「0・1%もないです」
 検察官「うん。違うねんな」
 被告「僕は死ぬんやったら1人で死にます。でも死ねないです。まだ使命終わってないから、神様が死なしてくれないです」
 検察官「私が押しつけたわけじゃなかったな」
 被告「検事さんは押しつけてません。でもたまたま自暴自棄も入ってたし、こういう風に言うたけど、今は違います」
 《小川被告は、自供が検事の押しつけではないと明言した。検察官の質問はいよいよ、小川被告が否認に転じる経緯に移った》


【個室ビデオ店放火殺人事件第6回公判詳報(4)】「正直、死にたくないです。いきたいです」(10:50~11:50)
2009.10.1 14:25
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091001/trl0910011428014-n1.htm

 《逮捕から18日目、小川被告は否認と自白の間で揺れ始める。このときの心境を記した調書について、検察官は確認していく》
 検察官「10月18日付と19日付の調書の時にさ、死刑になること怖いとか、いろんなこと話してくれたやんか」
 被告「正直、死にたくないです。息子のためにも生きたいです」
 検察官「『死刑になりたくないから弁護士さんにうその話してしまいました。昨日の夜はへこみましたわー。眠れませんでしてん』って言ったの覚えてる?」
 被告「もう1回言ってください」
 検察官「『認めたくないっていう時と、認めなあかんっていう時と、すごい心が揺れるんですよ』って話してくれたやんか?」
 被告「でも、揺れ動くじゃないです。自分は火は付けてません。死ぬんなら、とっとと1人でどっか行って死にます。だから訂正してください」
 検察官「こういう風に言ったのは事実やねんな」
 被告「言ったのは事実やけど、そんな気持ちないです。訂正してください」
 検察官「『弁護士さんに接見したときに火を付けてませんって言って、キャリーバッグも18号室に持ち込んでないって言ったんです。だけどこれは死刑になるのが怖いから、嘘言ったんですよ』って私に言って。私が『記憶にある通り話してねって、話作らんといてねって必ず注意してきたよね』って言って、『火付けたん事実なん?』言うて、あなた『間違いありません』って言うたやん」
 被告「訂正してください」
 検察官「うん。こん時は言うてしもてんな?」
 被告「言うてしまってます」
 検察官「『たばこの不始末で火が付いたわけじゃないの』って確認したら、『違います』って」
 被告「訂正してください。たばこの火しかございません」
 《小川被告は、調書の通りに語ったことは認めつつ、訂正を求め続けた》
 検察官「『なんで事実話そうと思ったん』って聴いたら『自分に正直でありたいんです。罪や過ちを犯す人の良い手本になりたい。息子がぼくよりも良い人間になってほしいからです』って言ったのは間違いない?」
 被告「訂正します。これはすべて、すべて、罪を犯す人のためにも、ほんまにやってないことやったら、やってないて言わなあかん。信じてくれる人がいれば、最後は正義が勝つと思っています」
 検察官「うん」
 被告「私は息子に、息子や私を信用してくれる人のために、火を付けたことは認めたくない。認めません。認めません」
 検察官「認めたくないのと認めませんは…」
 被告「認めません」
 検察官「認めません?」
 被告「火を付けてません。火を付けてません。だから信用してください」
 《検察官は、小川被告の個室ビデオ店に対する認識を尋ねた。動機にかかわる重要な部分だ》
 検察官「個室ビデオ店はどういう場所?」
 被告「女に相手にされへん、お金がない人間が行くとこじゃないですか」
 検察官「初めて行ったんやったっけ」
 被告「嫌いですもん」
 検察官「行く必要ないもんな」
 被告「ぼく、ほんまに何千万円も使ったけど、風俗で使ったお金より、キャバクラで使ったお金の方が多いんですよ。トークする方が好きなんですわ。エッチするより。なんちゅうんやろ、男からも好かれ、女からも好かれ、そういう人間でありたい」
 検察官「こういうとこ行ったのはすごい嫌やったっていうのはあったんやな」
 被告「侮辱、幻滅、失脚。こんなとこ、1人じゃ絶対行かん。屈辱ですわ」
 検察官「このときもこういうこと言ってくれて、『お母ちゃんのこと考えた』とか『お父ちゃん、お母ちゃん、ごめんなとか、さよならとか、いろいろ思った』って言って、『こうやって火付けたんですよ』と説明してくれてんな」
 被告「そういう風に言うのが一番信頼性あるかなと思いました」
 検察官「作った?嘘ついた?」
 被告「嘘つきました。訂正してください」
 《小川被告はまた、訂正を求めた。続いて検察官は完全否認に転じた後の調書の確認をしていった》
 検察官「20日の調書はこれまでと違って『放火なんかしてない、考えられるのは落としたばこだけや』っていう風に言って、あなたが言ってくれるとおりに調書取ったよな」
 被告「その通りです。それが私の真実です」
 検察官「急に気が変わった理由、何かあるの?」
 被告「動機ないもん。巻き込む気もないのに、人を巻き込む気やったとか言えないじゃないですか」
 検察官「でも、私、『事実だけしゃべってや』ってずっと言っただけやんか」
 被告「とにかく、火は付けてません」
 検察官「誰かにそういう風に言いなさいって言われたりした?」
 被告「そういうのはないですけど、もし18号室から火出てんねやったら、たばこの失火しかないですわ。ぼくはそれ以外はもう認めません」
 検察官「もう1回確認するけど」
 被告「息子のため、おれを信じてくれてる人のためにも、おれは火を付けてない。だから、事実だけはわかってもらいたいから。それで結果が悪いんやったら、もう仕方ありません」
 《最後に、検察官は自供が小川被告の意思だったことを確認した》
 検察官「確認するけど、記憶通りしゃべってねって言って、あなたがこうやってしゃべってくれたってのは間違いない事実やな」
 被告「そうやね。でも、嘘の事実を言うたから、訂正してください。私を信じてください。小川和弘という人間を信用してください。よろしくお願いします」
 検察官「これで終了するけど言いたいことある?」
 被告「私の事件で16人が亡くなったことを聴いてます。私がやったとかじゃなくて、私が絡んでるのは事実なんで、謝っても許してもらえないことだと思いますけども、今後こんなことがないように、防火設備、消火器、ちゃんといつでも消せるような状態に、世界中なってもらいたいと思います。死んだ人は生き返ってはこないですけど、私が言えるのは、本当にすいませんでした。許してください。最後に私を信用してください」
 《DVDの再生は約1時間10分で終了した。最後に、DVDの任意性に関する被告人質問が行われた》
 弁護人「初めてDVDを見たと思うけど、言いたいことは言えましたか」
 被告「その当時は言えていたと。傍聴の人には顔とか、頭を下げるのとか見られてないとは思うけど、そういう恥ずかしいことや、プライベートまで(話しているのを)聞かれて、あんまり見たくなかった」
 弁護人「最後に謝っているのはなぜですか」
 被告「失火を認めているから。放火を認めて言ったのではございません」
 検察官「質問に対し、うなずいたり首を振ったりしていましたが、山口検事の話をよく聞いて、理解はできていましたね」
 被告「そうなりますね」
 裁判長「録画された以外の取り調べも、同じ雰囲気で行われましたか」
 被告「ほとんどそうですね」
 裁判長「検察官より声が大きいこともありましたよね」
 被告「自分もやっぱり感情的に(なる)というか」
 《ここで午前の審理は終了した》


【個室ビデオ放火殺人第6回公判詳報(5)】「おれは火をつけていない」(13:10~15:10)
2009.10.1 21:32
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091001/trl0910012134023-n1.htm

 《昼の休廷を挟んで午後1時10分、審理が再開された。まずは取り調べを担当した警察官の証人尋問から》
 検察官「初日の取り調べでの被告人の様子は」
 警察官「多少うなだれているように見えました。うつむき加減で、一見、目を閉じているようでした」
 検察官「取り調べはどう進みましたか」
 警察官「まず、何があったんや、と尋ねました。すると返事がなく、火事について知っているかを尋ねると『分かっています』と答えました。次に、何で火事になったか分かるか聞くと、無言でした。続いて、どこが火事になったのか聞くと『僕の部屋です』と答えました」
 検察官「それから」
 警察官「自分の部屋が火事になったんなら原因はなんや、と聞きました。すると黙っていましたが、やがて『すいません』と答えました。続いて発言を促すと、『死にたかったんです』『火を付けました』と言いました」
 《小川被告が当初から放火を認めていたという証言。小川被告はぼんやりと警察官を眺めている様子だ》
検察官「その後は」
 警察官「自分が火を付けたと言ったので、どうやって火を付けたのか尋ねました。すると『店のティッシュを丸めて、持って入っていたキャリーバッグに置いて、火を付けた』と答えました。その後の状況を聞くと『煙でいっぱいで苦しかった。我慢できず(外に)出たんです』と答えました」
 《警察官はこうした自供を小川被告に自筆させており、法廷のモニターには、5~6行からなる小川被告の自供書が映し出された。「平成20年10月1日 5時20分ごろ」として小川被告の署名がある》
 検察官「引き続き何を聞きましたか」
 警察官「何で火を付けたのか、理由です。1人で行ったのか、誰と行ったのか、何のために行ったのか、ということです」
 検察官「被告人の内心については」
 警察官「聞きました。店に客がおったんか、と聞くと『おったと思います』と答え、何人おったんや、と尋ねると『何人かわからんけど、一緒におった知人がいて、これ以外は分かりません』。客がいっぱい入れる店か、と質問すると『入れます』と答えました」
 警察官「自分がおる部屋で火を付けたら他の人がどうなるか考えたか、と聞くと『考えませんでした。僕は死ぬんですから他の人がどうなってもいいんです』と言いました。『どうなっても』というのはどういうことか、と尋ねると、『けがやけど、死ぬかもしれんけど、どうでもいい。死にたかった』と答えました」
 《小川被告の自供を生々しく語る警察官。小川被告は、やや険しい表情で証人を見つめている》
 検察官「こうした供述は信用できましたか」
 警察官「被告人の顔や服にすすがついていて、何度かトイレに行って顔を洗っているんですけど、吐いた痰(たん)から黒いものが出てきたんです。これはすすを吸っているということなので、『だいぶ苦しいのを我慢したんやな。でも我慢しきれずに(外に)出たんやな』と思いましたから」
 検察官「取り調べが始まって10日目までで、供述の変化はありましたか」
 警察官「ありませんでした」
 検察官「態度は」
 警察官「変わりました。弁護士の話をするようになりました。『弁護士から、わんわんするほど同じことを言われて、しんどいですわ』と。これに対し私は、自分を弁護してくれる人なんやで、と言いました。弁護士からはほかにも『厳しい取り調べを受けるんやろ』『わけの分からんお茶を飲んだから記憶なかったんやろ』と言われている、と自ら言っていました」
検察官「火を付けていない、と言い出したのは」
 警察官「取り調べの最後の方です。また、最後の調べで『言いたいことがあるなら聞くで』と言うと、しばらく黙っていましたが、突然立ち上がりました。そして机を何度も叩きながら、大きな声で、『おれは火を付けていないし、キャリーバッグも持って入っていない。ヤクザ刑事、バカ刑事、チンピラ刑事、俺の方が頭いいんじゃ。証拠あるんやったら出してみい。腹立つやろ。殴ってみろ』と言いました」
 《突然、激高した小川被告を警察官は冷静に受け止め、捜査員としての観察眼を働かせてその姿を見つめていたという》
 警察官「本心とは思いませんでした。見る限り、心に真剣味がないというか、心がこもっていなかった。私は黙って見ていました。すると、だんだんとトーンが下がってきました。『何で殴らへんのですか。何で何も言わへんのですか。何か言うてくださいよ』と」 検察官「それで」
 警察官「私は『今までの調べを振り返ってたんや。俺の調べが悪かったんかな。俺が悪いんかな。(小川被告が)細かく説明してくれたから、俺も頑張って調べしてきたんやけどな』などと言いました。すると最後には『すいませんでした』と言いました」
 検察官「弁護人を信用するな、というような発言をしましたか」
警察官「ありません。それは逆です。本人が『しんどいですわ』と私に言っていましたから」
 《質問者が弁護人に変わる》
 弁護人「前半の取り調べで、失火という弁解はしていましたか」
 警察官「なかったですね」
 弁護人「その後は」
 警察官「(小川被告から)『弁護士にたばこの不始末じゃないかと言われているけど、どうしよう』と言われたくらいです」
 《この後、弁護人は、接見で小川被告から聞いたとする取り調べの状況を確認する》
 弁護人「『呼んでもないのに来る弁護士は信用できない』とアドバイスしましたか」
 警察官「ありません」
 弁護人「『一番信用できるのは私(警察官)、次が検察官』、と言いましたか」
 警察官「言ってません」
 弁護人「接見をした後に、あなたが被告人から話を聞いているのはなぜか」
 警察官「通常の取り調べです」
 弁護人「弁護人の話を聞いていると思うが」
 警察官「そんな目的じゃないです」
 《弁護人の質問が終わり、裁判長が小川被告に質問の有無を確認したが、特になし。裁判官らから数点の質問がなされ、警察官に対する証人尋問は約2時間で終了した》 


【個室ビデオ店放火殺人第6回公判詳報(6完)】被告、立ち上がり取り調べの女性検事に質問(15:25~17:13)
2009.10.1 23:27
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091001/trl0910012328024-n1.htm

 《続いて取り調べを担当した検事の証人尋問に移る。小川和弘被告が「ともちゃん検事」と呼んでいた女性検事だ》
 検察官「被告の最初の様子はどうでしたか」
 検事「容疑事実を読んで聞かせましたが、しばらく黙っていたと思います。この時に被告から『15人も死んだんですか』と聞かれ、『亡くなっているよ』と答えると『15人も死ぬとは思わなかった』と言いました」
 検察官「被告は、自分がいた部屋の状況を覚えていましたか」
 検事「鮮明に覚えていました。まず口頭で聞いて、その後図面で書いてもらいました」
 《法廷内のモニターに、小川被告自筆というキャッツ難波店の個室の図面が示される。テレビやリクライニングソファなどの配置を、きちょうめんに定規で線を引いて記載。また、出火場所も丸を書いて「この辺」と示しているようだ》
 検察官「失火の可能性にいては」
 検事「私から尋ねました。たばこの不始末はないの?と。すると『ありません』と言いました」
 検察官「ほかの客がどうなるかについて、どう話をしていましたか」
 検事「店内の見取り図を書いてもらったときに、当時何をしていたか覚えているか尋ねました。すると『部屋が狭くてしんどいので、うろついた。その時に何人かの客を見ている』と言いました。『おれに巻き込まれる人ごめんね』と言いました」
 検察官「巻き込む意識の有無について、確認はしましたか」
 検事「もちろん、はい。ぼそぼそっと言っていたので、『本当にそう思ったん?』と聞くと『思いました』と答えました。『どれくらい思ったの?』と聞くと『1%くらい』と。『1%って本当?』と続けると『0・1%です』と言いました」
 《小川被告の供述は翌日から揺れ始める。検察官は女性検事に、このときの状況と対応を聴いた》
 検察官「翌日、どんなことがありましたか」
 検事「調べを開始してすぐ、『訂正してください。自分はそんなこと思ってない』と言ってきました」
 検察官「どうしましたか」
 検事「前日に何度も確認したので『どっちがほんまなん』と確認しました。被告はすぐに『すいませんでした』と謝ってきました」
 検察官「それから」
検事「しばらく黙っていたのが『自分は逃げてるなあ』と。弁護士にどういう調書をとられたか話したら、『それは不利になるな、死刑になるかもしれん』と言ってきたんです、と。『自分は死刑になるのが怖くて、死刑になりたくないからうそをついた』と言っていました」
 検察官「気持ちの揺れは調書に取りましたか」
 検事「すべて取っています」
 検察官「確認しましたか」
 検事「再度何%か聴くと、『0・01%。でも本当にあったんです』と説明していました」
 《検察官は、小川被告が否認に転じた日の様子を尋ねた》
 検察官「DVDを撮影する前日の様子はどうでしたか」
 検事「入って来るなり机の上をバンバンたたきながら『失火って言ったら罰金50万円やったやんけ』と怒鳴り出しました」
 検察官「なぜそう言ったのか聞きましたか」
 検事「『弁護士から六法を見せられて、失火だと罰金50万円と書いてある』と。私も六法を見たら、そうなってまして、『あっそうね』と言いました。被告は『罰金50万円で出れるやんけ』と言い続けました」
 検察官「それまでもたばこの失火かどうか確認はしましたか」
 検事「しています。『これまでも何度も聞いていたよね、なのにどうして』と言うと明確な答えは何もなく、怒鳴り散らしている状況でした。『放火の証拠を見せろ』と」
 検察官「あなたはどうしましたか」
 検事「『どっちなの』と言うと、『火を付けてない。キャリーバッグを持ち込んでない』というので調書を取りました」
 検察官「被告の母親の話をしたことはありますか」
 検事「あります。供述にぶれが出た2~3日目の時、『やっぱり本当のことしゃべります。母の戒名と同じ名前なので、検事さんにはうそはつきたくない』という話をしていました」
 検察官「被告が宣誓した場面はありましたか」
 検事「そのときです。『ぼくはともちゃん検事には本当のこと話します、宣誓』と言ってやってました」
 《弁護側は反対尋問で、このことを質問した》
 弁護人「ともちゃん検事と呼ばれていましたか」
 検事「先ほどの1度だけです」
 弁護人「こんななれなれしい話は、普通被告人からは出ないのではないですか」
 検事「そんなことないですよ。検事と被疑者は敵ではありません。こちらは事実を解明するだけです」
 《弁護人は反対尋問が終了し、裁判官が小川被告に「何か聴きたいことはあるか」と尋ねると、小川被告が立ち上がった》
 被告「ともちゃん検事と1回しか言ったことなかったと言われてましたが、手話とかしながら結構コミュニケーションとって、言葉に詰まったら『深呼吸、深呼吸』って言ってくれましたよね。検事さんだから質問にはすごくスラスラ答えてますが、一番気になったのは、楽に死ねるって…」
 裁判長「弁護人、打ち合わせを。質問の趣旨をまとめてください」
 《小川被告の発言は、質問ではなく女性検事に対して思ったことを吐き出したかったようだった。弁護人は被告に何がいいたいのか、小声で尋ねた。本人から質問をするより、弁護人が代理で質問した方がいいと判断したようだ》
 弁護人「私から聞きます。ともちゃん検事と、もっと言っていたと言っていますが」
 検事「私の記憶は1回ですね。目の前にいるわけですから、言わなくていいと思いますが」
 被告「今言われた言葉、煙に巻かれたら楽に死ねると…」
 検事「それはあるでしょ」
 《再び立ち上がり、話そうとする被告。弁護人が制止し、被告に話しかける》
 弁護人「(小声で)あなたの記憶と違うなら、今しかないから聞いてということ。そうでないなら今聞かなくていい」
 被告「(小声で)疑問に思うことはあっても質問的なことは…」
 《弁護人は裁判長に、これ以上質問はないという合図をした》
 裁判長「あなたからの言い分はまた聞きますからね」
 被告「すみません」
 《裁判官からの質問の後、女性検事は退廷した。自白の任意性をめぐる立証はこれで終了し、次回、裁判長が被告の供述調書14通の採否を決定する。午後5時13分、閉廷した》


(関連)
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大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その2
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第2回公判 第3回公判
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大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第5回公判
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エリア51の妄想 現時点での総括

2009/10/21/(Wed) 10:41





現実的な脅威がある。

実はハルマゲドンを起こしたい組織が存在するのである。
軍事大国アメリカを裏で操る闇政府である。


闇政府は管理可能レベルの10億人にまで減らそうとしているのである。
世界の人口をそこまで減らそうとしているのはなぜか。
地球の環境を蝕むのは温室効果ガスではなく。
爆発的な人類の増加であるからだ。
イランを侵略する延長で世界的な核戦争を引き起こす。
ソ連のツァーリ・ボンバは広島に落とされた原爆の3300倍である。
メガトン級の水爆が地球に何個も落とされたら一巻の終わりである。
闇政府は核シェルターの中で統括する。
地下数百メートル地下に下がれば核爆弾の影響を受けない。
数日経ってから地上に這い出て、生き残った人間を奴隷として生け捕る。
新世界秩序。
ニューワールドオーダーの構築である。


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UFOやエイリアンの類の噂、秘密軍事施設、千回近くの核実験・・・
未知なる物への脅威。
超科学的な軍事兵器の開発。
非人道的な人体実験。
虚実織り交ぜ流される噂。
それらは意図的にリークされている可能性がある。


1987年、ユッカマウンテン核廃棄物処理場建設工事が着工する。
MJ-12(マジェスティック・トゥエルブ)エリア51を舞台にした内部リークが表出したのも1987年。
1989年以降、矢追純一が世に送るUFOシリーズは軒並み高視聴率をマークする。
そんな彼がユリ・ゲラーを日本に紹介したことを知る。
超常現象は所詮エンターテイメント。地球外生命体は存在しない。
ユリ・ゲラーのチープなマジックのように、日本人はころっと騙されてしまったようだ。


2009年オバマ政権はユッカマウンテン計画中止を実行した。
同種の処理場は他に用意すると言う。
1987年から22年かけて掘り進められた地下トンネル。
毎日千人以上がラスベガスからネバダの地へジェット旅客機で通勤していた。
それは人類史上最大の土木工事だった。


それを白紙に、なぜ戻したのか。


エリア51では今も厳戒態勢が敷かれている。


エリア51周辺の地下に何かを建設しているのだろうか。


1千メートル地下をシールドマシンで掘り進む。
核廃棄物77000トンが処理できる施設なんて端から作る気はない。
12000㎢の山岳砂漠地帯にある数百の地下核実験跡地をむすんでいく。
ネバダの地下深くの地下帝国。


なぜ地下帝国を作っているのだろう。


フォトンベルトと何か関係がある?


もしかして地球の終焉を予見しているからじゃないのか??


2012年末、フォトンベルトの突入により地上で住み暮らすことができなくなるかもしれない。
恐竜が絶滅したように人類も滅亡してしまうのかもしれない。


例えば氷河期の再来。


エリア51の妄想の果てにそんな結論にたどり着いた。


1987年にフォトンベルトに差し掛かり本格的に突入するのが2012年12月頃。
マヤ暦のロングカレンダーは2012年12月23日で終わっている。
アインシュタインコードはミツバチが消えて四年後に地球は終焉するとしている。
年あたりからミツバチの失踪が問題になっている。その四年後・・・2012年。


では、2012年12月23日にハルマゲドンは訪れる?
基本、懐疑的ではあるのだが、現時点では否定はできない。
2012年12月23日が来れば予言は否定される。
現時点では、その日の到来を待つのみである。


シベリアのツンドラが溶け出した。永久凍土の中からマンモスが発掘された。
胃の中には昨日今日食べたものがそのままだった。
まるで前触れなく一瞬で凍て付いたようだった。


普通の生活を続けている中、マンモスのように一瞬で凍りつくのだろうか。
人類は恐竜と同じ道を辿るのだろうか。
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大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第5回公判

2009/10/21/(Wed) 06:42

大阪個室ビデオ店放火事件の再考察


(関連)
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その1
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その2
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第2回公判 第3回公判
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第4回公判



【個室ビデオ店放火殺人事件第5回公判詳報(1)】「供述は空想」裁判官に訴える被告
2009.9.29 20:40
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090929/trl0909292041019-n1.htm

 大阪市浪速区の個室ビデオ店に放火し、16人を死亡させたとして殺人と放火などの罪に問われた小川和弘被告(47)の第5回公判が29日午前10時、大阪地裁(秋山敬裁判長)で始まった。前日に引き続き、小川被告に対する被告人質問が行われた。
 《小川被告が証言台に着席した。前日の被告人質問ではなぜ小川被告が火災直後に放火を認め、その後否認するに至ったのかが焦点になった。小川被告は無罪を訴えるものの、詳細については供述が揺れ動き、検察官は納得していない。検察官が立ち上がり、反対尋問を始めた》
 検察官「やってもいない放火を最初に認めたのはなんでですか」
 被告「ほんまに死にたいんであれば、カバンじゃなくて自分の体、髪の毛に火を付けることを選択すると思うんですよ。自分の体を痛めつける死に方をすると思います」
 検察官「(事件当日)逮捕する前の午前中、火を付けた事実を認めてましたよね」
 被告「一番初めに認めたのは○○刑事(最後に来た捜査1課の刑事)で、午前5時20分から30分くらいに署名を書けっていわれた記憶があるんです。昨日(公判が)終わってから今日朝来るまでずっと考えてました。今覚えているのは『部屋の中にあったティッシュをいっぱいとって私のキャリーバッグにティッシュを入れて、カバンが赤く燃え上がって煙があがって、怖くなって逃げた』と書いて署名しました」
 検察官「公判前整理手続きでは、○○刑事が出てくる前の刑事に認めた話はしてなかったですか」
 被告「正直言って、あまり話を聞いてなかったです」
 裁判長「今日の記憶はどうなんですか。前と変わってきたんですか」
 検察官「今日の記憶は」
被告「○○刑事です」
 検察官「公判の前は」
 被告「そういわれたら、チンピラ刑事さんに認めたのかもしれないですね」
 弁護人「被告は自発的に認めたという感覚で言っているようにうかがえます」
 裁判長「被告、認めたというのはどういう意味ですか。紙に書いたという意味ですか」
 《小川被告の供述の真意をめぐり、弁護人や裁判長も身を乗り出した》
 被告「最初はチンピラ刑事に机をたたかれ、別の刑事ににらまれ、ボスの○○刑事が出てきてその時点で認めたという意識が強いんです」
 検察官「○○刑事に怒鳴られたりしたんですか」
 被告「そんなんはされてません。目で威圧されてました。体格とか、とにかく無言の会話というやつです」
 《検察官は小川被告が○○刑事の前で自筆で書いたという自供書があまりにも詳細であることに着目したようだ》
 検察官「ティッシュを入れたというのは作り話ですか」
 被告「そうですよ、もちろん」
 検察官「キャリーバッグの中に入れたというのも」
 被告「はい」
 検察官「何でそんな具体的な話をしたんですか」
 被告「とっさに言ってるんじゃないですか。そこまで考えてないというか、自分の思いつきで」
 検察官「煙でいっぱいになったというのも想像で書いたと」
 弁護人「被告は煙を見ていないとは言ってません。霞は見たと言っている」
 裁判長「煙と霞という表現の違いはありますね」
 検察官「煙でいっぱいというのは違うでしょ。煙は想像ですか」
 被告「はい」
 検察官「キャリーバッグの絵を描きましたよね」
 被告「はい」
 《小川被告が取り調べ段階で描いたキャリーバッグの絵が大型モニターに映し出された》
 検察官「これも想像で描いたんですか」
 被告「はい」
 検察官「自殺したかったというのも思いつきですか」
 被告「ほとんど空想で作って話してますね。冷静にね」
 検察官「その場その場で思いつきで話していった」
 被告「はい」
 検察官「自殺の理由について、同じ理由を1週間後にも言ってますね」
 被告「繰り返してるということですか。全くほんまに空想です」
 《小川被告はひたすら、当時の自供は空想の産物だと繰り返した。検察官の尋問は終了し、弁護人による再主尋問が始まった。弁護人は小川被告が誰に対して最初に認めたのかを問いただした。供述のぶれを修正したいようだ》
 弁護人「浪速署で机をたたかれたり怒鳴られたりしても、放火していないと言い続けたの」
 被告「○○刑事が来るまで粘りました。1時間くらいしか否認できてないけど、『してません、してません』って言いました」
 弁護人「警察官に言っても無駄だし怖いし、言わなくなったんじゃないの」
 被告「最終的に自暴自棄になりましたけど、がんばれるまでがんばりましたよ」
 弁護人「○○刑事の段階では」
 被告「白状してますね」
 弁護人「限界に達したのは○○刑事の時なの」
 被告「とにかく前の日一睡もしてなかったので体もしんどかったんです」
 裁判長「正しいことを言えなくなったというのはどの時点で感じましたか」
 《ここで小川被告は堰を切ったように裁判長に“直訴”を始めた》
被告「特定はできないんですけど、全員ににらまれたり決めつけて言われるんで。ほんまに自分は火を付けてないんです。足利事件じゃないけど、こういう立場から逃げるには真犯人が出てくるしかないのかなとか。確かに空想は多いです。揺れ動いてた時間も長いです。おかしいといわれます。(火事で亡くなった)16人、1人も恨んでいないしお店に恨みもないし、一番それを分かってもらいたいんです。今のままでは自分がしめつけられて、どうしたら分かってもらえるのか。一酸化炭素中毒で死ぬって事も、自分では分からないんです」
 裁判長「はい…。言いたいことは言ったと思うので(弁護人に)どうぞ」
 被告「感情的になりましてすみません」
 《弁護人は話を変えた》
 弁護人「空想というけれど、あなたの独創ですか、それとも検事や刑事の影響ですか」
 被告「多少その時の会話によって、空想の話で認めたと思います」
 弁護人「10月1日には『私のキャリーバッグ』、7日には『知人のキャリーバッグ』と変わっているのはどうして」
 被告「ちょっと分かりませんね」
 弁護人「真実はあなたのじゃないわね」
 検察官「解釈の問題で、『私が引いてきたキャリーバッグ』と読めますよ」
 弁護人「自分の考えで替えたんですか。だんだん正確になっているけど、捜査員の影響じゃないんですか」
 裁判長「誰のか、検事や刑事と話しましたか」
 被告「『知人のカバンやなー』と訂正されたと思います」
 弁護人「最初はあなたのものだったんですか」
 被告「その辺の記憶はありません」
 《午前の尋問は終了した。裁判長による被告人質問は、午後の最後に行われる》


【個室ビデオ店放火殺人事件第5回公判詳報(2)】「突然『死にたかったんですわ』と」現場の警官証言
2009.9.29 23:21
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090929/trl0909292325021-n1.htm

 《昼の休廷を挟んで午後1時10分、小川和弘被告が再び入廷した。証人出廷したのは、火事発生直後に小川被告を浪速署に任意同行した警察官。当時は浪速署で火災などを担当する強行犯係の刑事で、火事が起こって約30分後に現場に到着したという》
 検察官「先着の警察官から何か聞きましたか」
 警察官「店員から犯人らしい人がいるといわれたと、地域課の警察官が指さした先に被告がいました」
 検察官「近づいて気づいたことは」
 警察官「顔やランニングが若干すすけていました」
 検察官「何と声をかけましたか」
 警察官「被災者だと思ったので、『浪速署の刑事です。大丈夫ですか。けがないですか』と聞くと『けがはないです』と」
 検察官「それから」
 警察官「『どういう状況ですか』と聞くと、突然『すみません、すみません』と何度も謝り始めました。警察手帳を見て驚き、目を合わせず小刻みに震えていました」
 検察官「あなたはどうしましたか」
 警察官「『どうしたんや』と聞いたと思いますが、『すみません』を繰り返しました」
 検察官「部屋について何か聞きましたか」
 警察官「『自分の部屋が燃えたんか』と聞くと『そうです』と答えたように記憶しています。『お前が火つけたんか』と聞きましたが、明確な答えはできませんでした。はきはき答えていたのが、数十秒黙り込んで下を向きました」
 検察官「その後どうなりました」
 警察官「突然私の顔を見て『死にたかったんですわ』と言いました。理由を聞いたと思いますが、自分が着ていたランニングシャツをまくり上げて『前にも自殺未遂したことがあるんです』と訴えかけるように言ってきました」
 検察官「傷はありましたか」
 警察官「包丁の刺し傷のようなのがあったと記憶しています」
 《警察官は詳しい話を聞くために小川被告を浪速署に任意同行したと述べた。小川被告はこれまでの公判で、浪速署で最初に取り調べを受けた“チンピラ刑事”に机をたたかれるなど威圧されたと訴えている。検察官は浪速署での取り調べ状況についても聞いた》
 検察官「調べ室に入ったのは誰ですか」
 警察官「私と、刑事課の当直責任者の係長と被告です」
 検察官「聞いたのはどんなことですか」
 警察官「火元だと言っていたので『何で火が出たんや』と聞きましたが、明確には返ってきませんでした」
 検察官「火が出たことに対する質問は」
 警察官「『謝ってたけどどういうことか』と聞きましたが、明確な返答はありませんでした」
 検察官「火災の原因についての話は」
 警察官「出ていません」
 検察官「あなたが『お前の部屋から火が出たのは間違いない』と言ったことは」
 警察官「ありません」
 検察官「気をつけていたことはありますか」
 警察官「大きな事件と分かっていたので、捜査1課にきっちり引き継ぐこと。火災事件は放火か失火か分からないので、決めつけず慎重に聞こうと思っていました」
 《弁護人は小川被告のおなかの傷跡を見せて「あなたが見たのはこの傷か」とただしたが、警察官は「答えられない」と答えた》
 《この警察官が小川被告の言う“チンピラ刑事”なのだろうか。裁判長もこの点が気になったようだ》
 裁判長「被告の言い分はありますか」
 弁護人「(小声で)あなたをどなりつけた人じゃないの」
 被告「(小声で弁護人に)こんなにがっちりしてなかったと思います」
 裁判長「被告にはまた後で聞きましょう」


【個室ビデオ店放火殺人事件第5回公判詳報(3完)】裁判官「サイレン聞くまで火事分からない?」
2009.9.29 23:26
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090929/trl0909292327022-n1.htm

 《警察官への尋問が終了し、休廷の後、小川被告の長男が出廷した。弁護側、検察側双方が証人申請している。長男が証言台に座る前、2人の目があうと、小川被告は何かを訴えるようにうなずいた》
 弁護人「お父さんはどんな性格ですか」
 長男「気を強くしているようにも見えますが、内面は気が弱いところもあり、すぐ『すいません、すいません』と謝ります」
 弁護人「父親としてはどうですか」
 長男「優しいときには優しく、厳しいときには厳しく指導してもらって、僕は尊敬している父でした」
 《これを聞いた小川被告はぎゅっと目をつぶり、下を向いた》
 弁護人「お父さんが『生きていくのは嫌だ』と言っていたことはありますか」
 長男「ありました。父はマイナス思考なんですけど、嫌なこととか考えてしまったときです」
 弁護人「本当に自殺しそうということは」
 長男「ありませんでした」
 弁護人「報道でお父さんが放火を認めたというのを見て、どう思いましたか」
 長男「ぼくの父はそんなことができません。ぼくは本当に父がやったのか信じられないです」
 弁護人「面会のときは」
 長男「ぼくの名前を呼んで、『お父さんは絶対火を付けてないんや、お前だけでも信じてくれ』といわれました。ぼくが思った通りでした」
 《検察官は小川被告がギャンブルやキャバクラ、洋服などに散財し、長男が専門学校進学をあきらめて就職した状況などを尋ねた。長男が小川被告を非難するような発言は一言もせず、尋問が終わると深く一礼して退廷した。去り際に小川被告を見つめた長男に対して、小川被告は大きくうなずいた》
 《ここで裁判長は、警察官の証言内容を踏まえた再度の被告人質問を行うと宣言した。弁護人が立ち上がった》
 弁護人「今日の証人が浪速署であなたを怒鳴りつけた人ですか」
 被告「記憶にない顔です」
 弁護人「おなかを見せた記憶は」
 被告「あんまり記憶がないんですけどね」
 弁護人「死にたかったと言った記憶は」
 被告「自分では首をかしげてました」
 検察官「現場で声をかけてきた人がこの警察官かどうか分からないですか」
 被告「はい」
 《“チンピラ刑事”が誰だったのか、結局明らかにはならなかった》
 《続いて裁判長らの被告人質問が始まった》
 裁判長「あなたは霞がかかった状態に気づいて、換気してほしいとフロントにいったのですか」
 被告「はい」
 裁判長「サイレンを聞くまで火事という実感がなかったのですか」
 被告「はい」
 裁判長「換気をしてくれれば寝られるのに、なぜ店員が相手をしてくれないのかと思いませんでしたか」
 被告「そこまで考えていませんでした」
 裁判長「どの時点で火事だと思いましたか」
 被告「思い出せません。自分の証言は空想が多いんで」
 裁判長「あなたは『取り調べで揺れ動いた』と言いますが、どことどこの間で揺れ動いたという認識ですか」
 被告「自分としては1つだけ、真実は1つやと思ってますから。火を付けたのか付けてないのか。結論は1つです。失火でも、たばこの火でもあてはまってきますけど、火が出とったのはほんまと認めるしかないので…」
 裁判長「記憶になくても火を付けたといえば、どうやって、と聞かれますよね。まったく空想で答えたのか、ヒントをもらったのか、どうですか」
 被告「その場、その場の話の内容で、自分1人で作成したわけじゃないと思います。アシストが入ったような、入ってへんような。話の流れによって調書ができてしまっています」
 《最後に裁判長は、すでに証人尋問が終わった大阪府警科学捜査研究所の職員ら3人について、弁護側が事件直後の調書を証拠申請していることを明らかにした。公判での証言が調書と食い違っており、信用性を崩す趣旨という。採否の決定は持ち越され、午後5時に閉廷した》


(関連)
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その1
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その2
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第2回公判 第3回公判
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第4回公判
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Tag:大阪個室ビデオ店放火事件 公判記録 

Category:大阪個室ビデオ店放火事件の再考察

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大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第4回公判

2009/10/21/(Wed) 06:40

大阪個室ビデオ店放火事件の再考察


(関連)
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その1
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 初公判 その2
大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第2回公判 第3回公判


【個室ビデオ店放火殺人第4回公判詳報(1)】被告「とにかく火を付けていない」
2009.9.28 12:26
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090928/trl0909281229002-n1.htm

 《大阪市浪速区の個室ビデオ店に放火し、16人を死亡させたとして殺人と放火などの罪に問われた小川和弘被告(47)の第4回公判が28日午前10時、大阪地裁(秋山敬裁判長)で始まった。小川被告は黒いTシャツとグレーのズボン姿で入廷、弁護人の前に着席した》
 裁判長「本日の審理ですが、(小川被告の)知人の証人尋問を予定していましたが、検察官、証人の所在は把握できましたか」
 検察官「所在は判明しておりません。もう少し所在捜査をしたいと思います」
 《小川被告が事件当時、行動をともにしていたという知人男性が行方不明になっているようだ。検察側が所在捜査を尽くす方針を示したため、知人の証人尋問はとりあえず延期。この日はその後のスケジュールに従い、取り調べの任意性に関連する証拠調べと、被告人質問が行われることになった》
 《検察側は、小川被告が勾留中に投与されていた睡眠薬のデータ、取り調べ時間と接見時間の一覧表を提出。弁護側は、検察官調書▽接見の様子を記した報告書▽新聞記事-を申請した。弁護人はまず、検察官調書を朗読する》
 弁護人「私(小川被告)は知人のキャリーバッグを引いて持っていっていないし、(自分がいたビデオ店の)18号室にも入れていない。火も付けていない。尊敬している先生(知人)のキャリーバッグになぜ火を付けないといけないのか。証拠を見せてほしい」
 弁護人「私が検察官に話したことを訂正させてほしい。(当時室内で)たばこをふかしながらウトウトしていたら、煙のにおいで目を覚ました。室内は霞がかかったような様子だった。その時、フィルターまで燃えていたたばこが室内に落ちていた。フィルターまで燃えていたので、そこから火が出ることはありません。18号室で火事が起こったとは思っていません」
 《小川被告は静かに調書の朗読に耳を傾けている。ここから調書は、検察官と小川被告の一問一答の朗読に移る》
 検察官「訂正個所は、キャリーバッグの持ち込みと、火を付けた、という部分でいい?」
 被告「はい」
 検察官「これまで私にバッグに火を付けたと話していたよね」
 被告「はい」
 検察官「なぜ火を付けたと話したの」
 被告「分かりません。私には(火を付ける)動機がありません」
 検察官「なぜ今になって、火を付けていないと言い出したの」
 被告「とにかく火を付けていない」
 検察官「以前に取り調べで、店内の様子や店員との会話を話しているけど、記憶通りで間違いない?」
 被告「間違いありません」
 検察官「(これまでの取り調べを)11通の調書にしたけど、記憶通りに話したので間違いない?」
 被告「はい。間違いありません」
 検察官「私が取り調べの前に、必ず言っていたことがあるけど覚えている?」
 被告「黙秘権。警察と検察は違う組織だから、警察(の取り調べ)とは違うことを話しても構わない」
 検察官「その意味は分かってくれていたよね」
 被告「はい」
 検察官「有利になるから話して、とは言ってないよね」
 被告「ありません」
 検察官「他に付け加えることは」
 被告「キャリーバッグは知人に返した。知人が自分の部屋に持って入ったと思います」
 《続いて弁護人の接見状況を記した報告書を朗読する。これによると、弁護人は事件直後の10月1日に初めて接見。3日に弁護人に選任されたという》
 弁護人「(小川被告は)当初は認めていたが、真実を話すようにアドバイスすると、4日に『人を巻き込むつもりはなかった』と話した。その後の接見でも、この発言は変わらなかった。15日になり、『僕と一緒に死んだらごめんなさい』と供述した、調書の訂正を求めたが聞いてくれなかった、と明かした。矛盾しているため、その後も執拗(しつよう)に尋ねると、『本当はティッシュを丸めて火を付けたことはない』と言った」
 《弁護人はその後、事件発生や小川被告の供述の変化を伝える新聞記事を証拠として提出。続いて被告人質問が始まった》
 裁判長「被告人は前へ。証言台の前に座って答えてください」
 《裁判長に促され、一礼して席に着く小川被告。やや神経質なのだろうか、目の前にあるマイクをつかみ位置を調整した。被告人質問は小川被告の経歴から始まった》
 弁護人「最初に就職した飲料会社は長続きしたか」
 被告「いや、昭和55年が高校を卒業したときで、その年の夏が冷夏でジュースが売れなくて、安定していないから、母が『もうやめて…』」
 弁護人「景気のせいで、ということか」
 被告「(ボーナスも)金一封でしたんで、4カ月くらいで辞めました」
 《弁護人の質問に対し、小川被告はできるだけ細かく、正確に答えようと務めている様子で、弁護人が『答えだけでいいですよ』と諭す場面もあった》
 弁護人「その後、結婚して子供も2人できた。このときの状況はどうですか」
 被告「質問の意味が分からない」
 弁護人「このときの家庭生活はどうだったかという…」
 被告「ああ、自分としては幸せでした」
 《一方の弁護人も、『その時どうだったか』『その後はどうしたか』という尋ね方が多く、小川被告が答え方に戸惑うことも》
 弁護人「次は(ビデオ店に一緒に行った)知人と知り合った経緯を尋ねます。昨年の9月28日ですね、この日はどういう目的で家を出ましたか」
 被告「やることがなくてフラフラして。最初は道頓堀に行って、生活保護を受けているからだめなんですが、競馬の馬券を買ったり、パチンコに行ったり」
 弁護人「知人と会ったのはどういう状況だったの」
 被告「心斎橋の靴屋の前やと思うけど、そこで手相ですか、それと色紙を広げていてすごい目立っていて、気になったんで『当たるん?』と聞いて。『けっこう悩んでるやろ』『分かるんですか』という会話をした」
 弁護人「色紙を書いてもらったんですね」
 被告「はい。『幸せいっぱい』とか、なんか…。お金は2000円くらい払いました。その後、食事に行って、1人で色紙を見ながら、にやにやしながらご飯を食べて…」
 弁護人「食事の後、また知人のところに行きましたね」
 被告「あー、行ってます」
 《ここで小川被告が『ちょっとすいません。おなかが痛いです』と発言。裁判長の許可を得て、一時退廷した》


【個室ビデオ店放火殺人第4回公判詳報(2)】燃えたバッグ「確かに返したはず…」
2009.9.28 17:34
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090928/trl0909281736008-n1.htm

 《約10分後、小川和弘被告が再び法廷に現れた。裁判長の方を向いて頭を下げる》
 被告「すみませんでした」
 裁判長「もしまたおなかが痛くなったら、言ってください」
 弁護人「その後、どうしたんですか」
 被告「『おごりますから、食事食べに行きませんか』と自分で言ったと思います」
 弁護人「知人が何かくれるとか言いましたか」
 被告「持っていたラピスの指輪をつけてもらいました。『全部占った上で、また数珠作ったるわ。次の晩またおいで』と言われました。時計もあげる、と」
 弁護人「いったん帰ったんですね」
 被告「その日は寝ましたね」
 《小川被告は翌日夕方ごろ、最初に知人にあった場所を訪れ、知人と再会した》
 弁護人「数珠とか時計はもらいましたか」
 被告「ただでもらったからうれしいなあ、と正直思いました」
 弁護人「知人を『先生』と呼ぶようになったのはいつからですか」
 被告「時計をもらうまでは信用していなかったというか…。そうやねえ、時計とか数珠とかもらってからですね。けっこう占いも当たってたんでね。自分と似たり寄ったりというか、こういうお金の稼ぎ方して生活している人もいるんやなという感じで、えらいなーと見直したというか」
 弁護人「キャリーバッグを引いてあげたんですか」
 被告「自分は調子乗りの性格なんで、『先生、お持ちしますわ』とお笑い的な感じで、冗談ぽく言うたような気がします。そこから引きだしましたね」
 《小川被告は当時を思いだして愉快な気持ちになったのか、笑いを交えながら知人と親密になった経緯を語った。検察側は、小川被告がこのキャリーバッグを自分の個室に持ち込み、放火したと主張している》
 弁護人「健康ランドに泊まったのはどうして」
 被告「そのとき、尺八のうまい先生が奈良の大和郡山にいる、そこでダイミ茶というお茶を飲めるということで、『あんたも行こう』といわれて…。『お金ないんで』と断ったんですが、立て替えるといわれて」
 弁護人「生活保護費が入ることは言っていた」
 被告「『2日に入りますんで』と言うてます」
 弁護人「それで健康ランドで1泊した」
 被告「ぼくは一睡もしてません。薬も飲んでなかったし」
 弁護人「普通、睡眠薬を飲んで寝てるの」
 被告「はい」
 弁護人「翌日着いたら、どんな所でしたか」
 被告「家は普通の家なんですけど、式典が始まったらほとんどポルトガル語でした」
 弁護人「ダイミ茶を飲んでどうでしたか」
 被告「何かテンションが高くなってる割に涙が止まらないんですよ。号泣っていうか、うれし泣き、言うんですかね。目をつぶるとすばらしい景色が見えてくるんですよ。自分のほしいもんとか見えてくる、不思議な力が出てきました」
 弁護人「いつ飲んだの」
 被告「昼からですから、午後2~3時ですかね」
 弁護人「帰るまで続きましたか」
 被告「電車の中で目をつぶっても、自分のほしいゴルフクラブとか見えてきたりするんですよ」
 弁護人「何時ごろまでいましたか」
 被告「けっこう夜遅くまでいてましたね。10時すぎまで」
 弁護人「それで難波に帰ってきた?」
 被告「はい」
 《小川被告が飲んだというダイミ茶は、南米のアマゾン川流域に自生するつる状植物「アヤワスカ」が主原料。煮出して飲むと強い幻覚作用があるという。小川被告が参加した儀式は、ブラジル発祥の宗教「サント・ダイミ教」の儀式とみられる。幻覚作用の持続時間は約2~6時間とされており、検察側も弁護側も事件とダイミ茶との関係については言及していない》
 弁護人「どうして個室ビデオ店に行く話になったのですか」
 被告「録音の仕事を手伝うために、一緒に難波までつきあってほしいということで。『昨日は健康ランドでみんな一緒やったから、今日は個室でゆっくりしたいやろ』と」
 弁護人「あなたは睡眠薬が飲みたかった」
 被告「家の方がゆっくりできますしね。『僕の家に一緒に帰りましょう』と誘ったら『まだ面識もないのに家に泊まることまでできひんわ』と断られました」
 《小川被告は2人でラーメン店で食事をした後、事件現場となる個室ビデオ店に入店したという》
 弁護人「知人のキャリーバッグを18号室に持ち込んだ記憶はありますか」
 被告「18号室にカバンがあったのは自分でも『何でやろ、不思議やな』と思ってるんですけど。確かに預かっていない記憶の方があるんです。知人にも『また明日になったら引いてくれや』『商売道具やから預けるのは嫌やしな』といわれて」
 弁護人「当時の記憶で、持って入った記憶はあるの」
 被告「ないです」
 《小川被告の声はやや大きくなり、きっぱりと言い切った。起訴状によると、小川被告はキャリーバッグを開けて衣類などの上にティッシュペーパーを置き、ライターで点火したとされている。第2回、第3回の公判では店員や第一発見者が証人出廷し、18号室に置かれたキャリーバッグから火が出ていたと証言している》
 弁護人「あなたの部屋が焼けた跡やいろんな人の供述、『持ち込んだ』というあなたの供述調書もありますが、そういうのを見てどうですか」
 被告「確かに返してるはずなんですけど、部屋にカバンがあって燃えてるということは、『何であるんや』といわれたらひょっとしたら自分が勘違いしていて、引いて行ったんかなって。確かに返したはずなんですけど。でも持っていったとしても、勝手に人のカバンを開ける性格ではありません」
 弁護人「断定できないですか」
 被告「返したような気がします。知人が来てないんではっきりじゃないけど」
 《小川被告の供述はあやふやになり、結局、知人にカバンを返したと断定はしなかった》
 弁護人「あなたが店に入ったのはビデオを見るためじゃなかったよね」
 被告「寝るためですけど。薬がないから寝られへんやろなーという感じで」
 弁護人「18号室の鍵を自分で開けて入ったの?」
 被告「鍵が入らなかったんです。ちょうど店員がいたので開けてもらいました」
 弁護人「店員は(証人出廷した際に)『キャリーバッグを部屋に入れてあげた』と言いましたが」
 被告「入れてもらってません。だからやっぱり持ってなかったんかなーと、自分ではそう取りたいんですよ。『何でカバンがあって火が出んねん』って言われるかもしれませんけど、店員には絶対カバンを入れてもらってません」
 《小川被告は再び、大きな声で少し興奮したように強調した》
 《続いて弁護人は、知人との関係を尋ねた。知人は火事で重傷を負っているが、小川被告が知人を殺すようなことをするはずがないと主張する意図のようだ》
 弁護人「知人と気まずくなったことは」
 被告「一度もないです」
 弁護人「あなたは『先生』と言って尊敬していた」
 被告「はい」
 弁護人「今後どういうつきあいをしようというのは言っていましたか」
 被告「『ぼくみたいな人もいるんやなと思って気が晴れますわ』と言うと、『俺もそう思っとったんや、仕事手伝ってくれや。広島とか沖縄に行ったりしたいから、アシストしてくれたらええから2人で頑張っていけへんか』という会話になりました」
 弁護人「手伝ってくれといわれたのですか」
 被告「強制とかではなしに『してくれたらおもろそうやなあ』と言ってくれました」
 弁護人「あなたもついて行こうという気持ちでしたか」
 被告「そこまで先のことは分かりませんが、広島や沖縄に行ってみたいという気持ちはありました」
 《ここで裁判長は、午前の審理の終了を告げた》


【個室ビデオ店放火殺人第4回公判詳報(3)】被告「何が起こったか聞きたいくらい」
2009.9.28 17:37
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090928/trl0909281738009-n1.htm

 《午後1時13分、審理が再開された。引き続き被告人質問が行われ、出火当時の小川被告の行動などが本人の口から語られる》
 弁護人「室内でたばこは何本吸いましたか」
 被告「最初は3~4本と思っていたけど、5~6本吸いました」
 弁護人「最後のたばこの記憶はありますか」
 被告「記憶はないですね。(自宅などでも)くわえたばこをして、よく落として床を焦がしたり、ズボンに穴を開けたこともあったんで、また穴開けたのかなって」
 弁護人「自宅などでもよく落とすということだが、18号室のたばこは始末しましたか」
 被告「始末したかどうか、ちょっと分からないですね」
 弁護人「寝る直前だとあまり覚えていないと思うけど、寝る直前に吸っていた記憶はありますか」
 被告「吸うてるというか、こうして、くわえもって…」
 《証言席にもたれかかり、天井を見上げるように顔を真上に向け、くわえたばこの様子を表現する小川被告。弁護人が『言葉で説明して』と諭す》
 被告「口にたばこをくわえながら、寝そべっている感じです」
 弁護人「それは経験からの推測ですか」
 被告「よくあるんでね」
 弁護人「経験からすると当時は寝ていた、ということですね」
 被告「経験上は、よく寝て吸ってて、やばいやばい、というのが何回もあった」
 弁護人「家での話ではなくて、ビデオ店での話です」
 被告「はっきり覚えてません」
 弁護人「目が覚めたとき、たばこはどうなっていましたか」
 被告「たばこですか。うーん…。なんか、燃え尽きたような感じで、部屋がかすんでいたような…」
 弁護人「当時としては、たばこに気が付いていないということですか」
 被告「フィルターの最後まで燃えているのを見たかもしれない。取り調べで言ったかもしれない」
 弁護人「取り調べではなく、今の記憶では」
 被告「記憶…。見たと言えば見たかもしれないし、見てないと言えば見ていないかもしれない」
 弁護人「においは感じましたか」
 被告「におい…。僕は感じてませんね」
 《弁護人の方を向いて、質問をきちんと聞き取ろうとしている小川被告。答える際は、正面の裁判長をまっすぐ見据えている》
 弁護人「炎は見ましたか」
 被告「当然、見ていないです」
 弁護人「店員に対し、部屋の中に煙があると言いましたか」
 被告「言ってません。まさか火事とは分からないし。自分の記憶としてあるのは、『お前何してくれてんねん』とか言われて。何で火が出てるとかわからん状況で。リモコンがおかしいと言った後のことは記憶がない。何が起こったの?とむしろ聞きたいくらい」
 弁護人「店の外に出てからは何をしていましたか」
 被告「(格好が)シャツとパンツ、靴下だったんで、財布を取りに戻ろうとしたら、『お前何考えてんねや』と言われた」
 弁護人「店員と話をしたときに、謝ったんですか」
 被告「謝ってますね。自分の記憶としては、自分のせいで火事になったんかな、と思って。放火じゃなしにね。たばこを落としてやってもうたんかな、と」
 弁護人「自宅などでも床を焦がしたりしていたからですか」
 被告「はい」
 弁護人「弁護人を依頼することや補償について話をした覚えはありますか」
 被告「あんまり記憶はないけど、言ったような記憶がある」
 弁護人「たばこの不始末だと責任があると思ったからですか」
 被告「そうですね」
 《小川被告は弁護人の質問を聞いた後、少し首をかしげてから答えている。質問が分かりにくいのか、十分に考え込んで話そうとしているのか、表情からは意図はうかがえない》
 弁護人「外に出てから、逃げようとしましたか」
 被告「テンションが上がっていたから、ウロウロはしていたかもしれないけど、逃げる気はさらさらなかった。だいたい、シャツやパンツという格好でどうやって逃げるのかという…」
 弁護人「火事になったというのは、どこで分かったんですか」
 被告「消防車の音が、ウー、って鳴ったから」
 弁護人「浪速警察署に行って事情を聴かれたとき、どう考えましたか」
 被告「すいません、すいません、と」
 弁護人「火を付けたかどうかは聞かれましたか」
 被告「火は付けてません、と」
 弁護人「警察はどう言いましたか」
 被告「『お前しかおらんねや』『お前の部屋から火出てるの見た人がおるんや』と」
 弁護人「寝ていたというのは認めてもらえなかったんですね」
 《ここで検察側が異議を申し立てる》
 検察側「ここ一番重要なところで、誘導をしたらだめなところですよね」
 裁判長「弁護人は、なるべく本人の口から語られるような質問をしてください」
 弁護人「警察官はどう言いましたか」
 被告「とにかく火を付けていないと言って。でも結局認めてもらえず、にらみつけて、『やったんお前やろ』『なめとんか』と言われ、机をたたかれたり」


【個室ビデオ店放火殺人第4回公判詳報(4)】被告「調子に乗って、火をつけてないのにつけたと言った」
2009.9.28 22:27
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090928/trl0909282229014-n1.htm

 《弁護人から小川和弘被告に対する質問が続いている》
 弁護人「あなたが言ったことは」
 被告「『部屋でたばこをすって寝てもうた』と言いました。にらみつけられて、『やったんお前やろ、お前しかおらんねん、認めんか、認めんか』との繰り返しが続きました」
 弁護人「どうしましたか」
 被告「『すいません』と言って、ぼくが火をつけたと認めさせられました」
 弁護人「机をたたいたりされてどう思いましたか」
 被告「怖いというのが第一印象です。殺されるんちゃうかなという勢いでした。その時に限って眠たくなっていて、寝かしてほしいからすぐさま認めました」
 弁護人「最後に出てきた刑事に本当のことを言おうとは思わなかったのですか」
 被告「取り調べの時は優しかったけど、第一印象は1番怖かったですから。火をつけてないとはたぶん言っていないと思います。言っても無駄と思いました」
 弁護人「言う機会はなかったの」
 被告「検事には『訂正してください』と言った記憶がありますけど、刑事には言うてないと思います」
 弁護人「後は」
 被告「寝られへんかったら薬くれたり、『飯食えるか』とか、正直いい人なんやという印象でした」
 弁護人「刑事はあなたのことを一番よく考えてくれている印象ですか」
 被告「正直、そういう印象を持ちましたね。順位は刑事、検事、弁護人でした。誰に言えば火をつけていないのを分かってくれるか分からなかったので、そう判断してましたね。(弁護人の)先生のことは新聞記者とかと一緒と思っていました」
 《ここで弁護人は、当初小川被告が刑事、検事、弁護人についてどう思っていたのかを詳しく尋ねていった。小川被告は言いにくそうに答える》
 弁護人「刑事は何と言ったのですか」
 被告「『もうお前がやったんや、お前の部屋から火が出たのを見たと言っている人がおるんや。10年、20年かかるかもしれんけど、終わったもんはしゃあないから。お前の部屋が火元やから認めて、罪を償ってやり直したらええやないか』と2日目に言われたような記憶はございます」
 弁護人「弁護人には(事件当日の)10月1日に面会しているけれど、弁護人はマスコミ程度と思って信用していなかったのかな」
 被告「一番信用しないとだめなんですけどね。1回もお世話になった人でもないので、信用性がなかったです」
 弁護人「検事に会った印象は」
 被告「取り調べ自体優しかったですけど、調子に乗って答えてたというか、火をつけてないのにつけたとか、すいませんとか言ったり。何でそんなこと言ったのか、今すごく後悔しています」
 弁護人「最初は認めてましたね」
 被告「認めていました」
 弁護人「本当のことを言ってほしいといわれた記憶は」
 被告「あります」
 弁護人「それなのに本当のことを言わなかったのですか」
 被告「(取り調べ状況を録画した)DVDで修正してもらいました」
 弁護人「調書の内容は、あなたがしゃべったことだけど事実と違うんですか」
 被告「最終的に、やっぱりやっていないものはやっていないからちゃんと言わなあかんと決意して固まったのがDVDに撮ってもらった供述です。それまでは揺れ動いていました」
 弁護人「『(他の客が)ぼくと一緒に死んだらごめんなさい』という調書を作ったと言いましたが、どうしてですか」
 被告「自分の口から言いました」
 弁護人「何で言ったの」
 被告「それが不思議で後悔していると言ったはずなんですけど」
 弁護人「検事からそういう意向が示されたのですか」
 被告「結局、取り調べっていうのは自分がやっていないと言ったら、にらみつけられたまま話が前に進まない状況やったんです。丸め込まれたっていうか、言わされたっていうか、眠たかったから認めたっていうか」
 弁護人「調べが進むように話したってことなの」
 被告「それくらいしか、巻き込む意思もないと言っているのにそういう供述は出てこないと思います。調子こきのとこあるから、そういう風にしたら何とかしてくれるんちゃうかとか、事件の深さや怖さを甘く考えてたって言うんですか」
 弁護人「調べ中、検事のことをどう呼んでたの」
 被告「『ともちゃん検事』とか言ってましたね」
 弁護人「どうして」
 被告「母親の戒名と字が同じやったんで、調子に乗ってそう呼んでましたね」
 弁護人「検事は和やかになるよう気を配ってましたか」
 被告「そういう風にしか見えなかったですね」
 弁護人「検事に調書の訂正を求めたけれどしてくれなかったですか」
 被告「はい」
 弁護人「訂正したくないということなの」
 被告「『ほんまのことやったら訂正するけどどっちなん』と言われました。本当じゃないと思うから訂正しようと思わなかったんじゃないですかね」
 弁護人「10月20日に放火していないという調書を作ったのは」
 被告「信用してくれたから書いてくれたんじゃないでしょうか」
 弁護人「起訴内容に、自殺するつもりだったというのがあるけど、自殺するつもりはなかったんですか」
 被告「全然ありません。さらさらありません」
 弁護人「知人が死んでもいいとは」
 被告「ないです」
 弁護人「たばこの不始末だとしたら責任はあると思ってるの」
 被告「それはもちろん、あると思います。そうじゃないとすいません、すいませんとは言っていないと思います」
 《弁護人の主尋問は午後2時54分に終了し、15分間の休廷となった。続いて検察官の反対尋問が始まる》


【個室ビデオ店放火殺人第4回公判詳報(5完)】被告「どうしたら信じてもらえるか」
2009.9.28 23:14
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090928/trl0909282319015-n1.htm

 《女性検察官が立ち上がり、小川和弘被告に対する反対尋問が始まった。検察官は事件当日の個室ビデオ店付近での状況を尋ねた》
 検察官「(個室で)目が覚めたとき、霞がかかったような煙があったのね」
 被告「はい」
 検察官「午前の尋問で、燃え尽きたたばこのフィルターを見たかどうか五分五分と言っていましたが、取り調べの検事にフィルターを見たと話したことは覚えてる?」
 被告「話したかもしれないし、そのへんはちょっともう…。したような、してないような」
 《供述の変遷を突かれ、怒ったような声を出す小川被告。検察官はさらに尋問を続けた》
 検察官「店が火事になったのが分かったのは、消防車が来てからですか」
 被告「先ほど言ったのはそうでしたかね。爆発音は、聞いたような聞いてないような…。もう少し前かもしれないけど、分かりません」
 検察官「店の外に出ろといわれた場面ですか」
 被告「その時にぼやか何かと思ったんかなあ。火はつけてないんで、自分の部屋から火が出てるとかそんなのは…。外に出るときにおれの部屋でぼや出したんかなと思って、でも火事とは分かっていなかった」
 検察官「店にはいるとき、キャリーバッグは持っていたましたか」
 被告「持っていました」
 検察官「あなたの主張に反することを言っている人がいても、そっちの方がおかしいと思うの」
 被告「でも誰かが18号室に運ばない限り、いかないですわね」
 検察官「火事がおさまって、部屋からキャリーバッグが発見されていますね」
 被告「はい」
 検察官「あなたが出てから誰かが部屋に持ってきたのですか」
 被告「自分でも不思議で仕方ないんです」
 《あいまいな供述を繰り返す小川被告。検察官はさらに、刑事の取り調べについて尋ねた》
 検察官「店を出てから警察官から声をかけられたのは覚えてる?」
 被告「私服の刑事が『犯人はお前か。見た人がおる。パトカーに乗れ』と」
 検察官「あなたはどうしたの」
 被告「『すみません、すみません』とか言ってんのかな。自分のたばこの不始末で、という気持ちでまさか放火とは思ってないから、そういう意味で応答したような気がします」
 検察官「『火をつけたんか』といわれた記憶は」
 被告「あるような、ないような。でも言われたような記憶もありますね」
 検察官「警察に着いてからのやりとりはどんな様子でしたか」
 被告「『やったんお前やろ、認めんかい』と机をパーンとたたかれて。『してません』『見た奴もおるんや』。足を組んでたら『なめとんか、認めんかい』と」
 検察官「誰が」
 被告「チンピラ刑事。口調はすごく乱暴やった。ティッシュを丸めて火をつけたという調書に指印を押しました」
 検察官「机をたたかれたりしたときですか」
 被告「そうです」
 《ここで小川被告は突然、興奮を抑えられないように早口でまくし立てた》
 被告「すごいパニクってるんで、午前中に言ったことと違いがあるかもしれないけど、責められてるんちゃうかなと思って…」
 裁判長「記憶がなければないと言ってくれればいいんですよ」
 被告「はい」
 検察官「言い忘れたことはある?」
 被告「もう一度聞いてください」
 検察官「『放火したんやろ』と言ったのはだれ」
 被告「チンピラ刑事は放火のことしか言っていませんね」
 検察官「何と答えたの」
 被告「『火をつけました』って言ってるんですかね?」
 検察官「どうやってつけましたか」
 被告「ティッシュを丸めて火をつけましたって言うてるんじゃないですか」
 検察官「どこに火をつけたの」
 被告「キャリーバッグって言ってるんですかね」
 検察官「あなたの記憶を聞いてるんです」
 被告「言うてますね」
 《逆に検察官に問い返すような返答を続ける小川被告。検察官の口調は穏やかだが、鋭い追及を続ける》
検察官「(火をつけたことは)想像で言ったことなの」
 被告「それしかないですね」
 検察官「ティッシュとかキャリーバッグとか出てくるのは何でですか」
 被告「先ほども言ったように、調子に乗って人の話にあわせてしゃべっていました」
 検察官「刑事さんには言われてないじゃない」
 被告「取り調べで、(刑事が)キャリーバッグから火が出たと思いこんでそう言われてるから」
 検察官「現場からつれてこられてすぐのときですよ。刑事さんからは、そんな話は出てないじゃない」
 被告「…」
 検察官「なんで想像で作ってまで認めようと思ったの」
 被告「本当に分からないんですね」
 検察官「あなたの部屋から火が出たといわれても、『たばこの不始末かなあ』と言ってもいいじゃない。なんで放火と言ったの」
 被告「放火と決めつけられてました。連れて行かれる時点から『火をつけたのを見た奴がいる』といわれて」
 検察官「当時、見たといわれた記憶があるんですか」
 被告「…。言い間違いですね。先走ってますね。すみませんでした」
 検察官「部屋から火が出たのを見た人がいるのね」
 被告「それは聞きました」
 検察官「火をつけたのを見た人は」
 被告「聞き間違いかも」
 検察官「はっきりしないのね」
 被告「はい」
 《小川被告の供述は揺れ続けた》
 検察官「勾留質問で裁判官に『その通り』としか言っていないのはなぜですか」
 被告「自暴自棄になっていました。検察庁に行くときにマスコミに写真を撮られて、おれは終わりみたいに思って。すべて認めておれさえ悪者になったらええんやと。事件から1年たってるからって覚えてないはずないといわれるかもしれないですけど」
 検察官「どうしてわざわざ放火したと言うほど自暴自棄になるのか分からないんだけど」
 被告「どう言ったら信じてもらえるのか、ほんまにすごい悩んでます」
 《この日の反対尋問は終了し、小川被告は疲れ切った表情で証言台から弁護人の前の席に戻った。午後4時37分、裁判長が翌日も被告人質問を続けると告げ、閉廷した》


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大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第2回公判 第3回公判

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大阪個室ビデオ店放火事件の再考察 ◇ 第2回公判 第3回公判

2009/10/21/(Wed) 06:39

大阪個室ビデオ店放火事件の再考


【個室ビデオ店放火】「被告の部屋から炎」と店員が証言 第2回公判
2009.9.17 19:56
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090917/trl0909171956020-n1.htm

 大阪市浪速区の個室ビデオ店「試写室キャッツなんば店」に放火し、16人を死亡させたとして殺人と殺人未遂、現住建造物等放火の罪に問われた小川和弘被告(47)の第2回公判が17日、大阪地裁(秋山敬裁判長)で開かれた。同店の店員が証人出廷し、「小川被告の部屋でバッグから約80センチの炎が立ち上るのを見た。他の部屋では炎も煙も見なかった」と証言した。
 弁護側は「最もよく燃えている別の部屋が出火元の可能性がある」として無罪を主張している。
 店員は出火直後の状況について、「歩いていこうとした小川被告に『何したか分かっとるんか』と言うと『すいません。補償もします。弁護士も付けます』と話した」と証言。「店内から(客が助けを求めて)壁をたたく音が聞こえたが、入れる状況ではなかった」と沈痛な口調で振り返った。
 また、この日は現場の焼損状況を鑑定した大阪府警科学捜査研究所の研究員も出廷し、「1番よく燃えているのは別の部屋だが、炎の流れをさかのぼると、小川被告の部屋から燃え広がったと考えられる」と述べた。



【個室ビデオ店放火】「被告出た後、部屋で火事」公判で証人が証言
2009.9.18 20:45
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090918/trl0909182047021-n1.htm

 大阪市浪速区の個室ビデオ店に放火し、16人を死亡させたとして殺人と放火などの罪に問われた小川和弘被告(47)の第3回公判が18日、大阪地裁(秋山敬裁判長)で開かれた。
 火災の第1発見者とされる男性客が証人出廷し、「廊下が焦げ臭かったので周囲を見渡すと、個室のドアが開いて小川被告が出ていった。部屋をのぞくとバッグが燃えていた」と証言した。
 男性によると、小川被告は「テレビが…」とぶつぶつ言いながら歩いていき、店外に出た後は出入り口付近でしばらくたたずんでいた。
 しかし騒がしくなってから立ち去ろうとしたので、店員に「あれ犯人やと思うから捕まえといてや」と伝えたという。
 この日は弁護側が「最もよく燃えており、出火元の可能性がある」と主張している別の部屋を使用していた客の男性も出廷し、「ドアのすき間から黒い煙が入ってきたので開けると、火が入ってきたので逃げた。部屋の燃え方はよく分からない」と述べた。


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