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一号機原子炉建屋内の放射線量は毎時270ミリシーベルト~換気装置を設置した作業員たちは本当のことを知らされていたのだろうか~

2011/05/05(Thu) 22:51

2011年4月17日、福島原発事故からひと月が経ち、アメリカのクリントン国務長官が来日した。


クリントン米国務長官来日、確固たる支援を約束 : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/politics/2795953/7099834

2011-05-05 21-13-31 

【4月17日 AFP】米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官が17日来日し、東日本大震災に見舞われた日本に対し確固たる支援を約束した。

 クリントン長官は記者会見で日本とその将来の復興のために、わが国は今一度、確固たる支援を約束すると述べた。また今日の世界における強力な地位を取り戻す今後数か月の過程で、今回の危機の間、わたしたちが目にした回復力を日本が見せてくれることを確信していると震災後の日本の対応に期待と称賛を贈った。そしてこの試練の時期を乗り越えるために、わが国はできる限り支援していく。日本が以前よりも強く再生されることをわれわれは分かっていると語った。(c)AFP
2011年04月17日 16:19
[転載ここまで]


ただ、クリントン米国務長官の滞在時間はたったの5時間だったという。


---------------------------------[抜粋]
  クリントン国務長官の来日について、ロイター通信は4月17日、「クリントン国務長官は5時間の滞在だったが、原発の周辺を除き、米国人が日本から立ち去る理由はないと述べた」と、同氏が日本の安全性を強調したことを伝えた。
---------------------------------[抜粋]


クリントン米国務長官来日当日、東京電力は事故収束へのロードマップを示した。まるでクリントン米国務長官の来日に申し合わせたかのような発表であった。


【地震】東京電力、福島原発事故収束へのロードマップを公開 (RBB TODAY) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110417-00000002-rbb-sci

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東京電力は17日、「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」とした文書をサイトに公開した。

「放射線量が着実に減少傾向となっている」ステップ1、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」ステップ2とする2つの目標を設定。達成時期については、ステップ1には3ヵ月程度、ステップ2には、ステップ1終了後の3~6ヵ月程度が目安としており、最大9ヵ月かかるという。

 具体的には、取り組みを「冷却」、「抑制」、「モニタリング・除染」の3つの分野で行い、「原子炉の冷却」、「使用済燃料プールの冷却」、「放射性物質で汚染された水(滞留水)の閉じ込め、処理・保管・再利用」、「大気・土壌での放射性物質の抑制」、「避難指示/計画的避難/緊急時避難準備区域の放射線量の測定・低減・公表」の5つの課題ごとに目標を設定し、対策を同時並行的に進めていく。

 なお、ステップ1の達成については、1~3号機の格納容器で水素爆発を起こさないことが重要。原子炉内に淡水を注入して原子炉を冷却する結果、水蒸気が凝縮する可能性が高まり水素爆発を誘引する懸念が生じるため、窒素を各号機の格納容器内に充填し、水素と酸素の濃度を可燃限界以下に抑える。また、淡水を注入して原子炉を冷却している段階で、タービン建屋に放射線レベルの高い汚染水が滞留し増加する傾向にあるため、保管場所を複数確保する、汚染水を処理する施設を設置し放射性レベルを低くする、などを進めることも必要だとしている。
RBB TODAY 4月17日(日)20時47分配信
[転載ここまで]


クリントン米国務長官が日本になにしに来たのかは明白である。4月17日は、東電のロードマップ発表に併せて、福島第一原発一号機原子炉建屋内に作業ロボットの投入が報じられた。米国のロボットメーカー、アイロボット社から無償提供されたものだという。クリントン米国務長官が裏で手を引いていることは容易に推測できる。


【放射能漏れ】遠隔ロボで原子炉建屋調査 線量や温度、酸素測定 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110417/dst11041719230029-n1.htm

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 東京電力は17日、遠隔操作で走行可能なロボットを使い福島第1原発3号機の原子炉建屋内を調査した。ロボットで放射線量や温度、湿度、酸素濃度などを測定し、今後、人が入って作業できるかなど安全性を判断する材料とする。

 今後、1、2号機などでも実施予定。3号機は水素爆発後、原子炉建屋に人が入ることができていない。

 東電は原子炉建屋内にある冷却設備を使えば、早期の冷却につながるとしているが、建屋内は放射線量が高く、人が作業するのは難しいとみられる。

 調査に使ったのは米国のロボットメーカー、アイロボット社から無償提供された同じタイプの2台。長さ70センチ、幅53センチ、重さ35キロで、カメラが付いているほか、備え付けのアームで物をつかむなどの作業ができる。

 東電は「線量の高いところと低いところが分かるので、人でどんな作業ができるのかも見えてくる」としている。
2011.4.17 19:18
[転載ここまで]


クリントン国務長官来日。東電のロードマップ発表。作業ロボットによる原子炉建屋の調査。4月17日に報じられた三つのニュースに、密接な関係性が見えてくる。日本に5時間しかいなかったクリントン国務長官は作業ロボットの投入に一枚噛んでいるのは容易に推測できることだ。日本政府に米国債購入の約束でも取り付けたのだろうか。


【放射能漏れ】東電、ロボットで調べた原子炉建屋の放射線量分析 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110418/dst11041810570015-n1.htm

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 福島第1原発事故で東京電力は18日、遠隔操作で動くロボットで17日に調べた1、3号機の原子炉建屋内の放射線量などを分析。原子炉建屋内の設備を使えば早期の冷却につながるが、放射線量が高いとみられることから、人が入って作業できるかなど安全性の判断材料にする。

 また原発の本格的な冷却機能回復の支障になっている放射性物質に汚染された水を移すため、水を入れる予定の集中廃棄物処理施設で水漏れ防止対策を進めた。

 準備が整えば、実際に比較的低濃度の汚染水を入れて試験をする。同施設には特に高濃度の放射性物質に汚染された2号機タービン建屋外の立て坑の水を移す予定だが、経済産業省原子力安全・保安院の確認が必要で、移送開始には時間がかかりそうだ。
2011.4.18 10:54
[転載ここまで]


この記事を読んで、腹立たしさにも似た違和感を覚えた。「遠隔操作で動くロボットで17日に調べた1、3号機の原子炉建屋内の放射線量などを分析。」と記述されているのだから、4月17日に作業ロボットが一号機原子炉建屋内の放射線量を計測したのは確かだ。だが、しかし、ロボットが計測した数値が記事のどこにも示されていない。分析中ということだが、分析してからでないと、放射線量の数値を示すことができないのだろうか。得体の知れない胡散臭さが鼻についた。

そして、今日5月5日こどもの日。一号機原子炉建屋内で初めて作業すると報じられた。作業員は防護服に全面マスク、空気ボンベといった重装備で作業にあたるという。


【放射能漏れ】事故後初めて作業員が原子炉建屋内に 福島第1原発1号機 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110505/dst11050511500008-n1.htm

 東京電力は5日、福島第1原発1号機への冷却設備設置に向けた作業を進め、放射線量が高い原子炉建屋内に、事故後初めて作業員が入った。

 建屋内での作業中に内部被ばくするのを防ぐため、建屋内に浮遊する放射性物質をフィルター付きの換気装置で吸着させる措置の一環。

 換気装置は原子炉建屋に隣接するタービン建屋に設置済みで、ここから8本の管を廊下を経由して原子炉建屋内まで延ばす。汚染された空気を吸い出し、浄化した後に戻すことで、原子炉建屋内の放射性物質を約20分の1に減らす効果が期待される。

 この日の作業は、防護服に全面マスクを着け、空気ボンベを背負った作業員12人が、約40分の予定で実施。

 1号機の原子炉建屋内では、4月17日にロボットで調べた結果、最大で毎時49ミリシーベルトの放射線量が計測されている
2011.5.5 11:49
[転載ここまで]


はっきり言おう。産経新聞の記事はデタラメである。産経新聞は4月17日に作業ロボットが計測した一号機原子炉建屋内の放射線量の数値を『分析中』として示さなかったが、読売新聞は翌日未明に配信された記事でロボット投入の事前に測った一号炉原子炉建屋の放射線量を書いている


米国製ロボット、水素爆発の建屋内を調査 : 福島原発 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110417-OYT1T00591.htm

東京電力は17日、遠隔操作できる米国製ロボット2台を使い、福島第一原子力発電所1、3号機の原子炉建屋内の調査を開始した。

 水素爆発が起きた両号機で、原子炉建屋内を調べるのは初めて。

 米アイロボット社から提供を受けたロボットは、放射線量などの測定器を備えている。作業員は建屋の外で、ロボットのカメラが撮影した映像を見ながら遠隔操作。ロボットはアームで建屋の扉のハンドルを回して内部に入った。

 前日、作業員が1号機原子炉建屋の扉のガラス越しに放射線量を測定したところ、毎時270ミリ・シーベルトだった。東電は、ロボットが計測した放射線量などのデータを精査中で、作業員が建屋内にどれくらいの時間、滞在できるかを判断する。

(2011年4月18日01時28分 読売新聞)
[転載ここまで]


4月17日の作業ロボットの計測において、産経新聞は数値を示さなかったが、ロボット投入前の計測では一号機原子炉建屋内の放射線量が毎時270ミリシーベルトだった。毎時49ミリシーベルトの5倍以上の数値が計測されているのである。しかも、扉のガラス越しに計測して、である。ロボットが計測した数値は矮小化された数値に思えてならない。

産経はなぜ、毎時49ミリシーベルトというロボットが計測した数値だけを示し、扉のガラス越しで計測された270ミリシーベルトを隠しているのだろうか。作業員はこのことを知っているのだろうか。ロボットは49ミリだが事前計測では270ミリシーベルトだということを納得尽くで作業しているのだろうか。真実をちゃんと伝えていないのではないだろうか。作業員が放射線由来の病気で命を落としたとき、ちゃんと責任を取るつもりでいるのだろうか。

ところで、4月17日に作業ロボットが計測する前の一号機原子炉建屋のガラス越しの放射線量、毎時270ミリシーベルトを記事に書いた読売新聞は5月5日の原子炉建屋内の作業を次のように書いている。


原子炉建屋内に東電社員2人入る…水素爆発後初 : 福島原発 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110505-OYT1T00337.htm

東京電力は5日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋に、作業準備のため、東電の社員2人が入ったと発表した。

 同建屋に人が入ったのは、3月12日の水素爆発発生後初めて。

 2人は同日午前11時32分、原子炉建屋とタービン建屋をつなぐ二重扉を開けて入った。内部の放射線量を測定する。この後、東電の協力企業の作業員10人を加えた12人が、(原子炉建屋の中に入り)建屋の空気を換気するホースを入れる作業を行う。作業は5日午後に終了する。

 東電によると、5日に予定されている原子炉建屋内での作業時間は1人あたり10分で、予想される作業員の被曝線量は3ミリ・シーベルトとみている。(270ミリシーベルトなら10分間で45ミリシーベルトである)

(2011年5月5日12時03分 読売新聞)
[転載ここまで]
※赤字は当方の補足


読売新聞は、記事では第一号原子炉建屋内の放射線量(毎時270ミリシーベルト)には言及していない。予想される作業員の被爆線量も、10分3ミリシーベルトしか被爆しないと、極めて矮小化された数値で示している。

しかも、記事は東電社員2名のほか、下請け会社から10人の作業員が建屋内で作業することを、記事タイトルを見ても解るように、微妙なニュアンスでごまかしている。東電社員2名を含めた12人の作業員が重装備で原子炉建屋内で作業すると産経は記事で書いている。東電社員は当然原子炉建屋の線量の数値を知っているだろう。下請け作業員10人には真実を伝えていないのではないか。


嘘を付いているのは誰か。政府か。東電か。産経の記者か。・・・もはや誰でもいい。嘘だけはつかないであげて欲しい。せめて危険を覚悟で作業にあたる者たちには真実を伝えるべきではないか。これでは死んでも浮かばれない。


1号機建屋の換気装置が稼働…福島第一原発 : 福島原発 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110505-OYT1T00555.htm

 東京電力は5日夕の記者会見で、福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋で、換気装置が稼働を始めたことを明らかにした。
 東電によると、作業員が同日午後、原子炉建屋に入り、換気用ホースを敷設する作業を行い、換気装置は午後4時半頃から稼働をスタートさせたという。
 東電では、換気装置によって、1号機の原子炉建屋内の放射性物質を低減させたうえで、原子炉内を冷却させる新システムの設置作業に入る計画。2011年5月5日19時47分読売新聞)
[転載ここまで]


ひとまず、当の目的である換気装置の設置は成功したようだ。しかし、一人10分、40分で作業を終えることができたのだろうか。原子炉建屋内で作業にあたった人が浴びた線量は毎時270ミリシーベルトか、それ以上である。10分でも45ミリシーベルトを被爆する計算だ。瞬時に大量の放射線を浴びたときの影響は東海村JCO事故で証明されている。もし毎時270ミリシーベルト以上の放射線が出ているのなら、いうまでもなく致命的である。とにかく誰かが数値を矮小化し、毎時49ミリシーベルトだと誤魔化したのである。当方は、ここに悪魔の縮図を見る。悪魔は嘘をついて人を殺すのである。


(cache) 福島から避難した静岡の病院で小学5年生が亡くなりました|脱原発の日のブログ
http://megalodon.jp/2011-0505-2111-06/ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-10882381802.html

皆さまへ

いつも重要な情報をありがとうございます。
私の子供と同じ小学校に、いわき市から避難してきた子の親からの情報です。
今まで、福島原発の水素爆発による被曝で、亡くなった方が沢山いるのに、全く公表されていない、パニックにならないよう配慮されているとか、因果関係を調査中であるとか、言われるそうです。
その方の友人のお子さんは、小学校5年生で、被曝当時は福島県久ノ浜にいたそうですが、静岡県の病院で亡くなったそうです(鼻出血など放射線障害の急性期症状で)。母親があまりにもショック状態で、病院名や経過など、詳しくはとても聞けなかったそうですが、その静岡の病院には他にも同じ症状の子が沢山いたそうです。
私は大学病院に勤めていたことがあるので分かりますが、職務上知り得た情報は一切他言できないので、この情報は患者家族からしか伝わってこないと思います。しかし、例えば私の子供は、ポリオ予防接種2回目で全身蕁麻疹が出てステロイド点滴で一命をとりとめた時も医師から、「蕁麻疹は原因不明の病気ですから」とポリオが原因にならなかったことから、患者家族が因果関係を証明するのも、他者が個人情報を調べるのも、難しいと思います。今回の被曝による死者多数の話も、行政や病院側が隠せば、また「デマに注意しましょう」と言われると思います。
被曝された方々やご家族に配慮しながら、真実を知らなければならないと思います。作業員の方の情報も隠されていないか心配です。何か情報がありましたら、よろしくお願いします。


(実名投稿ですがここでは伏せます)


「みどりの未来」MLより、今朝のニュースです。

福島原発からの放射能による、
一般(こども)の急性障害による死亡です。
外部被ばくがしきい値以上であったということ。

なんという「こどもの日」になってしまったことだろう。

お子さんを亡くした親御さんの気持ちを考えると言葉がありません。
ご冥福をお祈りし、半日ほど公開を考えていましたが、
やはり事実を共有して真実の取り組みを急ぐ、市民からの民主政治を基本に考えようと思います。

未来を生きるはずの子ども達のいのちの危機をもしかしたら軽減できるかもしれない。
取り組みはまだまだ沢山あり、急を要します。

子ども達の急性障害発症について、事実の掌握と対策を。
科学的、医学的、政治的な協働をお願いします。

守秘義務は院内職員等に課されているだけで、人災による死をとうてい黙認できるものではありません。

広く事実を公開して二度とこのような惨いことのないよう、

他にもいる急性障害に苦しむ子ども達を、世界が見過ごさないよう…

どれだけ豊かな人生を生きたかもしれないその小さないのち、

償いようもない尊い、たったいひとつのかけがえのないいのちが消えてしまった意味…

大人はこの事態に責任があります。

子ども達の健康で文化的な生活を守る義務があります。

2011年の「こどもの日」は、原発事故を問う子ども達と、これから生まれて来るだろう 無数の 未来を生きる子ども達のために失われたたったひとつのいのちに謝りたいと思います。

「原発を、止められなくてごめんね」。

[転載ここまで]
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Tag:陰謀論 闇政府 人工地震 福島原発事故 

Category:震源深さ10キロメートルの地震とTPPと311東日本大震災

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